教育者の言葉を紹介します。今回は、坂本良晶氏の言葉です。
人生を生きていると、時々、感心する言葉に出合うことがあります。
今回は、坂本良晶氏の「全部やろうはバカやろう」を紹介します。
全部やろうはバカやろう
🟠全部やろうはバカやろう
<教員の仕事>
教員の仕事は、とても忙しいです。
日々の授業、授業の準備、学校内での分担した仕事、テストの採点、宿題の点検、通知表の作成、保護者への連絡、プリント類の作成などたくさんあります。
効率的に仕事をこなしていかないと、なかなか終わりません。
多くの学校での教員の勤務時間は、午前8時30分から午後5時ごろまでです。
自治体によって勤務時間に差があります。
多くの教員の仕事は、勤務時間内に終わることは少ないです。
最近、よく知られるようになりましたが、教員には、残業手当という制度はありません。
いくら残業をしても、給料が増えることはありません。
多くの教員が、自分の仕事を終えるために、熱心に取り組んでいますが、なかなか忙しい日々を過ごしています。
そのよう教員の多忙な仕事を効率的にこなすことを逆説的に述べたのが、「全部やろうはバカやろう」という言葉です。
この言葉は、坂本良晶氏の言葉です。
<坂本良晶氏とは>
坂本良晶氏は、1983年生まれです。京都府の公立学校の教員です。
大学卒業後、大手飲食店チェーンに勤務し、兼任店長として全国一位の売り上げを記録したこともあります。
その後、教員を目指して通信制大学で教員免許状を取得し、京都の教員になりました。
2017年、子どもの力を伸ばしつつ、教員の働く時間を減らそうと、「教育の生産性改革」に関するTwitterを開設しました。
坂本さんのTwitterは次のページから見ることができます。
坂本良晶/さる@小学校教師に進む(外部リンク)
最近は、ニュース番組などいろいろなマスコミに出演することもあります。
最近の日本の教員の中では、とても影響力のある教員の一人です。
<「全部やろうはバカやろう」とは>
坂本良明氏は、著書「さる先生の『全部やろうはバカやろう』」(学陽書房・2019年)という本の中で、本の題名になった「全部やろうはバカやろう」という言葉について、次のように書いています。
「全部やろうはバカやろう」これは僕が勝手に考えた座右の銘です。手前味噌ではありますが、エッセンシャル思考の本質を完璧なまでに言い表していると感じます。
『エッセンシャル思考』の冒頭にはこのように書かれています。
本当に重要なことをやると決めてから、仕事の質は目に見えて改善された。あらゆる方向に1 mmずつ進むのをやめて、これと決めた方向に全力疾走できるようになったからだ。
多忙という霧の中から真に成果の出る仕事を曇りなき眼で掴み出す。そして、それに時間とエネルギーを集中投下することにより、成果は生み出されるのです。やみくもにエネルギーを全方位へと分散投下していては、ジリ貧まっしぐらです。
それを見極めるためには、目先のことに一喜一憂するのではなく、大局観を持つことが求められます。教育の目的とは一体何なのか?
それは子どもを伸ばすこと。多忙にまみれ、仕事を見極めるレンズが曇った時には、今一度、この目的のたどり着く仕事なのかを見つめ直すと良いでしょう。
さる先生の「全部やろうはバカやろう」
坂本氏は、「教育の生産性を上げて5時に帰るために」教師の仕事の取り組み方を変えることが大切だとしています。
多くの教員は、熱心で真面目です。
子どもの成長のために、苦労を厭わない教員もたくさんいます。
しかし、坂本氏は、やみくもに頑張るだけではいけないとしています。
教員の働くことへの認識を変え、仕事の質を変えることの大切さを説きます。
坂本氏の著書は、次のような6章から成り立っています。
1章 教育の生産性を上げて5時に帰るために!
2章 最大成果を生むための最適解を導き出そう!
3章 まずは自分の生産性を上げよう!
4章 時間に追われるな! 手懐けろ! タイムマネジメント術
5章 ルールを知る者だけが勝てる「学級経営オセロ」!
6章 自分のミッションを持つ
さる先生の「全部やろうはバカやろう」
この章立てを見るだけでも、坂本氏が教員の仕事に対する認識を変えることを大切に考えていることがわかります。
ぜひ、実際にこの本を手に取って読み、自分の教員としての仕事の質を変えるきっかけにしてほしいと思います。
さる先生の「全部やろうはバカやろう」が購入できるページ(外部リンク)
新任教員翼くんの日々(012)坂本良晶さんの本に進む(内部リンク)
<最近の教員の実態>
最近、うつ病など心理的な病気などで休職する教員が増えています。学級がうまく運営できないで学級崩壊を引き起こしている教員もたくさんいます。休職後、そのまま、志半ばで、教職を諦めて、退職してしまう教員もいます。
また、多くの自治体や学校で、教員が集まらないことが問題になっています。教員が集まらない原因の1つが、教員の働き方がまるでブラック企業のようだとされ、教員採用試験を受験する若者が減っていることが挙げられています。
現在の日本は、比較的就職率もよく、苦労してまで教員になろうとする若者が少なくなっているのかもしれません。
しかし、長年教員をした私の経験から言えば、教員の仕事はとてもすばらしいものです。
子どもの成長を実感することはとても楽しいことです。
このようなすばらしく楽しい教員の仕事を続けるためには、教員の仕事の質を変えることも大切なのかもしれません。
そのような仕事を行う際の道案内として、坂本氏の「全部やろうはバカやろう」という言葉と坂本氏のTwitterと、坂本氏の著書を活用していただけたら、幸いです。
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なお、他の名言についてもお読みいただけたら嬉しいです。
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