ほめるネタを一生懸命作らなければいけない

教育者の名言、格言
しぎた
しぎた

教育者の言葉を紹介します。今日は、大村はま氏の言葉です。

本を読んでいると、時々、感心する言葉に出合うことがあります。

今回は、大村はま氏の「ほめるネタを一生懸命作らなけれはいけない。」を紹介します。

ほめるネタを一生懸命作らなけれはいけない

🟠大村はま氏とは?

授業の神様」といわれた国語教育実践家であり、研究家でもある大村はま氏のお名前をお聞きになったことはありますか? 

大村はま氏は、1906年生まれで、2005年に98歳でお亡くなりになっています。

大村先生は、50年以上、現場の「一国語教師」として活躍され、退職後も著述や講演で新しい指導案などを提案し続け、晩年になり、足が弱くなってからも車いすで全国を回っておられました。

98歳でお亡くなりになったのですが、お亡くなりになる直前まで、私の勤務する地方で開催していた国語の研究会にもよく参加いただきました。何回か、実際に講演をお聞きしたことがあります。

大村先生は、単元学習という学習法を実践された先生でした。大村先生が実際に教えられたのは、中学校が大半でしたが、小学校の国語教育にも多大な影響を与えた先生でした。

私自身も大村はま氏の著書や講演から多くのことを学びました。

🟠ほめること、しかること

今回紹介しています言葉は、「教室をいきいきと1−3」(筑摩書房・1968−1969年)という3冊のシリーズ本の中にある「ほめること、しかること」という文章の中の一文です。

ここに大村先生の子どもへの優しいまなざしが全て詰まっているといっても過言ではないと思います。

一部を引用します。

 ほめるのを忘れるということはあまりないでしよう。いいものができたり、いいことを言ったりすれば、教師であれば、ほめるということはだいたいおちなくできると思います。しかし、教師としては、ほめるタネを一所懸命作らなければいけない。ほめることの大切さを、ほめるタネをまくことの大切さと並べて心に留めておく―いえ、タネをまくことのほうを重く考えたいと思います。

大村はま 教室をいきいきと 筑摩書房

とても重みのある文章だと思います。子どもがよいことをしたからほめるのではなく、子どもをほめることができるようなタネを上手にまいて、ほめるようにもっていく、できそうで、なかなかできないことかもしれません。

でも、試してみたいことだと思います。ほめることの大切さを述べる教員はたくさんいると思います。

しかし、大村はま氏は、ほめるためには、じっと子どもがよいことをするを待つのではなく、ほめることのできるような、子どもが成長できるようなタネをまくことの大切さを説きます。

子どもは、悪いこともよいこともします。教員や親や保護者は、しかることもほめることもするでしょう。

大村はま氏は、できれば、「しからない方がよい」とも書いています。

そして、大村氏は、できれば、子どもが熱中するようなすばらしい授業をたくさん行いたいと願います。

鋭い目を向けながらも、すばらしい授業に引きつけ、だんだん、いちばんしたいことが悪いことでなくなるようにしたいと思います。

大村はま 教室をいきいきと 筑摩書房

子どもをよく観察し、よいことをした時にだけ、子どもをほめるのではありません。

子どもの成長を願って、子どもの興味をもちそうなことを見つけ、子どもが興味や関心をもつように、上手にタネをまき、本人をその気にさせて、取り組ませてみて、がんばらせて、成長させ、そのがんばりや努力、伸び、成長などをほめるということです。

できそうで、できなことかもしれません。でも、教師として、親として、保護者として、大人として、取り組んでみたいことでもあります。

🟠大村はま氏の業績に触れること

今回紹介した大村はま氏の本は、現在、「新編 教室をいきいきと〈1〉 (ちくま学芸文庫)1994年 」として発行されています。

その他、たくさんの著書があります。

また、「大村はま記念国語教育の会」という研究会が活動をしています。

2022年も11月6日(日)に、横浜市で研究会が開催されるそうです。

興味のある方は、ぜひご参加ください。

大村はま記念国語教育の会ホームページに進む外部リンク

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