子どもの実態を把握する(1)音読

指導方法
つばさ
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子どもの実態把握の方法を知りたいです。

 日本において、4月は、担任の先生が、新しい学級を受け持ち、どのような子どもたちがいるかを、知ることになる、大切な時期です。

実態把握の大切さ

 教育は、子どもの実態把握から始まります。

 子どもの学力を把握し、子ども一人一人に合った指導や支援をすることで、子どもの学力はよりよく伸びていきます。

 学力の中でも、特に、子どもの国語の力量を知ることはたいへん重要です。

 なぜなら、多くの教科の学習が、先生や友達の話を聞いたり、発表したり、教科書を読んだり、自分の考えを書いたりと、国語の3つの領域である「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」に関係することを行うことが多いからです。

 入学直後の1年生の子どもはまだ平仮名を習っていませんからすぐにはできませんが、1年生の後期や2年生以上の子どもたちの国語力をはかる方法のいくつかを紹介したいと思います。

(入学直後の1年生は、あいさつや返事の声などを把握しておくとよいでしょう。)

音読する力を確かめる

 国語の学力を把握する上で最初にしてほしいことは、教科書などの文章を音読させてみて、読む力がどの程度かを確かめることです。

 その際の評価規準は「文章がすらすら読めるかどうか」です。

 声の大きさ、間の取り方、読み間違いをしていないかどうかなどいろいろ気になることはあるでしょうが、まず注目すべき点は、すらすら読めているかどうかです。

 教室の端から一人一人順番に当てて、音読させてみると様々な実態があると思います。

 会話文が上手に読める子ども、読み間違いをする子ども、大きな声で読める子ども、囁くような小さな声で読む子ども、いろいろです。

 10年以上教師を経験されている先生方なら一度に多くのことを把握することができるかもしれませんが、教職経験の浅い先生方の場合、一度に多くのことを知ろうとしない方が賢明です。

 先生がすらすら読めているなと思える子どもは、概ねどの教科の文章でもすらすら読むことができ、読んだ内容を大体理解していることが推測されます。

 すらすら読むことができない子どもは、読む力がまだ十分ついているとは言えません

 他の教科の学習でも、書いてあることがよく理解できない可能性があります。

 先生の説明を、耳で聞くとわかるかもしれませんが、自分で算数などの文章題や社会のテストの問題を読んでも、何を尋ねている問題か理解できない可能性があります。

 習った内容は、耳で聞いて大体わかっているかもしれませんが、評価テストをした場合、間違える可能性が大です。

どのようにして、音読の力を高めるのか

 では、どうすれば、すらすら音読できる力を高めることができるのでしょうか? 

 一つの方法は、授業中にできるだけいろいろな文種の文章をたくさん音読する機会をもつことです。

 家庭学習だけでなく、授業中にできるだけ多くの子どもに実際に声に出して音読する機会を与えることです。

 音読は比較的短期間で成果がでてきます。

 その時、大切なのは、適切なほめ言葉などの評語を子どもに伝えることです。

 みなさんは、子どもが音読した後、いくつのほめ言葉を子どもに伝えることができますか。

 ほめ言葉の一例を載せます。

「すばらしい」「いいね」「上手」「天才」「教室中によく聞こましたよ」「よくわかりましたよ」「お話しているみたいですね」「聞き手をひきつけていますね」「すらすら読めていますね」などなど

 これらのほめ言葉は、学級だけでなく、ご家庭でも、お子さんに伝えることができると思います。

 たくさんほめて、音読するのが好きな子どもに育ててください。

 なお、音読指導については、次のページもお読みください。

音読指導(1)話すように読むに進む内部リンク

音読指導(2)真似して読む に進む内部リンク

音読指導(3)文意と息を合わせるに進む内部リンク

音読指導(4)読みやすくする工夫に進む内部リンク

音読指導(5)間を意識して読むに進む内部リンク

音読指導(6)早口言葉に進む内部リンク

音読指導(7)場所を変えての練習に進む内部リンク

音読指導(8)音読の録音に進む内部リンク

音読指導(9)系統を考えた指導に進む内部リンク

物語文の指導の仕方(1)育てたいことに進む内部リンク

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 他の子どもの実態を把握する方法については、次のページをお読むください。

子どもの実態を把握する(2)視写に進む内部リンク

子どもの実態を把握する(3)文末に進む内部リンク

子どもの実態を把握する(4)作文に進む内部リンク

子どもの実態を把握する(5)読書に進む内部リンク

実態を把握する 教員の心得④に進む内部リンク

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