詩の学習における発問について知りたいです。
詩の学習についてです。
今回は、発問についてです。教材として詞を扱っていますが、物語文でも説明文でも基本は同じです。
なぜ発問をするのか?
授業には指導者の発問がつきものですが、なぜ発問をするのでしょうか?
それは、子ども達に詩について考えさせたいからです。
指導者がある詩を取り上げ、研究をすればするほど、子ども達にいろいろなことに気づいてもらいたいと思ってしまいます。
しかし、気をつけないといけないことがあります。それは、よく吟味した発問に絞ると言うことです。
なぜなら、指導者は、自分の好きなだけ何分も、時には、何時間も教材研究ができます。
子どもは、限られた時間の中(ほんの数分、場合によっては、数秒)で答えを求められるからです。
ですから、1時間にいくつの発問をするのかはよく考えておく必要があります。
2種類の発問
発問には、大きくわけで2種類あります。
一つは、答えが一つしかない発問(限定的発問)、もう一つは、答えが複数ある発問(拡散的発問)です。
例えば、金子みすゞさんの「みんなを好きに」の詩を示して、「①題名は何ですか?」「②書いた人は誰ですか?」「③何連からできている詩ですか?」という発問には、答えが一つしかありません。
それぞれ「みんなを好きに」「金子みすゞさん」「6連からできている」となります。
このような答えが限定される発問は、その詩について重要なことを確認していく上で大切な発問です。
しかし、このような発問を繰り返しますと、指導者と子どもが交互に話をすることになります。
このようなやりとりは、一般的に「一問一答」形式のやりとりとしてよくないとされます。
理由は、指導者の話す時間が多くなるからです。(でも、時には限定する発問も大切です。)
詩の発問の実際
よい発問は、一つのことを訊くことで、子どもから複数の答えが出てくるものだとされています。
例えば、「④この詩を書いた人は、どんなものや人を好きになりたいと考えていますか?」という発問したとします。
すると、「葱」「トマト」「おさかな」「お医者さん」「烏」と5人が答えを言うことができます。
「⑤この5つ以外に他にどんなものを好きになりたいと思っていると思いますか?」という発問をした場合、
「ア:にんじんだと思います。理由は、にんじんが嫌いな子どもが多いからです」
「イ:算数です。算数が苦手な子どもが多いからです。」
「ウ:逆上がりです。逆上がりができない子が多いからです。」
というような答えが出るような子どもに、学級の子どもを育てることができればたいしたものです。
みなさんの答えはどちらでしょうか。○ですか? ×ですか? その理由はどうなりますか。
よい発問とは、教材から離れて勝手な思考をさせるものではなく、教材について、より深く考えさせるものだと思います。教材研究をして、よい発問を考えてくださいね。
尋ねていなくても、きちんと理由を付け加えて、発表することができているからです。
もし、イやウの答えに対して、「エ:イやウはおかしいと思います。『算数』や『逆上がり』は、食べ物でも、職業でも、動物でもないから、違うと思います。」と子どもが発言したら、指導者として、どう答えますか?
私なら、ここで限定する発問と拡散する発問を組み合わせてします。
「⑥今のエさんの意見は正しいと思いますか? 間違っていると思いますか? ノートに賛成なら○を、反対なら×を書きましょう。理由が書ける人は理由も書きましょう。」
このブログの読者のみなさんの答えは、どちらでしょうか。○ですか? ×ですか? その理由はどうなりますか。
よい発問とは、教材から離れて勝手な思考をさせるものではなく、教材について、より深く考えさせるものだと思います。教材研究をして、よい発問を考えてくださいね。
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