母親ノート法(11)教師の思い 親子関係

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つばさ
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不登校の子どもに対する教師の思いについて書きます。

 不登校になった子どもに対して教師は何ができるのでしょうか?

 今回は、「母親ノート法:教師の思い」について書きます。

母親ノート法:教員の思い

🟠教員の思い

<不登校の子どもへの教師の思い>

 教師をしている時に、何人かの不登校の子どもを担任したことがあります。

 個人的な情報に関する事柄を語ることはできませんが、子どもが時折不登校になることがありました。

 不登校になる理由は実にさまざまです。

 学校での友だちとの関係が原因の時があります。

 家庭での親や保護者との関係が原因の時もあります。

 よく聞いても原因がよくつかめないということもあります。

 担任している途中などで、子どもが不登校になることもありましたし、担任をする以前から子どもが不登校の場合もありました。

 そのような時、担任や教師としてできるだけのことをしたいといつも思っていました。

 いろいろな対応をすることで、子どもが学校に来るようになることもありました。

 残念ながら、そのまま不登校が続くこともありました。

 子どもが不登校になった場合に、初めに考えることは、担任している自分や学校の対応が子どもが不登校になる原因やきっかけを作っていないかということです。

 教師になる以前の大学生の頃から、登校拒否や不登校になる子どもに興味をもって学習していましたので、学校や教師だけが不登校の原因ではないということは知っていました。

 ただ、全く担任している自分に原因がないとも言い切れないともずっと思っていました。

 自分の不注意な言動が子どもを傷つけ、子どもが学校に行きたくないと感じているのではないかということを感じることもありました。

<一般の教師のもつ戸惑い>

 多くの教師は、学級の子どもが不登校になると具体的にどうすればよいか戸惑うことが一般的なように思います。

 とはいえ、多くの教師は、できるだけ何か子どもや保護者の役に立つことをしたいと思っています。

 時には、その行為が子どもの役に立たずに、保護者や子どもを追い詰めることもあるみたいです。

 東山紘久氏は、「母親と教師がなおす登校拒否ー母親ノート法のすすめ」(創元社・1984年)という本の中で、次のように書いています。

 登校拒否が、病気であることを納得できないのは、母親だけでない学校の先生もそうである。登校拒否の子どもの多くが、先生を強く拒否するのは、学校に感することに過敏になっていることもあるが、「病気であることを理解してもらない」からでもある。腎臓病で長期入院を必要とする子どもと、登校拒否の子どものところへ行く教師の態度を比較してみれば、その差は明白である。たとえば、中学三年生で腎臓病の子どもの所へ見舞いに行く教師は、花束を持っていくだろう。今、学校でクラスの人達は一生懸命受験勉強をしている、とか、教科書は何ページまで進んでいるとかを、一切言わないだろう。そんなことを言うと、本人を焦らせ、いらいらさせ、ゆっくり養生できないことが分かるからである。教師は、「学校など気にしなくてもよい。ゆっくり治療すればよい。人生は長いのだ。」と慰めるだろう。ところが、登校拒否の子どものところへ行く段になると、態度が違う。花束を持っていく先生はいない。持っていくのは、たいがい、プリント、宿題、行事予定などである。登校拒否は病気である。腎臓病の子どもと同じか、それ以上に焦っているのに、病気のため学校へ行けないのである。教師のこの態度は、子どもを更に焦らせるだけである。静養の邪魔をしているようなものである。だから、子どもはこのような教師に反感を持ち、拒否する。

母親と教師がなおす登校拒否ー母親ノート法のすすめ

 この本を読んでから、子どもが不登校になった場合、子どもの様子をよく確かめ、保護者がやみくもに学校に登校するだけを第一の目標にされる場合でも、それが一番よい方法か確かめるようにしていました。

 教員が良かれと思ってしていることが、かえって子どもや保護者を追い詰めていることもあるのだと知ることは、とても大切だと思います。

<どうすればいいのか?>

 不登校の子どもに対して、教師として具体的にどうすればいいのか、具体的で明確な答えがあるわけではありません。しかし、できるだけ、保護者や子どもとの良好な関係を作ることを心がけることにしていました。

 子どもが望んでいる場合は、毎日のように家庭訪問をするようにしたこともあります。

 必要最低限の連絡だけに留めた場合もあります。

 別室登校をうながして、子どもが望む時間だけ学校に留まるようにし、嫌になった場合は、すぐに家に帰ることができるような環境を整えたこともあります。

 不登校になったからといって、不登校の子どもや保護者の願いや思いは同じではありません。

 ひとりひとりが持つ願いや思いに真摯に耳を傾け、対応することが大切なことのように思います。

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 母親ノート法については、次のページにも書いています。

母親ノート法(1)母子の会話パターンに進む内部リンク

母親ノート法(2)快・不快と評価基準に進む内部リンク

母親ノート法(3)議論しないことに進む内部リンク

母親ノート法(4)説教しないことに進む内部リンク

母親ノート法(5)否定的感情の処理に進む内部リンク

母親ノート法(6)代弁しないことに進む内部リンク

母親ノート法(7)要求をきくことに進む内部リンク

母親ノート法(8)親の心、子どもの心に進む内部リンク

母親ノート法(9)戸惑う親の心に進む内部リンク

母親ノート法(10)不登校の理由に進む内部リンク

 東山紘久さんの言葉については、次のところでも書いています。合わせてお読みください。

登校拒否は心の病気であるに進む内部リンク

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