問題解決学習

指導方法
つばさ
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問題解決学習について知りたいです。

 小学校の学習では、様々な指導方法をとることがあります。

 指導方法の中には、問題解決型学習という指導方法があります。

 今回は、「問題解決学習」について書きます。

問題解決学習

🟠問題解決学習

<問題解決学習>

 小学校の学習では、様々な指導方法をとります。

 ある1時間の授業において、学級内の全ての子どもが、教師が提示した授業の目標や学習のめあてを達成するためには、教師は様々な技術や指導方法を駆使する必要があります。

 小学校の教員の選択する指導方法の中に「問題解決学習」という指導方法があります。

 問題解決学習とは、「子どもが自分で問題を発見して、実験や討論などを通して問題解決力を学ぶ指導方法」です。

 アメリカの教育学者ジョン・デューイさんにより提唱された教育方法です。英語では、「Project Based Learning」あるいは、それを省略して「PBL」といいます。

 事前にテーマを与え、自分たちで議論して課題を見つけ、仮説を立てたり実験や調査を行ったりして問題解決を図ることを目的としています。

 理解をしやすくするために、5年生の算数科の「平行四辺形の面積を求める問題を解く学習」場面をもとに説明します。

 平行四辺形の面積を求めるために、どのような指導方法があるでしょうか。

 1つは、平行四辺形の面積を求める公式(底辺×高さ)を教えたくさんの問題を与えて、解くことを繰り返す学習方法です。ここでは、仮に、「教授練習学習」と名づけておきます。

 もう1つは、「問題解決学習」です。

 問題解決学習では、子どもは、未知の問題を、既知のことを手掛かりとして可能な限り自らの力で解決していこうとする学習方法です。

 平行四辺形の面積の求め方という「未知の問題」を、それまでに学習した長方形の面積の求め方という「既知のこと」を手がかりに、工夫して自分で解こうとする学習方法です。

 具体的には、次のような学習過程を踏みます。

① 問題を提示する。 「平行四辺形の面積を求めるのか。

② この時間の学習のめあてを確かめる。「めあては『平行四辺形の面積を求めよう』だな

③ 問題を解くための見通しを考える。「長方形にすると解けるかも。○㎠ぐらいかな

 見通しには、解き方の見通しと、大体どのぐらいになるか結果の見通しの2つがある。

④ 見通しを共通理解し、解くための方法を決める。「私は一部を動かして長方形にしてみよう

⑤ 見通しにそって、1人1人個別にノートなどで考える。「図を切って、動かして長方形にしよう

⑥ できた子どもは少人数で相談する。「隣の子は、図の切り方が私違うな

⑦ 学級全体で解き方を話し合い、問題の答えを確認する。

みんな長方形にしていて、長方形の面積の求め方であるたて×横で求められるね

⑧ 公式などの大切なことを確認する。「平行四辺形の公式はどうなるのかな

⑨ 類似問題を解く。「他の問題でも同じようにすると、解けたよ

⑩ 本時の学習のまとめや感想などを確かめる。「今日は自分で問題が解けて面白かったな

<問題解決学習のメリットとデメリット>

 学校が行うどのような指導方法にも、長所と短所があります。

教授練習学習」にも「問題解決学習」にもメリットとデメリットがあります。

 まず、教授練習学習についてです。

 教授練習学習のメリットとしては、教師が指導の時間をコントロールしやすいことです。

 教授することが中心ですので、子どもが理解するまでていねいに教えることができます。

 また、類似の問題をたくさん解く時間がありますので、場合によっては、テストなどで高い点数を取ることができるようになるかもしれません。

 デメリットとしては、この指導方法では、どうしても子どもは、受身的な学習になります。1人の教師が多人数の子どもたちに一方的に学習内容を教授し、知識詰め込みを行う学習形態では、子どもたちにとって、学んだことがなかなか生きてはたらく力になりません。

次に、問題解決学習についてです。

 問題解決学習のメリットとしては、子どもは、その学習過程のなかで数学的な知識や技能、あるいは数学的な見方・考え方を身に付けていくことができます。そして、これらの事柄は、問題解決の形をとる学習体験を積み重ねていくことによって、 構造化されたものとなり、次の新しい問題を解決するときに生きてはたらく力となります。

 また、広く人間形成という視点から考えれば、問題解決の学習体験をさせることにより、人間が新しいものを考えだしていく創造力を身に付けていく機会を与えることができると考えられます。

 デメリットとしては、学習の苦手な子どもにとっては、指導者の適切な支援がないと、どうしてよいかまったくわからないまま、戸惑う時間がたくさんあるということです。

 また、子どもの能力に差があり、早くできた子どもに適切な指示をしておかないと、手持ち無沙汰な時間が生まれてしまうことも考えられます。

 その上、子どもが自分で考える時間をできるだけたくさん保障しようとしますので、45分間という時間では、することが多く、慌ただしい時間になってしまいます。

 その結果、このような問題解決学習という方法を選択しますと、どうしても⑨の類似問題を解く時間が少なくなり、たくさんの問題を解くことができません。

 場合によっては、1時間の学習の中で、最初に示した1つの問題しか解くことができないことというようなこともよくあります。

 指導法には、ベターな方法はありますが、誰にでも通用するベストな方法はありません。たえず改良を加えながら、少しずつ発展していくものだと思います。

 問題解決学習を選択した場合、学級の子どもの実態に合わせて、よりよい方法にしていくことが大切だと思います。

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