異字同訓の漢字って知っていますか?
漢字には、同じ読み方をする漢字がたくさんあります。
読み方が同じなのに、意味が違う漢字を、異字同訓といいます。
今回は、「異字同訓の漢字・同じ読みの漢字」について書きます。
異字同訓の漢字・同じ読みの漢字
🟠異字同訓の漢字・同じ読みの漢字
<日本語の特性>
日本語の特性の一つとして、母音の数が少ないということがあります。
日本語の母音は、「あ・い・う・え・お」の5つしかありません。
そこで、日本語では、同じ読み方をするのに意味が違う言葉がたくさんあります。
そのような同じ読み方をするのに、意味が違うものは、漢字にもたくさんあります。
そのような漢字を「異字同訓(いじどうくん)」といいます。同訓異字(どうくんいじ)ということもあります。
<異字同訓(いじどうくん)の種類>
異字同訓(いじどうくん)は、大きく分けて、次の3種類があります。
A 字義がほぼ同じで、同様の使い方ができる漢字
B 字義が類似しているが、違いがあり、書き分けられる漢字
C 字義がまるで異なるが、たまたま訓では同じ読みをする漢字
特に、日常生活で問題になるのは、Bの「字義が類似しているが、違いがあり、書き分けられる漢字」です。
例えば、次のような文で使われる「あう」には、漢字を使い分ける必要があります。
① 友だちにあう。
② 友だちと目があう。
③ 事故にあう。
①には「会」、②には「合」、③には「遭」を使います。
ですから、「であう」という漢字は、「であった対象」が「人の場合」と「ものやことがらの場合」では、次のように使い分ける必要があります。
④ すばらしい人に出会う。
⑤ すばらしい本に出合う。
とはいえ、このような漢字の使い分けをすることはとても骨の折れることです。
異字同訓についてよくわかる何かいいものはないのでしょうか。
そのような多くの人の思いを受けて、文部科学省の外局である「文化庁」は、2つの資料を作成しています。
1つは、1972年(昭和47年)に作成された『「異字同訓」の漢字の用法』です。
もう1つは、2014年(平成26年)に作成された『「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)』です。
「異字同訓」の漢字の用法に進む(外部リンク)
「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)に進む(外部リンク)
<『「異字同訓」の漢字の使い分け例』の活用>
子どもに指導をしているときや、学年だよりや学級通信などを作成しているときに、「この場合、どの漢字を使うといいのかな?」と思うことはよくあります。
そのような漢字の使い分けに迷ったときに重宝するのが、この『「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)』です。
普段使っているパソコンやスマートフォンなどに、この資料のPDFファイルをダウンロードしておくと、とても便利だと思います。
子どもたちに、ものを教える教員という仕事をしているわけですから、私たち教員は、確かに正しい漢字をたくさん覚えておくことは、とても重要なことだと思います。しかし、全てを覚えておくことなど、なかなかできることはありません。
それよりもよくわからないときに、さっと調べることができる態度や習慣を身につけていることの方が大切なように思います。
<『「異字同訓」の漢字の使い分け例』の具体例>
先程簡単に紹介して「あう」について、この『「異字同訓」の漢字の使い分け例』では、次のように載っています。
とてもわかりやすく説明されていると思います。
ぜひ、使い方がわからない漢字に出合ったときには、ご利用いただけたらいいのではないかなと思います。
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なお、漢字学習や漢字辞典や国語辞典の引き方については、次のページもお読みください。
漢字学習(1)読みと書きを分けるに進む(内部リンク)
漢字学習(2)漢字辞典の引き方に進む(内部リンク)
辞書を引く習慣のつけ方に進む(内部リンク)
漢字学習(3)指導者がペースを決めるに進む(内部リンク)
漢字学習(4)子どもを漢字のミニ先生にするに進む(内部リンク)
漢字学習(5)漢字の正しさ とめ・はね・はらいに進む(内部リンク)
漢字学習(6)漢字遊びのいろいろに進む(内部リンク)
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