板書:教育用語②

教育用語
つばさ
つばさ

板書について知りたいです。

 学校の中には、教職員で行う特別な用語がたくさんあります。

 今回は、そのような教育用語の中の「板書」について書きます。

板書

🟠板書

<板書とは?>

 板書とは、授業中に行う教師が黒板にチョークなどで文字や絵、図などをかくことです。

 授業は、多くの場合、教師と子どもの音声のやりとりで進みますが、子どもの理解の大きな部分を占めているのは視覚ですので、板書をして文字などを書くことで子どもの理解の助けになります。

 教師が、意図的計画的な板書を工夫して書くことで、子どもの意欲を高めることもできます。

 上手な板書は、子どもの学習意欲を引き出したり、考えを深めたり整理したり、教師の説明の理解が増したりします。

 板書は、1時間の授業の流れを書き留めているものであり、きちんと書かれた板書は、その板書を見るだけで、授業が教師と子どものやりとりを通してどのように進行したのかわかります。

<板書に書こと>

 教師があらかじめ書くことに決めている板書の内容には、次のようなものがあります。

日付

単元名、題材名、教材名

学習のめあて

学習の方法(調べ方、考え方、資料、見通し、予想など)

学習における重要な内容 

まとめ(その学習において明らかになったこと)

 ここに挙げたものは、一例なので、ここに書いていること以外の事柄が板書に書かれることもあるでしょうし、ここに挙げた事柄が全て板書に書かれるわけではありません。

<板書を書くときに注意すること>

子どもの発言を大切にする

 板書は、授業における教師と子どもとの交流の様子をわかりやすくまとめたものです。

 ただ、最初に教師が計画した事柄だけを書くものではありません。

 教師が前もって考えていた内容を、子どもの発言に合わせて披露する場でもありません。

 板書に書かれる言葉や文などは、子どもの発言内容などを的確に要約したものである必要があります。板書は限られていますので、子どもの発言を短くまとめて書くことも必要です。ただ、その過程で、子どもの発言を勝手に変えてしまうのはよくありません。時には、書いた言葉や文を「これでいいか」子どもに確かめることも必要です。

 子ども一人ひとりの発言したことが、板書の上に反映され、一人ひとりの考えが大切にされていると、子どもが感じるようにする必要もあります。

 発言内容に名前カードなどを貼り、発言した子どもが誰か板書上で、明らかにすることもよい方法です。

 同じ意見の子どもには、自分の名前カードを貼るように指示すると、子どもの考えの分布の状況を教員も子どもも把握することができます。

途中で消さないようにする

 板書は、授業中に消さないようにすることが大切です。

 授業の後で、板書を見るだけで、授業の流れがわかるように書くことが大切です。

 書いた後ですぐに消してしまうと、子どもの理解が追いつかないこともあります。

文字の大ききさを考える

 あまり小さい文字は、子どもが読むことができないので、一番後ろの席からでもきちんと読める大きさの文字の大きさであることが大切です。小さい文字だと、書く量も多くなりがちになります。

 絵が上手な教師の場合は、絵などを書き加えると、子どもの理解も増すと思います。

色チョークを工夫する

 チョークの色は、白色が基本です。黄色や赤色も工夫して使うと、板書がわかりやすくなります。

 どのような場面で、色チョークを使うか決めておき、子どもに伝えておくのもよい方法だと思います。

 有田和正氏は、「新ノート指導の技術」(明治図書・1996年)という本の「板書技術」という章で、色チョークの使い分けを次のように書いています。

 板書は、白チョークが基本である。必要に応じて、黄色や赤色などを使うと、見栄えのする板書になり、子どもにも色チョークの意味がわかってくる

 わたしの場合は、

問題、題材ー黄色

重要用語や内容ー赤色

特別な場合ーその他の色

その他は原則としてー白色

ということを、子どもと約束して使っている。

 子どもたちは、赤で書いたことは「大切なのだな」と思い、ノートにもそれらしく書いている。

新ノート指導の技術

黒板は前もってきれいに消しておく

 黒板係などを作って、子どもに黒板を消す役割を子どもにさせる教員もいますが、個人的には賛成しません。

 理由は、子どもでは、黒板を上手に消すことができないからです。黒板の上から下に向かってまっすぐ黒板消しを使って、チョークの文字を消す作業は、教師がするのが基本だと思います。

 落書きされたノートに、文字を書いてもきちんと読むことはむずかしいと思います。同じように、きれいに消されていない黒板にいくらよいことを書いていても、理解しにくいと思います。

 先ほど紹介した有田和正氏の「新ノート指導の技術」という本はとてもよい本です。

 ぜひ、購入して読まれることをおすすめします。

新ノート指導の技術の購入できるページに進む外部リンク

⭐️ ⭐️

 他の教育用語や有田和正氏の名言などについては、次のページをお読みください。

名前カードの活用に進む内部リンク

発問:教育用語①に進む内部リンク

机間指導:教育用語③に進む内部リンク

工夫しながら勉強する教師は必ず伸びるに進む内部リンク有田和正さんの名言

どんな子どもでも好きにならなければ、教育は成立しないに進む内部リンク有田和正さんの名言

全部やろうはバカやろうに進む内部リンク坂本良晶さんの名言

教材:教育用語④に進む内部リンク

リライト教材:教育用語⑤に進む内部リンク

授業研究:教育用語⑥に進む内部リンク

オノマトペ:教育用語⑦に進む内部リンク

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