学習の約束事を作る

教育雑感
つばさ
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学習の約束事について知りたいです。

 多くの学校では、「学校生活のきまり」があります。

 そのきまりの中には、学習の約束事などに触れられているものもあります。

 今回は、「学習の約束事を作る」ということについて書きます。

学習の約束事を作ろう

🟠学習の約束事を作る

 子どもに確かな学力をつけるためには、子ども一人一人の「学習への構え」が必要です。

 今回は、「学習の約束」をまとめてみます。

 できれば、この例をもとにして、各学級や各学校で「学習の約束事を作る」活動をしてほしいと思います。

 約束事の理由や根拠などについては、「※」を付けて解説することにします。

<1.はじまり>

① 教科書、ノート、筆記用具、下敷きなどを準備する。

 ※筆記用具は、筆箱に入れておきます。

 ※筆記用具としては、鉛筆5本、赤鉛筆1本、さし、けしゴム、名前ペンなどにしぼります。

 ※必要のないものは、学習の邪魔になりますので、入れないようにします。

 ※鉛筆は、家庭や休み時間などに、前もって削っておきます。

② 教科書、ノートを開いて、席に着いて待つ。

 ※ノートには、下敷きを敷いておきます。

③ 教科書には、閉じないように折り目をつけておく。

 ※教科書の任意のページが自由自在に開くようにしておくことが大切です。

 教科書の折り目の付け方については、次のページを参照してください。

教科書に進む外部リンク・姉妹ブログ:よみもの

<2.話す、発表する>

① 発表する時は、黙って手を挙げる。

 ※「はい、はい」という言葉は、他の子どもの思考の邪魔になります。

② 指名されたら「はい」と返事をする。

 ※返事はきちんとするようにします。

③ 聞こえる声で、最後まではっきりと話す。(~です。~ます。)

 ※発表内容によっては、その場で立って話したり、前に出て話したりします。

 ※立つ時は、そのまま立ちます。時間がかかりますので、いちいち椅子を動かしません。

 ※声に張りを持たせ、クラスの全員に聞こえる声の大きさで話します。

④ 自分の考えがみんなに伝わるような話し方をする。

 例:「私は~だと思います。わけは~だからです。」など。

 ※このような話し方をすると、学級のみんなの理解がしやすくなるからです。

⑤ 話合いの時には、意思表示をする方法を身に付ける。

 例:賛成意見「私は○○さんに賛成です。わけは~だからです。」

   反対意見「私は○○さんに反対です。わけは~だからです。」

   補足意見「○○さんにつけたします。」

   質問「○○さんに質問です。」

     「聞こえなかったのでもう一度言ってください。」

 ※このようなつなぎの言葉などが入ると、何を話そうとしているかわかりやすいので、聞く人が理解しやすくなるからです。

<3.聞く>

① 話している人の方を見て、最後まで聞く。

 ※うなずきながら聞くと、話す人は話しやすいです。

<4.書く>

① 鉛筆は、正しく持つ。

 ※正しい鉛筆の持ち方を繰り返し伝えることが大切です。

 ※できるだけ、鉛筆は軽く持ちます。強く握ると、指先が痛くなって、たくさん字を書くことができません。

鉛筆の正しい持ち方については、次のページを見てください。

作文のすすめ(8)低学年向けに進む内部リンク

② 鉛筆を持っている手の反対側の手は紙の上にのせ、押さえる。

 ※紙が動かないようにします。

③ いすに深く腰掛け、背筋を伸ばして書く。

 ※姿勢が悪いと、目が悪くなることもありますし、長い時間書き続けることができません。

<5.読む>

① 句読点に気を付けて、大きな声ではっきりと読む。

 ※話をするように声を出して読むと、聞いている人に伝わりやすいです。

② 両手で本を持ち、目を近付け過ぎないようにして読む。

 ※学級全員が両手で本を持つようにします。

③ 代表して読む子以外も、一緒に黙読する。あるいは、本を閉じてしっかり聞く。

 ※読む人以外も一緒に学んでいるという意識を持つことが大切です。

④ 静かに本を置く。

 ※本をパタン、バタンと置く音は、授業のよい雰囲気を壊してしまいます。

<6.授業中その他>

① 学習に集中する。(ふざけない)

 ※授業に集中できるかどうかは、教師の指導力が大きく作用します。

 ※活動する内容が明確で、その指示や発問がわかりやすいことが大切です。

<7.学習の終わり>

① 使用した用具は元の場所に戻す。

 ※整理整頓がきちんとできると、次に使うとき、使いやすいです。

② 次の学習の準備物を用意する。

 ※使った教科書やノートなどは机の中にしまい、次の学習の準備をします。

 ※次が給食の場合は、さっと給食の準備をします。

③ 移動教室の際には、教室の消灯・戸締りを忘れずにする。

 ※省エネのためにも、電灯を消すことは大切です。

 ※学校によっては、教室の鍵を閉め、職員室の所定の場所に鍵を置きます。

<8.その他>

① 移動教室の時には静かに移動する。

 ※他の学級の邪魔にならないように、静かに移動します。

 ※授業時間が始まってからの移動の場合は、特に静かにします。

② 机から離れる時には椅子を入れる。

 ※教室内での移動をしやすくなるためにも、椅子を入れた方がいいです。

⭐️           ⭐️

 各学級の「学習の約束事を作る」たたき台にしていただけたら、嬉しいです。

 できたら、全教職員で相談し、全校をあげて取り組んだほうがよいように思います。

 なぜかというと、そうすることで、毎年4月に各担任が1から「学習のきまり」を子どもと作っていく必要がなくなるからです。そのことの意味や価値はたいへん大きいと思います。

 各担任に任せてしまいますと、1人1人の教員の方針の振れ幅がたいへん大きく、担任により子どもの学習の構えの持たせ方に微妙に違いが生まれるからです。

 最低限のルールとして共通理解し、「学習の約束事」や「学習のきまり」を子どもに配るなどすることは、たいへん意味があると思います。

 併せて、関係する次のページも参考にしてください。

授業の約束事に進む内部リンク

名前カードの活用に進む内部リンク

集団指導の技術 小学校初任者研修035に進む内部リンク

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