自由作文って何ですか?
多くの作文の時間の題材は、指導者が決めることが多いです。
遠足や運動会が終わった後で、遠足や運動会を題材にして作文を書くことがあります。
今回は、指導者が題材を決めて作文を書くのではなく、子ども自身が題名を決めて書く「自由作文」について書きます。
書く内容は次の通りです。
作文の時間の現状
自由作文とは?
作文の時間の現状
残念なことに、日本の多くの学校では、「作文」の時間はあまり多くとられていません。
日本では、国語の時間の中に、「話すこと・読むこと」「書くこと」「読むこと」の時間が設定されています。その他、「図書」の時間や「書写(習字)」の時間があります。
「話すこと・聞くこと」「書くこと」の時間は、年間この程度の時間を割り当てましょうという、標準の時間が、小学校学習指導要領の中で明記されていますが、きちんと理解していない教員も多いと思います。
多くの教員が、「漢字学習」と「読むこと」に多くの時間をとり、「作文」の時間を週1時間程度きちんと設定している教員はあまりいないように思います。
私自身、作文を書く前に、きちんと取材をしたり、構想を練ったりする時間をもつ方がよいのだと知ったのは、教員になってからでした。
小学校の作文の時間は、多くの場合、運動会や遠足などの学校行事があった後で、「運動会」や「遠足」という題材で、それらの行事について書くことが大半であったように思います。
その上、日本には、「綴方教室」の伝統があります。「自分の生活を見つめ、自らの生活の様子を素直な子どもらしい視点で見て、ありのままに書くこと」が尊ばれてきました。
あまり、書き方について指導を加えたり、子どもの書いたものを添削して、書き直させるという習慣はありませんでした。
フランスなどでは、子どもの書いた作文を、教師が、綴り字1文字まで詳細に添削をしたものを、もう一度書き直しさせて、書くとはどういう行為であるかを徹底的に指導すると聞いたことがあります。
塾や作文教室を除いて、日本の学校では、あまり添削をしないことの方が多いのではないでしょうか?
それ以前に、あまり作文そのものを書かないのかも知れません。
以前、中学校の国語科の教員をしている友だちに、「中学校では、作文はどう指導しているの?」と聞いたことがあります。「評価(をして、点数をつけるの)がたいへんなので、あまり書かせない」と言っていたのを聞いたことがあります。
自由作文とは?
自由作文とはなんでしょうか?
文字通り、題材や題名を自由に子どもたちが決めて書く作文のことです。
題材を指導者が決めるのではなく、子どもが書く題材を決め、自由に作文を書くことです。
ただ、自由作文を書く前にも、指導は必要です。
「さあ、今から1時間、作文の時間にしますので、書きたいことを、自由に書きましょう。」
こう言ったら、多くの子どもは、頭を抱え、「ええ、何書くの?」「全然思いつかないです。」と訴えるでしょう。
🟠子どもたちを書きたいことがある状態にする
<取材>
自由作文を書く前には、前の週の金曜日などに、「来週の○曜日の○時間めに、自由作文を書きます」などと予告をしておき、取材する時間を持つことができるようにします。
次に、題材の例を示します。「休みの日の出来事」でもいいでしょうし、「家族」についてでもいいでしょう。「好きな漫画」や「好きなYouTuber」という題材でもいいことを伝えておきます。
「家族」についてならば、何か「面白い行動」や「面白い会話」がないかどうかを聞くのもいいでしょう。
教師の家族の「面白い出来事や言動」のエピソートなどを仕入れて、話しておくのもいいかもしれません。
「散髪屋さんが気に入ったお兄ちゃんは、お母さんが目を離したわずかな隙に、妹の頭を刈ってしまってお母さんをびっくりさせたこと」などを話すと、多くの子どもは、面白いと思い、自分や家族の面白いエピソードを思い出したり、場合によっては、自分の幼い頃の面白いエピソードを、家族に取材したりするのではないでしょうか。
<記述>
記述の際の注意点は、あまり多くない方が書きやすいと思います。
しかし、いくつかは、書く前に伝えておく方がいいかも知れません。
○「会話文」を書く際の改行の仕方
○ 文末を「敬体」か「常体」で揃えること
○ テーマの一貫性
最後の「テーマの一貫性」について詳しく書きます。
テーマの一貫性とは、1つの作文の中で、いろいろな話題について書かないということです。
1つの話題に絞って書くということです。
「日曜日の出来事」という作文で、朝からあった出来事を順番に書いていくのは、一向に構わないと思います。しかし、急に、日曜日の出来事になかった「大谷翔平がホームランを打ったこと」が、作文に出てきたらよくないということは、伝えた方がよいと思います。
子どもの頭の中では、今考えていたことを忘れて、すぐにどこか違うところに行ってしまいます。
しかし、何かをきちんと作文にして、誰かに知らせるためには、テーマは絞った方がいいです。
🟠早く書き上げた子どもへの対応
それぞれの自治体などで発行している作文集などがあれば、学級に用意しておくとよいと思います。
早く書けた子どもには、自分で読み直すことも大切でしょうが、他の子どもの書いた作文を読み、いろいろな作文の内容や書き方に触れることも大切だと思います。
作文のすすめ(1)400字作文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む(内部リンク)
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