発達障がいとは?

特別支援教育
つばさ
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発達障がいについて知りたいです。

小学校には、様々なタイプの子どもがいます。

その子どもの中には、特別な教育的ニーズを必要とする子どもがいます。

特別な教育的ニーズを必要とする子どもの中に「発達障がい」をもつとされる子どもがいます。

今回は、「発達障がいとは」何かについて書きます。

発達障がいとは?

🟠発達障がいとは?

最近、多くの場面で、「障害」を「障がい」と書きかえる傾向があります。「害」という漢字にマイナスのイメージや負の印象があるからです。ここでも、基本的に「障がい」という表記を用います。しかし、以前に作られた法律などにおいては、元の「障害」の表記をそのまま用いることにします。

<発達障がいの定義>

発達障がいは、2005年(平成17年)4月に施行された「発達障害者支援法」において、次のように定義されています。

 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの

発達障害者支援法

発達障がいに関係する言葉は、よく似た状態や症状などに対して、様々な言い方があります。

研究の進展や学会などの定義づけの変更などに伴い、使っていた言葉が使われなくなるなど、とてもわかりにくいところもあります。

では、発達障がいに関係する言葉について、さらに詳しく書きます。

<自閉症とは>

「自閉症」について、文部科学省のホームページに次のように書いています。

①他者との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障がいです。その特徴は、3歳くらいまでに現れることが多いですが、成人期に症状が顕在化することもあります。中枢神経系に何らかの機能不全があると推定されています。

文部科学省ホームページ

別の書き方で書くと、「自閉症」とは、「①対人関係の困難さと、②コミュニケーションの困難さがあり、③限定したものや事柄に強いこだわりや興味のかたよりがあること」です。

高機能自閉症」という言葉もあります。自閉症の傾向を示しつつも、知的な発達の遅れのない自閉症のことを指します。

自閉症スペクトラム」という言葉もあります。症状が軽くても自閉症と同質の障がいがある場合、「自閉症スペクトラム」と呼ばれることがあります。スペクトラムとは「連続体」の意味です。

<アスペルガー症候群とは>

アスペルガー症候群」とは、自閉症、広汎性発達障がい、アスペルガーなど、いろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、「自閉スペクトラム症」としてまとめて表現するようになりました。

自閉スペクトラム症」は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障がいで、人口の1%に及んでいるともいわれています。

<広汎性発達障がいとは>

2013年にアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5が発表されるまでは、医学会において、「対人関係の障がい」「コミュニケーションの障がい」「こだわり、興味のかたより」の3つの基準をもって「広汎性発達障がい」と診断されていました。しかし、改訂されたDSM-5によって、「広汎性発達障がい」の分類がなくなり、「自閉症スペクトラム障がい/自閉スペクトラム症」という診断名に包括されました。

🟠学習障がいとは?

<学習障がいとは>

学習障がい」について、文部科学省のホームページに次のように書かれています。

 学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。

文部科学省ホームページ

「学習障がい」は、英語で「Learning Disability」と表記しますので、LDと表記することもあります。

学習障がいのタイプには、読字障がい(ディスレクシア)、書字障がい(ディスグラフィア)、算数障がい(ディスカリキュリア)などがあります。

子どもによって、症状の表れ方が異なったり、意識しないと気づきにくかったりことも多く、診断が難しい障がいでもあります。

学習障がいは、何らかの脳機能の障害が想定されていますが、脳の部位や原因は特定されていません。

<読字障がい/ディスレクシアとは>

識字障がい」には、次のような傾向があります。

・ひらがなの音読が遅く、読み間違えることが多い。

・読んでいる文字や文章の意味を、理解することがむずかしい。

・文章を読むのがたどたどしく、文章の内容やあらすじをつかんだり、まとめたりすることがむずかしい。

<書字障がい/ディスグラフィアとは>

書字障がい」には、次のような傾向があります。

・バランスのとれた文字を書くことがむずかしい。

・文章を書く時に助詞などを、うまく使いこなすことができにくい。

・板書などを書き写す、視写の速度がとても遅い。

・考えた内容を書いて表現することがむずかしい。

<算数障がい/ディスカリキュリアとは>

算数障がい」には、次のような傾向があります。

・数の概念が身につきにくい。

・数の規則性などを習得するのがむずかしい。

・計算の方法などを習得することがむずかしい。

・文章題などを解くのがむずかしい。

🟠注意欠陥多動性障がいとは?

<注意欠陥多動性障がい/ADHAとは?>

注意欠陥多動性障がい」について、文部科学省のホームページに次のように書かれています。

 身の回りの特定のものに意識を集中させる脳の働きである注意力に様々な問題があり、又は、衝動的で落ち着きのない行動により、生活上、様々な困難に直結している状態をいいます。

文部科学省ホームページ

注意欠陥多動性障がい」は、英語で、「Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder」と表記しますので、頭文字をとって、「ADHA」と呼ばれることもあります。

ADHDは、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。

ADHDの子どもたちは、その特性により授業中、集中することが難しかったり、忘れ物が多かったりします。そのことで、教師や保護者などから叱られることが多くなりがちです。叱られることが増えていくと、自信を失い、追い詰められてしまうということもあります。

2013年以前は、「注意欠陥・多動性障がい」という診断名でしたが、2013年にアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5が発表されると、診断名が「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障がい」に変更されました。

ADHDの診断は、医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われます。教師や保護者などが、子どもの行動などから、勝手にこの子どもは、ADHAだと決めることはできません。

<注意欠陥多動性障がい/ADHAの3つのタイプ>

ADHAには、3つのタイプがあります。

①「不注意」の特徴が優位にはたらくタイプ、②「多動性および衝動性」の特徴が優位にはたらくタイプ、③「不注意」と「多動性および衝動性」の特徴をともに満たしているタイプがあります。

以前、学校で行った研修会で、講師の方から、ADHAについて、次のようなお話をお聞きしたことがあります。

ADHDは、どちらかというと、男の子に多い傾向があります。

男の子の場合、多動性や衝動性が強いタイプが多いので、ADHA傾向のある子どもだと、すぐに気づくことができます。

女の子の場合、多動性や衝動性を持つタイプが少ないので、ADHDだと気づきにくいことが多いです。

ただ、女の子の場合、授業中、静かに空想し、違う世界に行っていることが多いので、教師の話を聞いていないことがよくあります。大人しくて物静かで、授業中の様子も気にならないのに、学力が高くない子どもの中には、「不注意」の特徴が優位のタイプの子どもがいるそうです。

個人懇談などで、家庭や学校などの子どもの様子を伝えた合った上で、保護者と相談し、小児科の受診をすすめた方がよい場合もあるそうです。

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