不審者対応の大切さ:安全教育②

安全教育
つばさ
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不審者対応について知りたいです。

 学校で、子どもたちが安全・安心な日常生活を送るためには、いざという時のための「安全教育」が大切です。

 今回は、安全教育の中でも「不審者対応」について書きます。

子どもの安全を第一に考えて、臨機応変に動く

 学校に勤務していた時、毎年、定期的に多くの避難訓練などの安全訓練をしていました。

 台風、地震、交通安全、不審者に対する防犯訓練、保護者への子どもの引き渡し訓練など様々な訓練をしていました。

 時には学校だけでなく、警察署や消防署、役所、地域、家庭などから警察官や消防署員、役所の職員の方、地域の方、保護者などにご参加いただくこともありました。

🟠不審者対応の防犯訓練

 ある時、警察官を招いて、不審者対応の防犯訓練をしたことがありました。

 一人の教員に不審者役になってもらい、子どもを安全に誘導する係、犯人を捕まえる係、警察署に連絡する係などに分かれて訓練をしたことがあります。

 訓練の途中で、しばらくの間、犯人役の先生と、その犯人を取り押さえる役の4名の先生だけになりました。

 取り押さえる役の先生たちは、逃がしてはいけないと、教室に閉じ込めようと働きかけるのですが、なかなか犯人役の先生を教室に閉じ込められません。ある先生は、傘立てを盾にして、必死で押えこもうとしていました。

 その様子を見ていた警察官に、後から指導をしていただきました。警察官は、「子どもたちが逃げたら、無理せず、教職員も逃げたらいいんですよ」と、おっしゃっていました。

 警察官が到着するまでの時間を保てばいいのだから、子どもの安全がわかれば、無理に押えこもうとせずに、先生方も逃げてくださいとのお話でした。

 何かあった場合、想定通り、訓練通りに事柄が進まないこともあります。

 その場その場で、子どもにとって一番安全な対応はどうすればよいのか考えて、行動してほしいとのことでした。

さすまたは威嚇するために使う

🟠さすまたの働き

 さすまたは、基本的に、威嚇するために使ってほしいとのことです。

 顔面付近にさすまたを向け、威嚇し、適度な距離をとってほしいそうです。

 体を押しても、凶暴な犯人が本気を出せば、3人がかりでも、動きを止めるのはむずかしいだろうとのことです。

 無理に捕まえようとすると、犯人にさすまたなどをとられて逆襲されることもありますので、警察がくる5~10分間の間、犯人を威嚇してほしいとのことです。

 特に、女性の場合、無理に近づかず、子どもの安全を守るために、威嚇し続けてほしい、とのことでした。

 教職員も怪我をしないようにしてほしいとのことです。深追いはしないようにする必要があるそうですが、犯人が逃げてどこにいるかわからないというのが、一番怖いことなので、犯人についていき、位置を確かめる必要はありますが、距離は確保してほしいそうです。

 上記の防犯訓練のとき、犯人が逃げて、他のクラスにいかないようにしようと、2人の先生は、犯人役の先生の近くで、扉を押さえていました。

 困った犯人役の先生は、ナイフを投げてきました。2人の先生は、上手にすり抜けていましたが、犯人が本気なら、大怪我をすることもあるだろうなと思いました。

 さすまたの使い方については、別のページにまとめていますので、合わせて、お読みください。

さすまたの使い方:安全教育に進む内部リンク

不審者を学校に入れない

🟠扉は必ず閉めること

 不審者を学校に入れないことが一番大切だそうです。

 学校によっては、子どもが学校にいる時間帯に、正門付近に誰もいないのに、出入り口にある門や扉などがあいていることがあります。

 子どもが下校するときに、教職員が必ず門や扉に付き添う学校があります。付き添わないで、担任に任せている学校もあります。子どもに任せている学校もあります。

 子どもたちの中には、親切で、次の子どものために、門や扉を開けておくことがあります。

 誰かがついている時以外は、門や扉は、開けっ放しにしないようにすることが大切です。

 不審者を入れないことが大切です。

🟠来校者への対応

 学校によっては、扉にインターフォンが設置され、確認できると、扉をスイッチで解除することになっている学校があります。

 来校者が、インターフォンを鳴らして入校される場合、名前カードなどを提示する約束になっている学校があります。名前を告げる約束になっている学校もあります。

 しかし、中には、そのような約束になっていても、名前を言われない保護者の方や業者の方がいます。

 明らかに名前を知っている保護者や業者でない場合は、開けるスイッチを押す前に「どちらさまですか?」と所属や名前を確認することが大切です。

 あまりこの原則を徹底しすぎると、学校の対応は冷たいと、文句をおっしゃる方がいるかもしれませんが、「子どもの安全が第一」だと考えて行動することが大切です。

 正門付近で誰かにあった場合も、知らない人や見かけない人の場合は、「どちらさまですか?」と、教職員が尋ねることが大切です。

 不審者を子どもに近づけないようにすることが大切です。

🟠学校安全の手引き

 2001年6月に起こった悲しい事件を受けて、大阪教育大学附属池田小学校では、「学校安全の手引き」を作成しています。

 ぜひ、参考にしてください。

学校安全の手引きのホームページに進む外部リンク

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 なお、「安全教育:子どもを守ること」に関係する記事を集めた一覧表は次のページにあります。

安全教育:子どもを守る 一覧表に進む内部リンク

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