漢字を楽しく学ぶ方法について知りたいです。
漢字の学習が好きな子どもがいる反面、漢字学習を苦手に感じている子どもがたくさんいます。
今回は、「漢字遊びのいろいろ」について書きます。
漢字遊びのいろいろ
🟠漢字遊びのいろいろ
<漢字学習の好き嫌い>
子どもの興味関心は、子どもによって随分違います。
例えば、今回話題にしている「漢字」がとても好きな子どもがいます。
漢和辞典や漢字辞典を読書がわりにして、楽しんで読んでいる子どもがいます。
自分の学年で習う漢字以外の漢字をたくさん覚えて、中学生や高校生が習う漢字を次々に覚えている子どももいます。
反対に、どうも漢字の学習が苦手で拒否反応を示す子どももいます。
今回は、漢字が苦手な子どもが少しでも漢字を好きになれるような「漢字遊び」をいくつか紹介したいと思います。
<漢字遊び①:図の中にかくれた漢字をさがせ>
これは、このブログでよく紹介している向山洋一さんの考えたものです。
次の図を示し、その中にかくれた漢字を探させるのです。
なかなか楽しい授業になります。
この指導法については、TOSSランドの中でも紹介されていますので、そちらも参考にしていただけるといいのではないかなと思います。
漢字探しに進む(外部リンク)
向山実践「漢字パズル」に進む(外部リンク)
授業開きで子どもが熱中する漢字探しに進む(外部リンク)
図形をちがう形にすると、そこにかくれている漢字も違ってくるので、応用が効くかもしれません。
プロの技術を身に付けたいのなら身銭を切れに進む(内部リンク):向山洋一氏の名言
<漢字遊び②:仲間はずれをさがせ」
これは、大岡信さんの書かれた「日本語の豊かな使い手になるために 読む、書く、話す、聞く」(太郎次郎社・1984年)に載っていたものです。
次のような5つの漢字を紙に書いて示し、「仲間はずれ」を探すのです。
①「半、用、元、田、立」
②「有、油、夕、勇、遊」
③「美、投、見、進、読」
④「招、待、愛、燃、呼」
どれが、仲間はずれか少し考えてみてください。
答えを出すまでに、少しこの仲間はずれゲームについて書きます。
私は、この本を読んだ後、早速、授業参観に向けて、自分の受け持っていた2年生の子ども向けにいくつかの問題を考えてみました。
次のような問題です。
⑤「東、西、風、南、北」
⑥「春、夏、秋、晴、冬」
⑦「黒、白、赤、青、雪」
⑧「朝、昼、夕、夜、食」
画用紙を縦に半分にして五つの漢字を書き出して示してみました。
今なら、学級にある大型テレビに映して、保護者も一緒に考えてもらうというのもいいでしょう。しばらく教員の考えたクイズを解いた後で、自分でも問題を考えてお互いに出題し合うというのも面白かもしれません。
問題は、「画数」「読み」「部首」「意味」「用法」「品詞」などいろいろと考えることができると思います。
中・高学年でも、漢字が複雑になりますので、十分楽しめるのではないでしょうか。
答えは次の通りです。
①「元」(他は5画」、②「油」(他は「ゆう」と読める)、③「美」(他は動詞だが、「美」は形容詞)、④「燃」(他は自動詞:相手がいないと成り立たない文字の中に、自分だけで成り立つ文字)⑤「風」(他は方向)、⑥「晴」(他は季節)、⑦「雪」(他は色)、⑧「食」(他は時を表す言葉)
<漢字遊び③:漢字のしりとり>
日本は広いですし、さまざまな実践がたくさんされてきていますので、他にも同じような漢字遊びを思いついた人がいるかもしれませんが、「漢字のしりとり」は私が思いついた漢字遊びです。
普通のしりとりのルールでは、「ん」がつくと負けになります。
でも、この漢字遊びは、「ん」をつなげていく「しりとり」です。
日本語には、「◯ん⬜︎ん」という言葉(熟語)がたくさんあります。
例えば、「しんぶん・新聞」「あんぜん・安全」「かんたん・簡単」などです。
漢字のしりとりは、このような言葉の最後の2音(ひらがなで2文字・漢字だと1文字)が最初の言葉をになるしりとりです。
例えば、次のようになります。
安全ー全然ー前進ー新人ー人選ー千巻ー簡単ー坦々麺ー面前
読みが同じであれば、漢字は変えてもよいことになります。
もし高学年の授業参観で、漢字の学習を見せるのであれば、この漢字遊びの方がよいかもしれません。
漢字辞典を用意して、数人の子どもでグループになり、どのグループが一番たくさん漢字しりとりを作成できるのかを競うのもよいかもしれません。
後半の時間は、それぞれのグループに発表させて、他のグループは、その漢字が読めるかどうかを競わせるのも面白いかもしれません。
当然、習っていない漢字でもよいことにします。
パソコンのキーボードを使える学級なら、パソコンで字を打ち込むと勝手に漢字のしりとりができるかもしれませんね。
なお、この「漢字しりとり」については、私が子ども用に作っている「よみもの」でも紹介しています。よければ、お読みください。
自由研究 国語に進む(外部リンク・よみもの)
<まとめにかえて>
漢字遊びは、あくまで子どもが漢字を楽しいと思うきっかけです。
さまざまな方法を駆使して、子どもが漢字や漢字の学習を楽しいと思える場を用意するとよいのではないかなと思います。
⭐️ ⭐️
なお、漢字学習や漢字辞典や国語辞典の引き方については、次のページもお読みください。
漢字学習(1)読みと書きを分けるに進む(内部リンク)
漢字学習(2)漢字辞典の引き方に進む(内部リンク)
辞書を引く習慣のつけ方に進む(内部リンク)
漢字学習(3)指導者がペースを決めるに進む(内部リンク)
漢字学習(4)子どもを漢字のミニ先生にするに進む(内部リンク)
漢字指導(5)漢字の正しさ とめ・はね・はらいに進む(内部リンク)
漢字学習(7)異字同訓の漢字・同じ読みの漢字に進む(内部リンク)
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