もっとお金を得る方法ってあるのですか?
夏季休業は、子どもと違って、教員にとっては、休日ではありません。勤務の必要な日です。しかし、授業のある普段の日に比べると、授業がありませんので、時間的なゆとりがあります。
そこで、今回も、普段の授業のある時は、できにくいことで、休業中に行うとよいと思われる事柄を書きます。
今回は、「収支を知る① 支出を知る:休暇中の過ごし方(4)」です。
収支を知る① 支出を知る:休暇中の過ごし方(4)
🟠収支を知る:支出を知る
<教員の実態>
私の教員としての経験から感じることは、多くの教員は、あまりお金に関して意識が高くありません。
教員になるためには、免許状が必要ですので、少なくとも短大を出ないといけませんから、ある程度の学力が必要です。
同じ学力をもって大学を受験するときや、大学を出て職業を決めるときに、お金をたくさん稼ごうと思って教員になる人は少ないと思います。
子どもが好きで、子どものためになりたいなと思って教員になる人が大半です。
ただ、多くの教員は、地方自治体の公務員ですので、毎月きちんとした給料をもらえますし、年に2回ボーナスも出ます。
福利厚生制度もかなり充実しています。
年休や時休、育休などの制度も明確です。
多くの企業で支払われる、残業手当が出ないなどのブラックな部分もありますが、概ね多くの教員は、自分たちの待遇に対して納得しています。
ですから、あまり、金銭に対する意識が高くないように思います。
子どもに対しても、お金について伝えることはあまりありません。
インフレーションやデフレーションという経済用語を教えることは得意ですが、それらの状態をどうにかしようという考えはあまりありません。
普通に生活していると、お金に困ることもあまりありません。
<世帯の資産の調査>
野村総合研究所の2019年の調査によると、日本の5402.3万世帯を、次の5つに分けています。
5億円以上の資産をもつ「超富裕層」は8.7万世帯 0.16%
1億円以上5億円未満の資産をもつ「富裕層」は124.0万世帯 2.3%
5千万円以上1億円未満の資産をもつ「準富裕層」は341.8万世帯 6.3%
3千万円以上5千万未満の資産をもつ「アッパマス層」は712.1万世帯 13.2%
3千万円以下の資産をもつ「マス層」は4215.7万世帯 約78%
これらの資産には、自動車やマイホームなどは入りません。
現金、預貯金、株式、債券、投資信託、生命保険や年金保険などの合計額から負債を引いたものです。
なお、野村総合研究所の2021年の調査(発表は、2023年3月)によると、日本の5413.4万世帯の5つの区分の割合は、ほんの少しだけ変化しています。
5億円以上の資産をもつ「超富裕層」は9.0万世帯 約0.166%
1億円以上5億円未満の資産をもつ「富裕層」は139.5万世帯 約2.57%
5千万円以上1億円未満の資産をもつ「準富裕層」は325.4万世帯 約6.01%
3千万円以上5千万未満の資産をもつ「アッパマス層」は726.3万世帯 約13.42%
3千万円以下の資産をもつ「マス層」は4213.2万世帯 約77.83%
5000万円以上の資産をもつ準富裕層の典型的な職業は3つあります。
1つめは、退職金を受け取った共働きの地方公務員世帯
2つめは、お金回りのよい小規模事業経営者世帯
3つめは、都市圏に住む高度な専門職世帯(医者、弁護士、芸能人、外資系企業の役員、金融の高度専門職など)
この調査からも分かるように、一般的な共働きの教員は、退職まで働き続けると、かなりの額の資産を得ることができます。
このような実態ですから、教員は、あまりお金に関して関心が薄いのかもしれません。
教員は、とても恵まれている職業の1つだと思います。
<教員の現状>
とはいえ、仕事に就いたばかりの若い教員や子育て世代の教員、マイホームを買ったばかりの教員がみんなたくさんの自由になるお金をもっているわけではありません。
若い間は、給料も安いですし、自由になるお金もたくさんあるわけではありません。
ある程度の収入があるからと、外食や旅行、買い物などを満喫していると、お金に困ることになります。
私は学生時代、日本育英会の奨学金をもらっていました。奨学金で授業料を払うことができました。家庭教師などのアルバイトをすると、自由になるお金もありました。
以前は、特例があって、教育公務員、つまり教員になって一定の期間勤めると、返済義務が免除されていました。
でも、今は、そのような制度もなくなりましたので、若い教員の中には、学生時代の奨学金を少ない給料の中で返している人もいると思います。
公務員である教員は、副業することを禁止されています。黙って副業をしていて、そのことがわかってしまうと、処分を受けたり、懲戒免職になったりすることもあり得ます。
私たち、教員は、限られた収入の中で暮らすしかありません。
<支出を見直す>
限られた収入の中で、暮らしの質を落とさないように快適に暮らすためには、どうすればよいのでしょうか。
一番簡単な方法は、自分の収支きちんと把握することです。
銀行振込で勝手に毎月収入がありますから、きちんと給料明細を見たことのない人も多いと思います。
一度、時間をとって、基本給がいくらで、各種手当がいくらで、社会保険料などにいくら支払っているのかなどを把握するとよいと思います。
しかし、給料明細書を見ても、収入は増えません。
でも、支出を見直し、支出を減らすと、収支のバランスは改善します。
一度、毎月、居住費、食費、通信費、遊興費などにいくら使っているのかを確かめてみるのです。
最近、ネットフリックス、アマゾンプライムなどの動画配信サービスが流行っています。
契約をしている人もいると思います。
しかし、快適なサービスには費用が必要です。
スマートフォンを利用していない人はあまりいないでしょう。
では、スマートフォンなどの通信費に毎月いくら支払っているか知っていますか?
au、ソフトバンク、NTTドコモの3大キャリアの通信費と他の格安スマホとの料金の差はいくらか知っていますか?
あまり金銭的な苦労を知らない教員は、その辺りの費用について疎い人も多いように思います。
一番簡単な節約の方法は、固定費を見直すことです。
次のような方法があります。
① 携帯電話の会社を3大キャリアから、格安スマホに変える
② 普段使っていない定期サービスを解約する
③ ガスや電気を安い会社に乗り換える
④ 不必要な保険を解約する
もっと、詳しいことは、次の本を読んだり、ホームページや動画を見たりするとよいと思います。
参考にするとよい本やホームページ
「お金の大学」(両@リベ大学長著・朝日新聞出版・2020年)
リベラルアーツ大学のホームページに進む(外部リンク)
参考にするとよい動画
支出(固定費)を下げれば人生が身軽になるに進む(外部リンク)
⭐️ ⭐️
なお、収支やお金に関係する話題について書かれた次のページもお読みください。
収支を知る② 証券等を学ぶに進む(内部リンク)
収支を知る③ NISAを知るに進む(内部リンク)
収支を知る④ イデコを知るに進む(内部リンク)
収支を知る⑤ 新NISAを知るに進む(内部リンク)
収支を知る⑥投資を知るに進む(内部リンク)
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