認定子ども園でのバス置き去り事件 教育ニュース

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 最近、認定子ども園の送迎バスに、3才の子どもが置き去りにされて亡くなるという悲しい事件がありました。 

 今回は、「認定子ども園でのバス置き去り事件」について思うことについて書きます。

 さらに、「バス置き去り事件の判決」について追加します。

認定子ども園でのバス置き去り事件

このブログでも紹介している「性教育いらすと」の佐藤ちとさん描かれたイラストです。コピペして活用してください。

🟠事件の概要

 とても悲しい事件のニュースを知りました。

 静岡県の認定こども園の送迎バスの中に子どもが取り残されて、子どもが亡くなったという事件です。

 亡くなった3才の河本千奈ちゃんは、駐車場に止められた通園バスの車内に、およそ5時間にわたって取り残されて、熱中症で亡くなりました。

 バスには6名の園児しか乗っていなかったのに、確認することなくバスの中に取り残されてしまって、熱中症で亡くなってしまったということです。

 たくさん入っていた水筒の水はなくなり、暑くて上の服をぜんぶ脱いでいたそうです。

 暑さの中での、この子どもの絶望感を思うと、とてもとても悲しいです。

 同じように、送迎バスの中に子どもが取り残されて亡くなった事件は、昨年、2021年7月にも起こっています。

 朝、元気に登園した子どもが亡くなって戻ってくるなんて、保護者にとっては、本当に悲しすぎる出来事です。

 亡くなられた河本千奈ちゃんのご冥福を心からお祈りします。

 お父さんやお母さん、そして、ご家族のみなさんに、心より哀悼の意を表します。

 大人は、もっと誠実に子どもに子どもに対応すべきだと、強く感じました。

 この事件では、いくつかの当たり前に行って当然のことがなされていませんでした。

① バスの乗車時と降車時に名前や人数を確認していなかったこと。

② 残された園児がいないかどうか、バスの中を確かめなかったこと。また、確かめる方法についてきちんとしたきまりを作っていなかったこと。

③ バス登園後に、普段は行うバスの消毒作業をしていなかったこと。

④ 子ども1人1人が登録することになっているアプリを、職員が一括で登園と入力したこと。

⑤ 保護者が出席と入力したアプリの情報を、きちんと職員が確認していなかったこと。

⑥ 子どもがいないことに担任は気づいても、保護者に確認の連絡をしていなかったこと。

⑦ 10時ごろに行う登園シールを貼る時にも、子どもがいないことに気づかなかったこと。

 誰かがおかしいと気づいて、きちんと保護者と連絡をとり、確かめていれば、このような悲しいことは起こらなかったのにと、とても悲しくなります

 同じような悲しいことが起こらないように、私たち大人は、きちんと対策をとるべきでしょう。

 他の幼稚園でも、保育所でも、認定こども園でも、小学校でも、今のシステムでいいのか確認し、見直す必要があると思います。

🟠事件について思うこと

 老害という言葉があります。

 今回、置き去り事件を起こした理事長兼園長の増田立義氏は、73才です。

 70代の方でもきちんと仕事をなさっている方もたくさんおられると思います。しかし、この方は、あきらかに能力不足です。

 理事長兼園長という立場にもかかわらず、子どもの命を預かり、安心・安全な保育や教育の環境の場をつくる一番大切なことができていません。

 会見の様子を見ていても、子どもの名前を言い間違えるなど、基本的なことさえできていません。

 政府は、人口減少を受け、年金受給年齢を引き上げ、元気な場合は、いくつになっても働くような政策をとっていますが、子どもを預かるような、大切な仕事につく場合は、年齢における衰えを考え、自分がその職についていいのかどうかもっと吟味すべきだと思いました。

 仕事を続けることはとても尊いことだと思いますが、年齢や自分の能力の衰えに対する自覚はもつべきだと思います。

 最近、車のアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故も多発していますが、いつまでも若い頃に普通にできたことができるわけではないと思います。

🟠小学校での対応

 小学校でも、子どもの出欠の確認はきちんとするようにしています。

 学級担任は、朝、子どもの出席の確認をして、保護者から欠席の連絡が来ていない子どもの場合は、担任が家庭に電話をして確認することになっています。

 ただ、残念なことに、保護者の中には、子どもが欠席するのに、学校に連絡して来ない方もいます。

 こちらから、確認の電話をしても、電話に出られない方もいます。

 子どもも保護者も寝ていて、何回か連絡をした後で、やっと電話に出る方もいます。学校からの電話連絡で起きる方もいます。

 小学校によって、子どもがいない場合に、どのような対応策をとるかは様々です。

 基本は、担任が連絡をとることになっています。

 でも、担任の日常は、とても忙しいので、休み時間に何回も連絡を取るのはむずかしいのも事実です。

 子どもの出欠を確認するシステムをきちんと作っていても、子どもが亡くなった認定子ども園のように、きちんとした運用をそこにいる職員が怠っていれば効果はありません。

 しかし、きちんとしたシステムは作るべきです。

 いろいろな学校で行っているシステムの中で、よかったと思う方法に次のようなものがあります。

① 大きめのB4の紙に、全学年・学級分の一覧表を作ります。

② 子どもの欠席や遅刻の連絡などがあった時には、電話を受けた教職員が、この一覧表に名前と理由と電話を受けた時刻を記入し、担任には、同じことを記入したメモを渡します。

