男女平等教育というのは、どういうことをする教育でしょうか?
ここでは次の2つのことについて書きます。
日本における男女平等の現状
男女平等教育の進め方
日本における男女平等の現状
残念なことに日本においては、男女が平等な状態ではありません。
内閣府男女共同参画局が作成した「共同参画」という冊子によりますと、男女格差を測る指数における日本の順位について、次のような記載があります。
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が2021年3月、「The Global Gender Gap Report 2021」を公表し、各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しました。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位(前回は153か国中121位)でした。
共同参画2021年5月号
男女平等教育を推し進めるための教材は、それほどたくさんあるわけではありません。国語や算数のような教科書があるわけではありません。
この教育を推し進めるために、ぜひ、新任教員のみなさんには、自分の属している自治体や所属の教育委員会が作成している副読本があるのかを調べてほしいと思います。
私がいた自治体の教育委員会では、「小・中学校及び○立学校における男女平等教育指導事例集」という冊子や「人権教育教材集・資料:平成23年度版」という冊子を作成していました。
少し学校の中を調べたり、管理職の先生や人権教育担当の教員に聞いたりすると、見つかると思います。
また、男女共同参画局では、次のホームページで「男女共同参画をテーマとした副教材」を公表しています。合わせて、参照してください。
男女共同参画をテーマとした副教材に進む(外部リンク)
「しょう太くんとあやちゃん どうしたら いいかな?」という副教材集には、次の5つの教材があります。漢字には、読みがなを付けて作成されています。
「あやちゃんの青いラジコンカー」
「小学校の事件」
「子ども大統領」
「私たちの未来」
「あやちゃんのやりたいこと」
また、5つの教材のうち、4つについては、授業案と実践例が載っています。
男女平等教育の進め方
男女平等教育の教材を集めることができたら、それらの教材を読み、実際に指導案を作成し、授業をしてほしいと思います。
次に手順を書きます。
1. 集めた教材にさっと目を通し、自分の担任している学級にふさわしい教材を選ぶ。
2. この教材の学習の目標を考える。
3. 簡単な指導の計画を立てる。
4. 板書案を考える。
5. 実際に授業をしてみる。
授業をする日時 年 月 ( )曜日 時間目
6.学習をした感想を書く。
「男女平等教育」を座学として学ぶのではなく、実際に子どもたちに対して授業を行わないと、日本の男女平等の現状と同じで、何も変わりません。
日本は、本当に男女平等教育を進めたいのでしょうか。
実は、「男女共同参画局」は、先程あげたホームページの中で、副教材「みんなで目指す!SDGs×ジェンダー平等」という冊子を作成し公表していることを、紹介しています。
この冊子は、「SDGs」の観点と「ジェンダー平等」の観点をうまく取り入れて、男女平等について、とてもわかりやすく解説しています。
小学生には、少しレベルの高い内容ですが、ぜひ多くの子どもたちに読んでほしい冊子です。
でも、残念なことに、この冊子では、一部の漢字にしか読みがなはついていません。
「恵」「壁」など小学校では習わない漢字に、読みがながついていません。
多くの普通の学力の小学生の子どもには、さっと読める状態にはなっていません。
イラストもグラフも多様し、わかりやすさを重視して作成されているだけに、とても残念です。
ホームページなどに漢字が多用され、読みがながついていない現状に対するわたしの考えは、次の記事に載せています。
なお、男女平等教に関するニュースとして、次のページも参考にしてください。
ジェンダー・ギャップ指数 2022に進む(内部リンク)
印刷用画像資料 (各校で、Wordなどに貼り付けて、印刷し、研修資料としてご活用ください。)
個人の活用は自由です。ただ、学校などで使用する場合は、「お問い合わせ」で、学校名(お名前)、メールアドレス、活用した感想など(メッセージ本文)を、お知らせいただくとありがたいです。
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