学級集団の指導の進め方 小学校初任者研修013

初任者研修資料
つばさ
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学級集団の指導の進め方について知りたいです。

 ここでは、次のことについて書きます。

 指導者は、どのような学級を作りたいのか

 子どもは、今の学級で満足しているか

指導者は、どのような学級を作りたいのか

 多くの学級では、4月に「今年は・・・のような学級を作りたい」と考えて学級開きをされていると思います。

 しかし、月日がたち、子どもの成長や体や心の変化、友だち関係の変化などに伴って、当初抱いていた子ども像に大きな変化が起こることがあります。

 それまで普通に守れていた学級のきまりが守れなくなったり、宿題や忘れ物などが目立つようになったりすることがあります。

 子どもの変化を敏感に感じつつ、どのような手立てをとればよいのでしょうか。

 担任であるあなたは、どのような学級を作りたいと考えるのか、考えていたのか、再度振り返ることが大切です。

 続きを読む前に、今、一度、どのような学級を作りたいのか考えて書いてみましょう。

○ 自分は、担任として、どのような学級を作りたいと考えていましたか?

 次に、今現在、自分の考えている学級になっているのかどうか考えてみましょう。

○ 自分の考えていた学級になっていますか?

  よい学級である    概ねでできている   あまりよくない

○ では、そう言える根拠は、子どもの姿のどこにあらわれていますか?

 ここからは、筑波大学附属小学校を経て愛知教育大学教授であった有田和正氏の書かれた「『追求の鬼』を育てる学級づくり」(明治図書、1995年発行)を参考にしていきます。

 有田氏は、学級づくりには次の3つのことができるクラスをつくることが大切だとしています。

① 助け合いのあるクラス

② みがき合いのあるクラス

③ けん制し合いのあるクラス

「追求の鬼」を育てる学級づくり、明治図書、1995年

 有田氏は、上記の3つの機能があることが大切であり、この3つのどの機能が欠けても「学級」でなくなるとしています。

 どうでしょうか? あなたの学級は、「助け合い」「みがき合い」つつ、「けん制し合」うことのできる学級になっているでしょうか?

 友だちがよくない行動をしたり、悪いことをしたりしているときに、見て見ぬふりをする学級になっていないでしょうか。

 有田氏は、この三つの機能をさかんにするには、いろいろな指導をしていくことが大切だとしています。そして、次のような11の条件を挙げています。

① よく笑うクラスをつくる              

② 「どうぞ」「ありがとう」のいえるクラスをつくる

③ 友だちの長所をみつけて、ほめるクラスをつくる

④ 何でも「はてな?」を発見できるようにする

⑤ 面白い係をつくって、たのしく活動できるようにする

⑥ たのしいあいさつができるようにする

⑦ 鉛筆の先から煙が出るスピードでメモができるようにする

⑧ 教育係(お助けマン)をつくって助け合う

⑨ 努力し、挑戦する子はいい子だと思わせる

⑩ 自分のクラスはいいクラスだと思わせる

⑪ たくましく、へこたれない子どもを育てる

「追求の鬼」を育てる学級づくり、明治図書、1995年

 詳しい内容については、ぜひ「『追求の鬼』を育てる学級づくり」の本を手にして読んでほしいです。

 どのような学級や学級集団をつくるのかは、担任である指導者の子どもへの日々の働きかけが大切です。

 子どもの言動を見て、どのような働きかけをするのかは、とても大切です。

 担任が、日々何を大切だと考えて行動しているのかを、子どもたちはよく見ています。

 何を認め、何を褒め、何をしかり、何をよくないと考え、行動するのかを、一度振り返る時間をもつことも、よい学級集団を作るためには、大切だと思います。

子どもは、今の学級で満足しているか

 次に、角度を変えて、子どもの立場から学級を見てみましょう

 ここからは、管理職や学年主任と相談された上で、子ども向けのアンケートを作成し、実際に子どもにアンケートをとってみてほしいです。

 アンケートに挙げる内容は、次のようなものが考えられます。

○ 今の学級に満足していますか?

○ 満足しているのならば、どのようなことに満足していますか?

○ 満足していないのならば、どのようなことが不満ですか?

○ それぞれの理由を教えてください。

 これらの子どもの思いをまとめたら、次にしてほしいことは、どのようなことを改善していくかを考えることです。

 初任者研修を受ける立場のみなさんが、最初からうまく学級集団を育成することができなくても仕方ないのことなのかもしれません。

 しかし、子どもにとっては、話は別です。

 担任の力量差によって、子どもの日々の学校生活や学級生活が快適なものであるかどうかは、大きく作用されます。

 担任側、子ども側の両方から、学級集団を振り返り、今よりさらによりよい学級集団を作ってほしいです。

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