キャリア教育 小学校新任教員研修資料046 

初任者研修資料
つばさ
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キャリア教育について知りたいです。

 学校では、さまざまな教育がなされています。

 その中で、最近とても大切だとされている教育の1つに「キャリア教育」があります。

 今回は、「キャリア教育」について書きます。

キャリア教育

🟠キャリア教育

<キャリア教育とは?>

 文部科学省は、2011年(平成23年)に「小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉」を発行しています。その中で、「キャリ教育」について次のように定義しています。

 一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育

小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉

 そして、さらに「キャリア」について、次のように書かれています。

 人は,他者や社会とのかかわりの中で,職業人,家庭人,地域社会の一員等,様々な役割を担いながら生きている。これらの役割は,生涯という時間的な流れの中で変化しつつ積み重なり, つながっていくものである。また,このような役割の中には,所属する集団や組織から与えられ たものや日常生活の中で特に意識せず習慣的に行っているものもあるが,人はこれらを含めた 様々な役割の関係や価値を自ら判断し,取捨選択や創造を重ねながら取り組んでいる。 

 人は,このような自分の役割を果たして活動すること,つまり「働くこと」を通して,人や社会にかかわることになり,そのかかわり方の違いが「自分らしい生き方」となっていくものである。 

 このように,人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割と の関係を見いだしていく連なりや積み重ねが,「キャリア」の意味するところである。

小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉

 さらに、「キャリア発達」について、次のように書いています。

 社会の中で自分の役割を果たしながら,自分らしい生き方を実現していく過程を「キャリア発達」という。

小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉

 なお、「小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉」については、次のページから読むことができます。

小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉に進む外部リンク

 また、2017年(平成29年)に告示された小学校学習指導要領でも、「キャリア教育」について、次のように書かれています。

 児童が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。

小学校学習指導要領 解説 総則編

<キャリア教育の必要性>

 国にとってキャリア教育が必要なのは、子どもが大人になった時に、普通に「働く人」になって、税金を納めてほしいからだと思います。

 国にとっては、極めて当然の教育政策だと思います。

 子どもが大人になったときに、進んで働く人になって、税金を納めないと、国は立ちゆかなくなってしまいます。

 小学校を作ることも、道路を作ることも、国を守ることも税金というお金がないとできないことになります。

 世界3位の国内総生産(GDP)を誇る日本ですが、残念なことに、最近は、日本の経済的な成功の話よりも、20年間も賃金が上がらない国という負のイメージの方が強いのかもしれません。

 最近、岸田首相が「異次元の少子化対策」という政策を行うと打ち上げましたが、その財源が明確に示されたわけではありません。

 これからの社会を担ってくれる子どもたちが、「働くこと」に関心をもち、進んで働く人にならないと、国は困ることになります。

<小学校におけるキャリア教育>

 では、具体的に小学校では、どのようなキャリア教育を考えているのでしょうか。

小学校キャリア教育の手引き〈改訂版〉」の中で、「小学校段階におけるキャリア発達の特徴」として、低中学年ごとに次のように書かれています。

 低学年:学校への適応

 中学年:友達づくり,集団の結束力づくり

 高学年:集団の中での役割の自覚,中学校への心の準備

 この冊子の中でも、キャリア教育といって特別なことを望んでいるわけではありません。

 例えば、低学年では、「ありがとうやごめんなさいが言える」こととか、「係や当番の仕事に取り組み,その大切さが分かる」ことなどのような基本的な日常生活や学校生活ができることを、「キャリア教育」のねらいにしています。

 中学年では、「自分の生活を支えている人に感謝する」ことや「働くことの楽しさが分かる」ことなどがキャリア教育のねらいにしています。

 高学年では、「社会生活にはいろいろな役割があることやその大切さが分かる」ことや「夢や目標に向かってあきらめずに努力することの大切さが分かる」ことなどをキャリア教育のねらいにしています。

<キャリアパスポート>

 2020年(平成2年)から、小学校から高等学校までのキャリア教育に関する活動を記録するキャリパスポートという教育方法が始まっています。このキャリアパスポートというのは、キャリア教育を行ったり、その時に子どもが感じたりした記録を保管していくことです。

 学習の記録を保管することを「ポートフォリオ」というのですが、キャリア教育に関するポートフォリオを小学生から高等学校に行くまで続けていこうと考えています。

 ポートフォリオのよさは、子どもと教員が、その時点での学習の到着点や今後の課題などについて、確認できるとともに共有できることです。

 このキャリア教育に関するポートフォリオは、転校したり進学したりしても継続することになっています。

<資料>

 なお、私が書いている子ども用のブログ「よみもの」では、様々な職業の人にインタビューした記事を載せています。参考になれば、幸いです。

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