角野栄子さんを取材した「カラフルな魔女」という作品があります。
作家角野栄子さんを主人公にした映画「カラフルな魔女」が、2024年1月26日から公開中です。
今回は、「カラフルな魔女」について書きます。
カラフルな魔女:角野栄子さん:ドキュメンタリーをみる①
イラスト:ぺるこさん
🟠カラフルな魔女:角野栄子さん:ドキュメンタリーをみる①
<この映画の主人公>
今回紹介するドキュメンタリー映画「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~」は、童話作家の角野栄子(かどの・えいこ)さんについて、NHKが4年間にわたり、取材・放送したものを、再編集し、新たな映像も付け加えて映画化したものです。
この映画の主人公は、作家・角野栄子さんです。長年に渡り、素晴らしい童話作品を生み出してきた作家です。
特に、「魔女の宅急便」という作品は、宮崎駿さんによってアニメ化されたことで、日本で知らない人がいないと言ってもいいかもしれません。
角野さんは、1935(昭和10)年生まれです。お誕生日が1月1日なので、2024年の正月で89歳になられました。
とても89歳とは思えないぐらい、チャーミングなお姿です。全く年齢を感じさせないような行動的な日々を過ごされています。
なお、この映画のホームページは、次のところから見ることができます。
カラフルな魔女・ホームページに進む(外部リンク)
<この映画の監督>
この映画の監督は、宮川麻里奈(みやがわ・まりな)さんです。
1970年6月に徳島市の生まれで、東京大学教養学部卒業です。
1993年NHK番組制作局に入局されました。金沢局勤務だったそうです。
「爆笑問題のニッポンの教養」「探検バクモン」などを経て、2013年「SWITCHインタビュー」を立ち上げます。NHKの中でも、たくさんの素晴らしい作品に関わっておられます。
「あさイチ」などを担当した後、現在はNHKエンタープライズで「所さん!事件ですよ」「カールさんとティーナさんの古民家村だより」などのプロデューサーを務めておられます。一男一女のお母さんでもあります。
多くの映像制作に関わってこられましたが、映画の監督としては、初めての作品になります。
この映画を紹介するホームページの中で、次のように語ります。
コロナ禍の間をぬいながら撮影を続けて4年。角野栄子さんは、とことん「愉快」―愉しく快い―方でした。
映画「カラフルな魔女」ホームページ
好奇心旺盛で頭の回転が速く、そして何よりも自由で。
角野さんの精神の自由さ、のびやかさには、いまだに圧倒され続けています。
角野さんの、何でもない日常の1コマ1コマを生き生きとさせる「ありかた」、88歳にしてあふれんばかりの好奇心と冒険心は、おのずと、見る人に伝染すると確信しています。
角野さんという、地球上見渡しても稀有な「魔女」にスクリーンで出会い、そのハッピーオーラを浴びてください。
<この映画のナレーター>
この映画のナレーターは、宮﨑あおい(みやざき・あおい)さんです。
宮崎さんは、1985年11月30日生まれで、東京都出身です。
2008年、歴代最年少でNHK大河ドラマ「篤姫」の主演を演じられました。映画「少年メリケンサック」(2009年)、「ツレがうつになりまして。」「神様のカルテ」(2011年)、「わが母の記」(2012年)、「舟を編む」(2013年)、「怒り」(2016年)など、多くの映画などに出演され、数々の映画賞を受賞されています。
「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)、「バケモノの子」(2015年)、「かがみの孤城」(2022年)などで、声優としても活躍しています。
かがみの弧城:ファンタジーを読む①に進む(内部リンク)
近年の作品として、「大名倒産」(2023年)などがあります。2023年はNHK連続テレビ小説「らんまん」の語りを担当したほか、Netflixにて、映画「クレイジークルーズ」が全世界配信されました。
日本を代表する俳優さんです。
映画の公開にあたり、この3名が出演されている映画の舞台挨拶の様子が公開されています。
興味のある方は、ご覧ください。
初日舞台あいさつに進む(外部リンク)
<テレビ作品としての「カラフルな魔女」>
私もこの映画を見終わった後で、この映画に関係するものを見聞きする中で、知ったのですが、この映画の源泉は、NHKのドキュメント番組です。
ほぼ毎月、「カラフルな魔女」という番組は、NHKのEテレで放送されています。
例えば、2024年1月7日に初回放送された番組は、「辻仁成さんに会いに行く」という題名です。
NHKのホームページには、次のように書かれています。
88歳の角野がいま一番会いたい人は、作家でミュージシャンの辻仁成。初対面の二人は意気投合し、得意料理から外国暮らしの極意、創作の秘密まで、縦横無尽に話が弾む。
NHK「カラフルな魔女」過去のエピソード
