物語文の教材研究の仕方(3)設定・人物

指導方法
つばさ
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物語文の教材研究の視点についてもっと詳しく知りたいです。

 物語文の教材研究について書いています。

 今回は、「設定を読む」ことと、「人物を読む」ことについて詳しく書きます。

設定を読む

「みくのふしぎなピアノ」より:イラスト:わだてるこ作

 物語の設定というのは、いつ(時間)、どこ(場所)、だれ(登場人物)のことです。この3つが決まらないと物語ははじまりません。

 一般的に、この3つのうち、1つが変わること「場面が変わる」といいます。

 朝だったのが夜になったり、春だったのが夏になったりすることで、時間の設定がかわります。

 同じように、人物が家から町の市に行ったり、ほら穴から川べりに行ったりすることで場所の設定がかわります。

 また、登場人物が1名から2名になったり、2名から1名になったりするなど、登場人物が入れ替わります。

 多くの物語では、この場面の設定を理解することが大切です。

 子どもたちの中には、この場面の展開がすっと理解できる子どももいますが、なかなか理解できない子どももいます。

 私たち教師は、大人ですから、時間を表す言葉や場所を表す言葉をさっと理解できるでしょう。また、登場人物が何人いるかもさっと理解できます。

 教材分析の場合は、教材に○をつけて囲んだり、書き出したりする方がわかりやすいかもしれません。

 時間の経過がいくつに分かれているのか、場所は何か所設定されているのか、登場人物は何人なのかということを理解します。

人物を読む

設定を読む」の時に書いたように、設定は、いつ(時間)、どこ(場所)、だれ(登場人物)のことでした。

 この中のだれ(登場人物)について、更に詳しく見ていくのが、「人物を読む」ということです。

 登場人物は主に会話や行動をする人です。低学年の物語などでは、人物が動物の場合もあります。

 一般的に、人物には、2種類います。中心人物と脇役として登場する人物です。

 中心人物は主役といいかえてもいいかもしれません。この主役は1名の場合もあるでしょうし、2名以上の場合もあります。

 例えば、昔話の「桃太郎」の場合、主役はもちろん、「桃太郎」です。4年生で学習する「ごんぎつね」の場合、主人公は「ごん」でしょう。

 5年生で学習する「大造じいさんとがん」の場合は、「大造じいさん」でしょうが、中には、「がんの残雪」が主人公だと考える人もいるかもしれません。「大造じいさん」と「がんの残雪」のどちらが主人公かを考えることが、教材分析といえます。

 登場人物の性格、人柄などを考えることも教材分析です。

 その人物がどのような行動をしたのか、その理由はなぜかということを考えることも大切な教材分析です。

 人物の人柄や性格などは、その人物の行動や会話、心の声などからわかります。きちんと文章として書いてある場合もあるでしょうし、なんとなく感じられるように書いたある場合もあるでしょう。どのように書いてあるのかを読むことも教材分析です。

 また、登場人物を、「意志の強い人」「仕事に忠実な人」「洞察力のある人」「責任感の強い人」など自分なりの言葉で置きかえてみることも大切なことでしょう。

 もし、「意志の強い人」だと考えたのだとしたら、その根拠になる言葉を教材から抜き出すという作業も必要でしょう、どこに書いてあるどんな言葉からそのように思ったのかをきちんと明確にしておくことも大切なことです。

 テレビのドラマが好きな人の中には、インターネットでそのドラマのホームページを見たことがある人もいると思います。

 ドラマのホームページには、人物相関図がよく出ています。

 そのような人間関係相関図を自分なりにかいてみるのもよいかもしれません。

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 他の教材研究については、次のページをお読みください。

物語文の教材研究の仕方(4)「あらすじ」「場面」に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(5)「人物の会話」「人物の行動」に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(6)主題に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(7)表現の工夫に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(8)指導法に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(9)指導方法に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(10)目標と教材の関係に進む内部リンク

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物語文の教材研究の仕方(2)視点(題名)に戻る内部リンク

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