他校の研究紀要を読む意味なんてあるんですか?
夏季休業は、子どもと違って、教員にとっては、休日ではありません。勤務の必要な日です。しかし、授業のある普段の日に比べると、授業がありませんので、時間的なゆとりがあります。
そこで、今回も、普段の授業のある時は、できにくいことで、休業中に行うとよいと思われる事柄を書きます。
今回は、「学ぶ③ 研究紀要を読む:休暇中の過ごし方(9)」です。
学ぶ③ 研究紀要を読む:休暇中の過ごし方(9)
🟠学ぶ:研究紀要を読む
小学校では、1年間の校内研究をまとめた「研究紀要」という冊子を作ることがあります。他にも、「研究集録」「研修収録」「研究のまとめ」などと呼ばれることがあります。
職員室の戸棚などには、他の小学校から届いた研究紀要が並べられていることがあります。
今回は、その研究紀要を読もうという提案です。
<研究紀要の内容>
多くの研究紀要には、研究教科と研究テーマがあります。
国語や算数、体育など1つの研究教科を決めて、取り組む学校が多いです。
また、その教科の1分野を取り上げて研究テーマや研究主題にすることがあります。
国語であれば、物語文の読解、作文、音読など1つのテーマを決めたり、算数であれば、数と計算や図形などの領域から1つのテーマを決めたりします。
研究紀要は、総論と指導案からできてることが多いです。
総論には、研究主題や研究テーマ設定の理由、研究の目標、研究の仮説、研究の方法、研究の計画、研究の進め方、授業の基本的な展開の仕方などが書かれています。
研究主題や研究テーマを決める時には、その時に、流行っている教育的な関心事、例えば、新しく学習指導要領が改訂された場合は、そこに書かれていることを参考にする場合があります。
子どもの実態をアンケートや学力調査をして、把握し、その改善を図る場合もあります。
ただ、多くの学校では、1つの学年で1つ、多くての2つ程度の研究授業を通して、実践することが多く、研究というよりは、実践報告という傾向が強いです。
研究とは銘打っていますが、大学で行うような学術的な研究ではなく、総論はあくまで、実践を行う上で、各教員の共通理解すべき内容という意味合いが大きいです。
<研究紀要の読み方>
できれば、同じ教科で、よく似た研究テーマの研究紀要を、数冊選んで、並行して読むことをお勧めします。
よく似た研究テーマを一緒に読むことで、今現在、教育界でどのような学力観で、授業を行う必要があるのかが、よく理解できます。
また、比べて読むことで、各校の力量がよくわかります。
研究主題や研究テーマについて書かれた部分を比べて読むと、どの程度、研究テーマに関する理解があるのかがわかります。
学習指導要領が変更されたので、とりあえず、そこに出てくる文言をテーマにして、研究授業をしようと考えている場合もあれば、現在、自分の学校に在籍する子どもの実態において、何に問題があり、どのような指導法を駆使すれば、少しでも学力を高めることができるのかを真摯に吟味し、地道に実践を重ねようとしている場合など、様々です。
また、研究の方向性や研究の進め方について書かれた総論に基づいて書かれた筈の指導案を読むと、総論をよく理解して指導案が書かれている場合もあれば、この総論がなくても、作成することのできる指導案になっている場合もあります。
その他、学ぶことについて、次のページもお読みください。
学ぶ① 指導案を読むに進む(内部リンク)
学ぶ② 研修会等に参加するに進む(内部リンク)
学ぶ④ 放送大学視聴に進む(内部リンク)
学ぶ⑤ 戦争に進む(内部リンク)
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