あいうえおであそぼう あひるのあくび 教材分析056

教材分析
つばさ
つばさ

50音の言葉遊びの教材研究をしてみました。

 よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

 しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

 そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

 今回は、「あいうえおであそぼう」と「あひるのあくび」です。

あいうえおであそぼう/あひるのうた:教材分析

🟠あいうえおであそぼう/あひるのあくび:教材分析

 この教材は、光村図書の1年生と東京書籍の1年生の教科書に掲載されています。

<作者>(光村図書)

 中川ひろたか(なかがわ・ひろたか)作

 出典:光村図書の教科書のために書き下ろしされました。

 中川ひろたかさんについて

 1954年埼玉県大宮市で生まれました。日本の絵本作家、シンガソングライターです。

 上智大学法学部に入学後、中退しています。

 保育園に保育士として活動を始めます。ただ、当時は、女性しか保育士になれなかったので、書類上は用務員として勤務します。

 1979年、初の著作「あそびうたがいっぱい」(湯浅とんぼ+中川ひろたか、ぱるん舎)を敢行し、保育集会などを通して全国の保育園に広まります。

 制作した楽曲の総数は2500曲以上で、絵本の累計販売部数は630万部に達しています。

<作者>(東京書籍)

 巻左千夫(まき・さちお)作

 出典:「幼児がくしゅう百科絵本1 あいうえお ちえあそび」(ひかりのくに・1989年)

 巻左千夫さんについて

 1948年に生まれました。日本の児童文学作家、イラストレーターです。

 絵本「にゃんたん」(絵:岡田日出子・ポプラ社)のシリーズはとても有名です。

<題名>

 題名は「あいうえおであそぼう」と「あひるのあくび」です。

 ともに、五十音の一番上の段を最初に言葉にした言葉遊びです。

 「あいうえおであそぼう」の方は、文字通り、50音の最初の言葉である「あいうえお」を使ってであそぼうと呼びかけています。

 「あひるのあくび」の方は、この言葉遊びの最初の書き出しを題名にしています。

<設定>

 ともに、50音の上段にある「あかさたなはまやらわ」を一番最初にもってきて作られています。そして、それぞれの行は、「あいうえお」「かきくけこ」というように、50音の言葉で終わっています

 1年生の子どもたちが、50音に慣れるように作られています。

🟠あいうえおであそぼう

<表現の工夫>

 あやとり いすとり あいうえお

というように書き出しています。

 この50音の言葉遊びの工夫の1つめは、音の数をそろえていることです。

 全てではありませんが、基本的には4文字の言葉を選んでいます。文字の数(音の数)が同じなので、自然にリズムよく音読できるようになっています。

 2つめは、韻を踏んでいることです。

「あやとり」と「いすとり」のように、共に「あいうえお」の言葉で始まると同時に、「とり」という言葉で終わり、韻を踏んで書かれていますので、読んでいて、自然とリズムよく音読できる工夫がされています。

 3つめは、できるだけ、その行に出てくる言葉を使っていることです。

 「あやとり」も「いすとり」も共にあ行の言葉で始まっています。

 か行は、「かきのみ」「くりのみ」となっており、同じような工夫がされています。

 この3つの工夫は、最後まで続きます。

🟠あひるのあくび

<表現の工夫>

 あひるの あくび あいうえお

というように書き出しています。

 この50音の言葉遊びの工夫の1つめは、音の数をそろえていることです。

 全てではありませんが、基本的には、4文字+3文字の言葉を選んでいます。文字の数(音の数)が同じなので、自然にリズムよく音読できるようになっています。

 2つめは、主語+述語の関係になっていることです。

「あひる」が「あくびをした」というように、誰かが何かをしたような文が続くように作られています。

 3つめは、その2つの言葉が、それぞれ「あかさたなはまやらわ」で始まる言葉になっています。

同じ言葉にそろえることで、1つの行の中に「あ」や「か」などの言葉が3文字ずつ入っていることになり、とても読みやすくなります。

 か行は、「かえるが」「かけっこ」となっており、同じような工夫がされています。

 この3つの工夫は、最後まで続きます。

<他の教科書を参考にすることのよさ>

 私は、できれば、小学校の国語の指導では、他の教科書を参考にすることを強くお勧めします。

 特に、小学校1年生では、このことを強くお勧めします。

 50音の言葉遊びを、「あいうえおであそぼう」や「あひるのあくび」だけですることでも十分楽しめるでしょう。しかし、2つの教材を並べて音読したり、視写したりした方が子どもはもっと喜ぶと思いますし、言葉の面白さをもっとたくさん知ることができます。

 教科書は、大きな本屋さんや学校に教科書を納めている業者にお願いすると、簡単に手に入れることができます。

 教科書は、とても安いです。今回の参考にしている教科書は、それぞれ368円と344円です。1コイン500円以下のお金で素晴らしい教材が手に入るとしたらとても安いものだと思います。

 近くに公立図書館がある場合、貸し出ししている図書館もあります。

<自分でも自作してみる>

 今回、2つの50音の言葉遊びを参考にして、自分でも自作してみました。

あいうえおのうた     しぎた おかあき さく

あさひが あかるい あいうえお

かっぱが かおだし かきくけこ

さくらが さいてる さしすせそ

たいこを たたいて たちつてと

なのはな ながめて なにぬねの

はまちが はねてる はひふへほ

まくろも まねして まみむめも

やぎのこ やさしく やいゆえよ 

らくだは らくだな らりるれろ

わたしは わをもち わいうえを ん

 この「あいうえおのうた」では、次のような工夫をしてみました。

1.音の数を4音+4音にする。

2.できるだけ、主語+述語にする。

3.どの行も「あかさたな」ではじまる言葉にする。

 いかがでしょうか。 上手にできていると思いませんか。

 なお、この「あいうえおのうた」は、子ども自身でも読めるように、私が子ども用に作っている「よみもの」に載せています。

あいうえおのうたに進む外部リンク・よみもの

<子どもにも作らせてみる>

 きっと、1年生の子どもでも作ることができると思います。

 私の「あいうえおのうた」も使って、3つの50音の言葉遊びを並べてみると、子どもは、きっと自分でも作ってみたいと考えると思います。

 いろいろ言葉を選んで作ってみることで、いろいろな言葉を探す楽しさを見つけることができると思います。

 小学校1年生の入門期の学習では、「読む」「書く」「話す」「聞く」「考える」という活動をいろいろ取り入れていくことがとても大切だと思います。

 ぜひ、いろいろ試してみてください。

<まとめにかえて>

 今回は、いつもとは少し違う方法で、2つの教材を並べて教材研究をしてみました。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。

⭐️ ⭐️

 なお、関係する次のページもご覧ください。

音読指導(1)話すように読むに進む内部リンク

音読指導(2)真似して読む に進む内部リンク

学びに遊びを取り入れる 遊び①に進む内部リンク

なぞなぞ(1)遊び②に進む内部リンク

なぞなぞ(2)遊び③ に進む内部リンク

ビンゴゲーム 遊び⑤に進む内部リンク

漢字遊びのいろいろ 漢字学習(6)に進む内部リンク

鉛筆の持ち方 学校のマナー⑨に進む内部リンク

整った筆箱 学校のマナー⑤に進む内部リン

毅然とした態度 教員の心得⑤に進む内部リンク

けんかした子どもへの対応 教員の心得①に進む内部リン

授業の導入の工夫:教員の心得⑧に進む内部リンク

集中のさせ方:教員の心得⑨に進む内部リンク

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