③ 担任は、朝の健康観察の際に、確認した欠席や遅刻の情報を一覧表に記入し、登校が確認できていない場合は、家庭に確認の電話連絡をします。

④ 一覧表を見て、子どもの登校が確認できない場合は、担任や管理職が確認できるまで、何回か電話を繰り返します。管理職が確認できた場合は、担任に連絡し、一覧表にメモを加えます。

⑤ 生活指導のために派遣されている補助職員にお願いして家庭訪問をしてもらったり、担任や管理職などが家庭訪問をしたりします。

 このような方法をとっていても、長期的な不登校の子どもの場合は、その日のうちに、確認が取れない場合もあります。

 10時ごろに登校する子どももいれば、昼過ぎに、欠席の電話連絡をして来られる保護者もいます。

 小学校の現場では、子ども登校したかどうかの確認作業だけでも、多くの手間や時間がかかることがあるということも事実です。

 ただ、このような状況が全ての小学校や全ての保護者にあてはまるわけではありません。

 多くの保護者は、朝の段階で、きちんと連絡をしてくださいます。

 中にはわざわざ、学校まで足を運んで、欠席の連絡をしてくださる保護者もおられます。

🟠子どものおかれた状況

 子どもの置かれた状況や家庭の状況は、本当に様々です。

 子どもに愛情をもち、子どものことを自分のことよりも優先され、きちんの将来のことも考えて、今できることを精一杯になされている保護者の方も大勢います。

 多くの保護者の方は、子ども中心の生活をされています。

 しかし、悲しいことに、最近は、ぎりぎりの生活をされている方もたくさんいます。

 自分の食べるものを切り詰めて、子どもに食べさせている保護者もおられます。

 生活保護を受給されている方の中には、受け取ったお金をパチンコなどに使ってしまい、十分な食事を子どもに与えない方もいます。

 学校に支払う児童費(漢字ドリルなどの費用)を滞納し、高校生の子どものアルバイト代で支払う方もいます。

 子どもの服装を見ていても、多くの子どもは、毎日きちんと洗濯された服を着ています。

 しかし、中には、服装に汚れが目立つ子どももいます。

 そのような子どもに対して、学校でできることは限られています。

 基本的には各家庭のやり方に口を出すことはできません。

 子どもが保護者からあきらかな虐待をうけている場合は、児童相談所などに通報をすることもありますが、本当に稀なことです。

 全ての子どもが幸せに、ゆとりをもって、安全に安心して暮らせることを望みますが、なかなか叶えられないことなのかもしれません。

 しかし、今回のような悲しい出来事は繰り返してほしくないなと強く思います。

 子どものためにもっと税金を使うべきだと思います。

バス置き去り事件の判決

<バス置き去り事件の判決>

 2021年(令和3年)7月に、福岡県中間市で5才の倉掛冬生くんという男の子が送迎バスの車内に取り残されて、熱中症で死亡する事件がありました。

 その裁判の判決が、2022年(令和4年)11月8日に福岡地方裁判所でありました。

極めて基本的な注意義務を怠った過失は重い」として、業務上過失致死の罪に問われた、当時の保育園の園長に禁錮2年、執行猶予3年、保育士に禁錮1年6か月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

 判決後、当時の園長の浦上陽子(45)さんは、裁判所の前で、弁護士に付き添われるかたちで報道陣の取材をつけました。

 取材の中で、浦上さんは「私の責任で被害者や遺族に大きな悲しみを与え、たいへん申し訳ないと思うばかりです。今後も償い続けていきます」と謝罪の言葉を述べました。

 子どもと接する機会がある仕事に復帰する可能性については「全く考えていません。これほどの事件を起こしてしまったのに、そのような仕事に携わるのは申し訳ないです。事件を起こした責任に真摯に向き合っていきたいです」と話しました。

 判決後、冬生くんのお母さんは「判決はとても軽いと思っていて納得していません。判決が重くないとまた同じような事故が起きるのではないかなと思いました」と述べました。

 さらに、「冬生は、『バスの中で死にたくなかった。たくさん生きていたかった』と言っていると思います。全国の園の関係者にはこの事故を忘れないで2度と同じような事故を起こさないよう、バスから子どもたちを降ろす際の確認を徹底してほしい」と再発防止を訴えました。

 遺族の思いとしては、その通りだと思います。

 本当に悲しいことに、いくら予防策を講じても、事故や事件などが起こってしまうことがあります。今回は、人災の部分がとても大きいのですが、ダブルチェック、トリプルチェックの方策や、人間以外に機械などによる予防策も加えるということは、大切だと思います。

 このような事件が起こらないように、国や地方自治体も予防策用の費用を出すべきですし、学校や保育園、幼稚園などの関係者も再度、自戒すべきだと思います。

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