〔観点1〕子どもの実態を把握する:修士論文09

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観点1:子どもの実態を把握する」について書きます。

 修士論文の9回めです。

 今回は、「授業づくりの〔観点1〕子どもの実態を把握する:修士論文09」についてです。

〔観点1〕子どもの実態を把握する:修士論文09

イラスト:「無料イラスト素材集・性教育いらすと」より活用させていただいています。

🟠〔観点1〕子どもの実態を把握する:修士論文09 

 今回は、「第3章:授業づくりの観点」の中の「第2節:〔観点1〕子どもの実態を把握する:修士論文09」について書きます。

<〔観点1〕子どもの実態を把握する>

 教育の原点は、子どもです子どもの実態の把握をすることが、まず第一に考えなければいけないことです。

 単元学習を精力的に行い、戦後の日本の国語教育界をリードしてきた大村はまさんは、「教室をいきいきと」という3冊シリーズの著書の冒頭を次のように書き出しています。(※1)

 子どもを知ること、子ども自身より深く知ること、親をも越えて子どもを知るということ、これがまず教師としての第一のことでしょう。

教室をいきいきと1

 日本の国語教育界を絶えずリードしてきた先達のことばは教育を志すものとして大いに頷けるものです。

 子どもの実態を把握する場合、2つの視点がいると思います。

 1つは、目の前にいる子どもをどう見るかということです。もう1つは、発達段階の中で子どもをどう見るかということです。

<目の前の子どもを把握する>

 目の前の子どもを見る場合は、さらに、次の2つ見方が必要です。クラス全体で見るということと、個々の子どもを見るということです。

 学校での学習は、クラスを単位として営まれることが大半です。クラスの傾向を知ることは大切なことです。クラスの大部分の子どもが既にどのような学習を経験しているのか、どのようなことが得意で、どのようなことが苦手なのか見極める必要です。一見よく発表するクラスでも、みんなが平均的によく発言するクラスもあれば、一部の元気な子どもがたくさん発言して大部分の子どもは沈黙したままのクラスもあります。クラスの全体の傾向を知ることで、授業づくりに必要な事柄が浮かび上がってくることが多いです。

 子ども一人一人の能力を見極めることも大切なことです。子どもの中には、話すのは苦手だが書くのは得意だという子もいれば、逆に、書くのは苦手だが話すのは得意だという子もいます。両方得意な子もいるだろうし、どちらかといえば、両方苦手な子もいるでしょう。子ども一人一人の能力を見極めることは、すぐにはできないことです。しかし、できるだけ早い時期に把握する必要があります。

 私自身が、このような音声言語の研究を始めたきっかけの一つに、授業に喜んで参加はしているのだが、進んで発言しない子どもの存在が気になったということがあげられます。どのようにしたら、全ての子どもが発言するのかと考えている時に、子どもが発言するのを待つのではなく、全ての子どもが、進んで発言したくなるような場を設定すればよいのだと思いつきました。そして、聞き手の人数を絞り、相手を変えて繰り返し自分の調べたことについて話す機会を設ければ、話し手も聞き手も飽きないし、自然と話すことに慣れるのではないかと考えます。修士論文24で述べる「実践事例6:どうぶつはかせになろう」は、そのような問題意識から生まれた授業です。

<発達段階の中で子どもを把握する>

 小学校6年間の間における子どもの成長は、私たち大人とは比べようがないくらい飛躍的な成長をします。授業づくりを考える場合、何年生なのかということは、とても大切な要因です。同じ2年生であっても、個々のクラスによって、子どもの実態は様々であるが発達段階で考えた場合、ある程度の共通の要素というものは存在します。その辺りを考慮して、指導にあたるということは大切なことです。

<第3章第2節の※の出典>

(1)大村はまさん 1986年 教室をいきいきと1 筑摩書房 P9

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