ダウトという遊びを知っていますか?
学習の中に遊びの要素を取り入れることはとても大切です。
今回は、「言葉遊び」の「ダウト」を取りあげます。
言葉遊び②:ダウト
🟠言葉遊び②:ダウト
<ダウトとは>
ダウトというのは、英語で「doubt」と書きます。意味は、「疑う、疑わしく思う、信用しない」などという意味の表現です。そこから、「それは嘘だ」という意味にもなり、相手の嘘を見抜き指摘するときの言葉でもあります。
このダウトを使った簡単な言葉遊びがあります。
それは、教員などが子どもがよく知っている昔話をする時に、わざと所々に、嘘を交えた話をします。
嘘を言った段階で、子どもが大声で「ダウト(それは嘘だ)」と言います。
これだけのやり取りですが、子どもはとても楽しそうに、「ダウト」と言います。
例えば、次のようなものです。
むかしむかし、あるところにおじいさんと、おばあさんがいました。
おじいさんは、川に洗濯に(ダウト→山に芝刈りに)、おばあさんは、山に芝刈りに(ダウト→川に洗濯に)行きました。
おばあさんが、川で洗濯をしていると、川の向こうから、大きなリンゴが(ダウト→桃が)流れてきました。
家に帰って、桃を割ってみると、中から女の子が(ダウト→男の子が)(以下略)
ただ子どもがよく知っている桃太郎の話をするだけですが、子どもたちは本当に楽しそうにダウトと言います。
時間がある時には、最後までお話をしてもいいでしょうし、短い時間がある時には、途中まででもいいかもしれません。
もともと、このダウトというのは、「読書へのアニマシオン」という読書教育の指導法の一つ「ダウトをさがせ!」を応用したものです
<読書へのアニマシオンとは?>
アニマシオンについて、図書館情報学用語辞典第5版(丸善出版・2016年)には次のように書かれています。
スペインのジャーナリストであるモンセラ・サルト(Montserrat Sarto 1919-)が,子どもたちに読書の楽しさを伝えるとともに読む力を引き出すために1970年代から開発した,グループ参加型の読書指導メソッド.アニマシオンは、ラテン語のアニマ(魂・生命)に端を発し,人間の魂・生命を活性化するという意味.75種類にまとめられた個々の手法は、「作戦」と呼ばれ、物語や詩の中にわざと間違いを入れて読み聞かせた上で間違いを探させたり、あらすじをクイズにして出題したりといったさまざまなプログラムがあり,深く読む習慣,読解力,コミュニケーション能力を養なうことを目指す.日本には1997年に刊行された『読書で遊ぼうアニマシオン:本が大好きになる25のゲーム』により紹介され,自分の考えで読み解き,伝えられる主体的な読み手を育てる試みとして注目されている.
図書館情報学用語辞典第5版
「ダウトをさがせ!」というのは、「読書で遊ぼうアニマシオン:本が大好きになる25のゲーム」(モンセラット サルト作・佐藤美智代訳・青柳啓子訳・柏書房・1997年)いう本の中で紹介されている作戦の一つです。
元々は、絵本などを読み聞かせした後に、2回めはわざと間違えても読み、どこでどんな間違いをしたのかを、読み聞かせを聞いている子どもに指摘させる方法です。
私は、時折、教務主任をしているときなどに、臨時で短時間子どもの相手をすることがありました。そのような短い時間では、読み聞かせをして、さらにもう一度本を読む時間などありません。
それでも、その短い時間、子どもたちを楽しませようとすればいろいろと工夫すること必要です。
そのような時に、「ダウトをさがせ!」を応用して、取り組んだ言葉遊びの一つが今回紹介した「ダウト」です。
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なお、関係する次のページもご覧ください。
学びに遊びを取り入れる 遊び①に進む(内部リンク)
なぞなぞ(1)遊び②に進む(内部リンク)
なぞなぞ(2)遊び③ に進む(内部リンク)
言葉遊び(1)折句 遊び④に進む(内部リンク)
ビンゴゲーム 遊び⑤に進む(内部リンク)
辞書を引く習慣のつけ方に進む(内部リンク)
漢字学習(2)漢字辞典の引き方に進む(内部リンク)
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