出生数の減少のニュースがありました。
最近のニュース記事で、昨年の子どもの出生数について発表がありました。
今回は、「出生数の減少」について書きます。
出生数の減少:教育ニュース
🟠出生数の減少:教育ニュース
<子どもの出生数>
厚生労働省は2023年(令和5年)2月28日に、2022年(令和4年)の「人口動態統計の速報値」を公表しました。
人口動態統計の速報値に進む(外部リンク)
2022年(令和4年)の出生数は、過去最少の79万9728人でした。統計を取り始めた1899年以降、初めて80万人を割りました
一方で、死者数は過去最多の158万2033人でした。死者数から出生数を引いた「自然減」は16年連続です。減少幅は過去最大の78万2305人でした。
日本の少子高齢化による人口減少の進行を象徴する結果となりました。
<国策としての少子化対策>
最近、日本では、少子化対策が大切だとされています。
岸田文雄首相は、「異次元の少子化対策」を行うと語っていますが、具体的な対策が発表されているわけではありません。
多くの国では、国の力の源は、国民の数だと考えています。
国民が増えない限り、国が衰退するのは自明のことです。
多くの国の政治家や政府は、国力を上げるための政策をいろいろと考え、政策を実施してきました。
例えば、フランスなどでは、長年にわたり少子化対策を行ってきています。
フランス在住の国際ジャーナリストである安部雅延(あべ・まさのぶ)さんは、「日本人が知らないフランス「少子化対策」真の凄さ」という「東洋経済オンライン」の記事の中で、フランスの少子化対策について紹介しています。
そこには、次のような政策が載っています。
① 第3子から支給され、所得制限はあるものの大半の世帯が受給する家族手当
② 子育て世代、とくに3人以上の子育て世帯に対して、大幅な所得税減税を適用するN分N乗方式
③ 子育てのために仕事を全面的に休むのか、週4日や3日勤務、半日勤務などの時短労働を選択できる就労自由選択補足制度
④ 育児で保育ママに子どもを預ける選択をした場合に支給される保育方法自由選択補足手当
⑤ 妊娠後の産科の受診料、検診費、出生前診断、出産費用など妊娠出産から産後のリハビリテーションを含む費用の全面無料化
⑥ 母親同様の有給扱いで育休を取る父親も賃金の80%を保障
⑦ 不妊治療を公費で実施(43歳まで)
⑧ 高校までの授業料無料、大学も少額の登録料のみ(私立は例外)、返済の奨学金制度
⑨ 3歳まで育児を引き受ける認定保育ママから学童保育まで無料
⑩ PACSで事実婚の社会保障への組み込み、非摘出子という言葉の民法からの削除
⑪ 子どもを3人養育すると年金が10%加算される年金加算
日本人が知らないフランス「少子化対策」真の凄さ
このぐらいの政策をすることが、本当の「異次元の少子化対策」だと思います。
しかし、残念なことに、日本では、あまり国の力の源は、国民の数だと考えることができない政治家や国民が多いのだと思います。
多くの国では、当たり前に行われている政策を日本では、なかなか実施することができません。
そのうえ、フランスでは、最近の出生児の6割は、結婚をしていないカップルから産まれた子どもです。結婚の有無が出生数の増減に関係ないと実証されているため、国家戦略として結婚を推奨する流れも全くありません。
日本の多くの政治家のように、旧態依然の「家制度」が大切だと考え、「選択的夫婦別姓制度」すら制度化できない現状とは大いな違いがあります。
<少子化で危惧すること>
最近の出生数の減少によって、とても危惧していることがあります。
それは、多くの自治体が教員採用数を減らしてしまわないかということです。
学校の教員の人数は、子どもの数によって決まります。子どもの人数が減れば、採用する教員の数も減ることになります。
子どもの数が少なくなれば、必要な教員の数も少なくてよくなります。
ここ数年は、教員のなり手が少ないと大騒ぎしていますが、きちんと手立てを打たないと、少子化によって、教員の採用数が減るなどということが起こるかもしれません。
折角、教員になろうと思って大学で教員養成の学部を選び、大学などで教員になるための勉強をしたのに、教員の採用数の減少によって、採用されないという悲劇が起こるのではないでしょうか。
そうならないようにも、本格的な少子化対策と、子育てしやすい環境づくりが、国や多くの自治体で、今以上にきちんと進むことを強く望みます。
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