プロの技術を身に付けたいのなら身銭を切れ 

教育者の名言、格言
しぎた
しぎた

教育者の言葉を紹介します。今日は、向山洋一氏の言葉です。

 人生を生きていると、時々、「なるほど」と感心する言葉に出合うことがあります。

 今回は、向山洋一氏の「プロの技術を身につけたいのなら身銭を切れ」を紹介します。

プロの技術を身に付けたいのなら身銭を切れ

🟠向山洋一氏の本との出合い

 私は、若い頃、採用試験に合格できませんでしたので、しばらくの間、講師でした。採用試験に合格しなくても、教員免許状はもっていましたので、大学卒業後、赴任した学校では、1年めから担任をしていました。2年めも、学校は変わりましたが、同じように担任をしていました。

 1校めでも2校めでも、周りの先生方は、若い私にとてもやさしくいろいろと親切に教えてくださいました。当時は、現在の多くの学校のように、新任の先生や若い先生がたくさんいるという時代ではありませんでした。周りの先生は、どの先生も落ち着いた立派な先生に思えました。当時の私は、内気で、疑問があっても進んでいろいろ尋ねまわって、疑問を解決するといった性格ではありませんでした。

 大学や教育実習先で学んだことを除いて、本格的に教え方を教えてくださる方もいませんでした。小学館発行の「教育技術」という教育雑誌は毎月買っていましたが、教え方のこつや理念や技術は自分で少しずつ身につけるしかありませんでした。当時、公的に受けた研修は、講師になる直前に2時間、2人の指導主事から受けた研修が全てでした。

 2校めでは、2回めの2年生を担任しました。同じ学年を続けて受け持ちましたので、学習内容も、どのように教えるかもだいたいわかっていました。日々、自分なりに工夫して教えているつもりなのですが、どうもしっくりいきません。

 子どもを叱る回数も量も増えてきたように思いました。授業がどうもうまくいきません。どこがどう悪いのかもわかりません。校内の研究授業などはさせていただきましたが、教員としてどう学んでいけばいいのかわかりませんでした。教員の採用数は相変わらず僅かですし、今後、教師としてどう自分の力量を高めていけばいいのかわからず、五里霧中でした。

 そのようなある日、ふと本屋に立ち寄りました。珍しく教育書のコーナーに立ち寄りますと、ある本が目に付きました。なかなか刺激的な題名の本でした。

 向山洋一氏の「授業の腕を上げる法則」(明治図書・1985年)という本でした。(今は、学芸みらい社から、新版として発行されています。)


 読んでみました。今まで、疑問に思っていたことが、わかりやすく書かれていました。目からうろこが落ちるとは、まさにこのようなことだと思いました。

 授業とは、どのように行うのかが、短いことばで、的確に書いてありました。教えることの、楽しさを改めて知りました。

 この本の入っている明治図書の教育新書シリーズは、それから次々に読み進めました。向山さんの本を買いあさりました。そして、それらの本の中に書かれている具体的な方法をいろいろと試してみました。

 この本の姉妹本に、向山洋一氏の「続・授業の腕を上げる法則」(明治図書・1985年)という本がありました。その中に、新卒教師のための5ヶ条というのがありました。その1つが今回紹介した言葉です。

プロの技術を身に付けたいのならば身銭を切れ

 今の時代の言葉に変えると、次のようになるのかもしれません。

自己投資のために、お金を使いましょう

🟠身銭を切る方法

 それから、様々な種類の教育雑誌や教育書を買いました。明治図書などでは、多くの雑誌を刊行し、教育書もたくさん発売していました。、向山氏以外の教育者の本も買って読みました。

 研究会に参加するようにもなりました。

 研究会の中には、参加費が必要なものもありましたが、給料の中から捻出して参加しました。

 研究会の中には、研究授業を見せてくれるものもありました。自分の実践をわかりやすく報告してくださるものもありました。

 自分の考えに近いものもあれば、少し違いなと思えるものもありました。

 よいと思う方法は、実際に授業や学校生活の中で実践し、子どもの役に立つか、有効か、いろいろと試しました。

 そうやってたくさんの書籍や他の人の実践やお話から理解した方法を、少しずつ試す中で、自分なりの教育方法や教育技術が培われたように思います。

🟠学び続けること

 子どもたちを、学び続ける子どもにするためには、親や保護者は、自らも学び続ける必要があると思います。

 自ら学ぶ姿を見せることで、自然と子どもは、学ぶようになります。

 指導者である教員も同じだと思います。子どもに学ぶ力を身につけさせようとするのならば、今ある知識や技能に満足するのではなく、いつまでも、新しい方法、よりより方法を探して、身銭を切って学び続けることが大切だと思います。

 向山洋一氏が作った組織は、今、TOSSという団体として活動しています。TOSSのホームページもたくさん参考になると思います。

TOSSのホームページに進む外部リンク

 なお、他の名言についても次のページからお読みください。

挙手だけに頼らない指名をするに進む内部リンク

工夫しながら勉強する教師は必ず伸びるに進む内部リンク

どんな子どもでも好きにならなければ、教育は成立しないに進む内部リンク

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