また、2023年12月3日に初回放送された番組は、「若者と88歳の魔女」という題名です。
NHKのホームページには、次のように書かれています。
「魔女の宅急便」で知られる角野栄子さんは自称「ミーハー」。若い女性たちでにぎわう韓流タウンを探検し、母校早稲田大の学生たちと語り合う。意外な裏話も飛び出して…
NHK「カラフルな魔女」過去のエピソード
このNHKのドキュメンタリー番組の過去の放送内容については、次のところから見ることができます。
テレビドキュメンタリー「カラフルな魔女」過去の作品に進む(外部リンク)
なお、この「カラフルな魔女」の最新番組である「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし めぐる時間 めぐる物語」という番組が、次の日程で放送されました。
NHKのEテレで、2024(令和6)年2月4日(日)午後6:00~午後6:30(30分間)放送されました。
再放送は、NHK Eテレで、2024(令和6)年2月5日(月)午後1:30~午後2:00(30分間)放送されました。
さらに、この「カラフルな魔女」の過去に放送された「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし 憧れキャンピングカーの旅」という番組(初回放送日: 2023年11月5日)が、次の日程で放送されます。
NHKのEテレで、2024(令和6)年3月3日(日)午後6:00~午後6:30(30分間)放送されます。
再放送は、NHK Eテレで、2024(令和6)年3月4日(月)午後1:30~午後2:00(30分間)放送されます。
この番組の紹介ページに進む(外部リンク・NHK)
<映画「カラフルな魔女」を見た個人的な感想>
いつもよく見に行く地方都市のある映画館で、この映画を見たのですが、普段見る映画に比べて、圧倒的に男女の比率が違いました。
観客のほとんどが女性でした。私のような男性はほんの少ししかいませんでした。角野栄子さんは、本当に同性の女性から愛されている方なのだな、と思いました。
やはり魔女の宅急便というジブリ作品と、角野栄子さんのかっこいい生き様に共感を覚える女性が多いのだろうな、と思いました。
映画に出てくる角野栄子さんは、本当にチャーミングで、活動的でした。
多くの女性が、このように年齢を重ねたいと思うような、素晴らしいお手本になっておられるのだろうな、と思います。
素敵な年齢の重ね方をされているなぁ、と思いました。
映画を見て、初めて知ったこともたくさんありました。
幼い頃に、お母さんを亡くされていたこと。
若い頃に、ブラジルに自主移民され、2年間過ごされたこと
ブラジルで出会った少年の様子描いたノンフクションが作家としてのデビュー作であったこと
カラフルな布を買い、自分の体型に合うように、同じ形のワンピースを仕立てていること
毎日、仕事をきちんとこなし、散歩を楽しむこと
ブラジルで60年以上前に出会った少年に再会したこと
魔女の館と呼ばれる角野栄子さんの思いのいっぱい詰まった図書館を作り上げていたこと
この映画を見ることで、ますます角野栄子さんご自身と角野栄子さんの作品に興味を覚えました。
<朝日新聞のインタビューに答える角野栄子さん>
2024年1月29日(月)の朝日新聞の夕刊に角野栄子さんの映画を紹介し、インタビューする記事が一面におおき掲載されていました。
GLOBE +という記事で、見出しは、「自由と好奇心は創造の源」となっています。
10個程度の記者の質問に、角野栄子さんが答える形で記事は構成されています。
ここでは、その中から2つの質問に答える角野さんのインタビュー記事を載せます。
Q:角野さんが、迷いながらもとにかく前に進んで来られたのはなぜでしょうか。
A:好奇心、好奇心というのは想像力と両輪ですからね。
Q:自分は何がしたいんだろうと悩んでいる大人がいるとしたら、どういう言葉をかけますか。
A:やっぱり自分で何か見つけなくちゃね。だって人に言われても嫌なものは嫌じゃない。とかく、人と同じになりがちだけどやっぱり自由に何か見つけなくちゃ。自由じゃなくちゃ何も生まれない、と私は思っているから。
朝日新聞 2024年1月29日(月)夕刊 3ページ
角野さんらしい、個性溢れる回答だな、と思いました。
なお、この詳しいインタビュー記事は、次のところから読むことができます。
児童文学作家・角野栄子さんのインタビュー記事に進む(外部リンク)
⭐️ ⭐️
なお、関係する次の文章もお読みください。
角野栄子さん 教科書の作家②に進む(内部リンク)
魔女の宅急便① 誕生とアニメ化 ファンタジーを読む②に進む(内部リンク)
魔女の宅急便②:通過儀礼 ファンタジーを読む③に進む(内部リンク)
魔女の宅急便③:シリーズ化 ファンタジーを読む④に進む(内部リンク)
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