音読指導(2)真似して読む 

指導方法
つばさ
つばさ

音読の指導方法について知りたいです。

 小学校の国語の時間には、音読をすることがよくあります。

 今回も、音読が上手になる方法について書きます。

 その指導法として、「音読指導:真似して読む」について書きます。

音読指導:真似して読む

🟠音読指導:真似して読む

<すらすら読む>

 小学校の国語の授業では、音読を上手にできるようになることはとても大切です。

 個人的には、どの学年でも「すらすら読めること」が大切だと思っています。

 すらすら読めるようになるためには、教員の真似をして読むことがよいと思います。

<小学校学習指導要領・低・中学年の場合>

 小学校学習指導要領解説国語編では、第1学年及び第2学年の「音読」について、次のように解説しています。

ク 語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。

 明瞭な発音で文章を読むこと,ひとまとまりの語や文として読むこと,言葉の響きやリズムなどに注意して読むことなどが重要となる。文字を確かめ,内容が理解できるか,どのように感じるかなどを,自分の声を自分で聞きながら把握していくことに重点を置くこととなる。 

小学校学習指導要領解説 国語編

 また、第3学年及び第4学年の「音読」について、次のように解説しています。

ク 文章全体の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

 第1学年及び第2学年のクを受けて,文章の構成や内容を意識して音読することを示している。第3学年及び第4学年では,一文一文などの表現だけでなく,文章全体を意識して音読することを求めている。

 文章全体として何が書かれているのかを大づかみに捉えたり,登場人物の行動や気持ちの変化などを大筋で捉えたりしながら,音読することを示している。なお,黙読を活用し,文章の内容の理解を深めることも重要である。  

小学校学習指導要領解説 国語編

<音読が苦手な子ども>

 このように、音読では、さまざまなことができるようになることが求められています。

 では、ここで、音読が苦手な子どもについて考えてみましょう。

 音読が苦手な子どもは、なぜ苦手なのでしょうか。

 1つは、文字を声におきかえることがむずかしいということがあります。

 きちんと音読するためには、目で文字を理解したことを、頭で置き換えて、口や喉で声に変換して発声する必要があります。

 このことができるようになった子どもにとっては、このことは極めて簡単なことです。

 しかし、このことがうまくできない子どもにとっては、とても困難なことです。

 短い言葉や短い文から練習をして少しずつ音読に慣れ、できるようになるとよいのですが、うまくできなくて時間がかかる子どももいます。

<真似して読む>

 音読が苦手な子どもにとって、効果的なのが、教師の音読を真似して読むことです。

 こうすると、目で理解するだけでなく、耳を通して理解することもできます

 赤ちゃんは、最初、耳で聞いた言葉や音を真似することで、喋ることができるようになります。

 子どもにとって、文字を通した理解よりも、声を通した理解の方が容易なのは極めて理に適ったことです。

 ですから、音読が苦手な子どもに対して、教師が読んだ音読を真似して、音読させることはとても効果的な方法です。

 教師は、子どもの音読の実態に合わせて、読む速さを調整することができます

 ゆっくり読むこともできますし、少し速く読むこともできます。

 ある学校のホームページを見ていますと、最近の学校では、デジタル教科書で、大きなテレビ画面に文章を映しながら、アナウンサーや俳優などの専門家が音読している音声を流すこともあります。

 デジタル教科書で、音声を流しながら範読を聞かせるようにすることも効果的です。教師は、その間に子どもの様子を見てまわり、必要な支援をすることができるからです。

 ただ、機械には、教師のように、声の速さ、大きさ、声の張りなどを自由自在に変えながら読むことはまだできません。

 教師の真似をしながら音読する場合、さまざまな方法が駆使できます。

 教師が1文を音読した後に、子どもたちに1文を音読させることもできます。

 この時も、クラスの子ども全員に一緒に音読させることもできますし、一人ずつ順番に音読させることもできます。

 ある子どもが読み間違いをした場合、その子どもに対して、もう一度音読をしてみせて、もう一度音読するようにうながすこともできます。

 教師と子どもが一緒に音読することもできます。

 教師と子どもと音読の競争をすることもできます。

 子どもが音読に飽きてきたように感じた時には、音読の競争をすることがありました。わざと子どもが真似できないぐらいの速さに音読のスピードを上げて音読して、子どもを挑発することもできます。

 このような音読をすると、「先生、速すぎます。」と言いながら、多くの子どもは楽しそうです。

 子どもの音読の力を伸ばすためには、子どもが進んでたくさん音読の練習をすることが大切です。

 そのためには、授業中にいろいろな方法で音読をして、音読の楽しさを子どもに伝えることが必要です。

 教師がさまざまな方法で音読をして、子どもたちにそれを真似して読む機会をもつというのはとても効果的な方法だと思います。

 なお、音読の指導については、次のページもお読みください。

音読指導(1)話すように読むに戻る内部リンク

音読指導(3)文意と息を合わせるに進む内部リンク

音読指導(4)読みやすくする工夫に進む内部リンク

音読指導(5)間を意識して読むに進む内部リンク

音読指導(6)早口言葉に進む内部リンク

音読指導(7)場所を変えての練習に進む内部リンク

音読指導(8)音読の録音に進む内部リンク

音読指導(9)系統を考えた指導に進む内部リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました