研修と自己の成長の関係について知りたいです。
教員にとって研修を重ねることはとても大切です。
なぜなら、自分自身の成長につながるからです。
今回は、「研修と自己の成長」について書きます。
研修と自己の成長
🟠様々な研修
研修会や研究会などには、公的なものと私的なものがあります。
<公的な研修会>
公的な研修会には、校内で行うものと、教育委員会などの主催で、教育センターや学校以外の場所などで行うものがあります。
校内で行う場合は、全員参加が原則です。
校外が行う場合は、自分の担当している校務分掌に関係する事柄や初任者研修などで参加が義務付けられていることが多いです。
では、研修会に参加するときには、どのようなことに注意することが大切なのでしょうか?
「メモをとる」
研修会に参加するときに大切な心構えの1つにノートなどと筆記用具を用意して、きちんとメモをとることです。
時々、何ももたないで参加する人がいますが、何のために研修会に参加しようとしているのか疑問に思うことがあります。
校内の研修会では、自分が理解するだけですので、自分がきちんと理解していなくてもそれほど他者に対する影響はありません。
しかし、学校の代表として研修会に参加する場合もあります。そのような場合は、自分が見聞きした知見をきちんと校内の教職員に対して伝える必要があります。
多くの場合は、資料が配られるでしょうけれども、資料に大切なことを書き加えることは自分の理解のためにも、情報を他の教職員などに伝えるためにも大切なことです。
伝達講習会といって、校外で知った研修内容を校内の教職員に対して伝えるための研修会を定期的に開催している学校もあります。
そのような時間が取れない場合は、研修で配られた資料などを所定のファイルに綴じたり、学校のみんなが共有するパソコン上の決められた場所に掲載したりすることもあります。
「進んで参加する」
研修の中には、自分が出席を決めたものでない研修もあると思います。
しかし、大切なことは、自主的に積極的に研修に参加することです。
公的な研修の場合は、参加費用が必要でも、公費などの補助もあると思います。
無料で新たな知見や教育方法、教育に関する考えなどを知ることができるのは、たいへん貴重な機会だと思います。
研修会に参加し、研修の内容を自分のものにするかどうかは、参加者次第です。
進んで参加し、学んだことをぜひ自分のものにしてほしいと思います。
<私的な研修会>
コロナウイルス感染症が流行する前までは、いろいろな場所で私的な研究会などがたくさん開催されていました。
自分の住んでいない場所で行われる研究会や研修会に参加することのよさは、研修会に参加し、いろいろな教育的な知見等を得ることだけでなく、旅行できるというよさもありました。
折角、旅費も使うわけですから、見聞を広めるという意味でも、観光したり、その地でしか味わえない郷土料理を楽しんだりするのもよいことだと思います。
コロナウィルス感染症の爆発的な拡大によって、感染予防対策として、開催を中止する研究会もたくさんありました。
しかし、中には、ズームなどを使って、オンラインで研修会を開催するところもあるみたいです。
オンラインでは、感染することもありませんし、旅費も必要ありません。
自宅や職場などから参加できるわけですから、非常に手軽です。
私的な研修会や研究会の場合は、会場費や講師への謝礼が必要になりますので、参加費が必要です。ただ、オンライン研修会の場合は、実際に会場に出向いて参加する研究会などに比べると、会場費が必要ないので、参加費が、低く設定されているように思います。
無料の公的な研修会があるのに、わざわざお金を払ってまでと思われる方もいるでしょうが、「身銭を切ること」も大切だと思います。自己投資にお金をかけることは、多くの業界で、自己の価値を高めるためにも、自分の能力を高めるためにも、普通に行われていることです。
その辺りのことについては、次のページも参考にしてください。
プロの技術を身に付けたいのなら身銭を切れに進む (内部リンク)
工夫しながら勉強する教師は必ず伸びるに進む(内部リンク)
🟠自己の成長
<自己成長の行方>
自分の教員としてのキャリアをどのように高めていくのか考えたことはありますか?
初任者教員のままでいる期間はそれほど長いわけではありません。
そのうち、中堅教員、ベテラン教員になっていきます。
ただ、教師として勤めた年数が長いからといって自動的に、子どもや保護者や他の教職員などから期待される中堅教員、ベテラン教員になれるわけではありません。
必要な資質を高め、よりよい経験を重ねていく必要があります。
1つの方法は、様々な研修会などに参加することですが、それだけは不十分かもしれません。
教育書などを読む、先輩に進んで話を聞く、研究授業などを積極的に行うなど様々な方法で、教員としての力量を高めていく必要があります。
教員としての専門性を高めていく中で、教育委員会の指導主事になったり、教頭や校長などの管理職になったりする道もあると思います。
「大学院に進学する」
人によっては、専門性や新たな知見を広めるために、大学院への進学を考える人もいるかもしれません。
教育委員会の中には、現職のまま2年間休職し、大学院に進学する制度などを用意しているところもあります。
現職のまま普通に勤務して、夜間に通える教育学部系の大学院を設置しているところもあります。
放送大学では、放送などを利用して大学院用の講座などを開講しています。
学ぶ④ 放送大学視聴に進む(内部リンク)
このような大学院では、修士号を得て、免許状も専修免許状を取得することができます。
「異校種などへの異動する」
転勤をする際に、違う小学校に転勤するのではなく、特別支援学校や中学校などへ転職する人もいます。
小学校教員のまま、子どもや保護者、地域などの教育環境が少し違う小学校に勤務して、キャリアを重ねていくことで、専門性を高めていくこともできます。
しかし、異校種に異動して教職を続けることで、教職の専門性を高める方法もあります。
専門性を高めていくと、私立小学校や大学の附属小学校などから声がかかることもあります。
そのまま新しい身分になる方もいれば、年数を決めて派遣され、また元の地方自治体の教員に戻る方もいます。
中には、大学院への進学などを通して専門性を高め、大学や大学院の教員に転職する方もいます。学校長になった後で、退職後、大学の教員などにスカウトされる場合もあります。
「日本人学校へ異動する」
世界には、日本人の子どもが通う日本人学校がたくさんあります。
日本人学校は、国内の小学校、中学校、または、高等学校における教育と同等の教育を行うことを目的とする教育施設です。一般に、現地の日本人会などが主体となって設立され、その運営は日本人会などや進出企業の代表者、保護者の代表などからなる学校運営委員会によって行われています。
昭和31年(1956年)にタイのバンコクに設置されて以来、現在、世界50か国・1地域に95校が設置されています。約1万7千人の子どもが学んでいます。
それらの日本人学校に派遣させる教員は、各地方自治体で採用された教員のうち、文部科学省の派遣要請に応じた教員が、学校長や各教育委員会の推薦を得て、書類選考、面接などを通して選ばれます。
海外の日本人学校で勤務しつつ、キャリアアップをする方法もあります。
「その他」
その他、「JICA海外協力隊」に応募したり、年齢が30歳までの場合は、退職して「ワーキングホリデー」に参加するという方法もあります。
ある程度、貯金が貯まれば、そのお金を使って世界一周の旅に出るなどの方法もあるかもしれません。
多くの方は、教員としてキャリアアップを高めようと考えておられると思います。
他職種に就いて、社会貢献をするという考えもあります。
教師の成長段階については、次のページも参考にしてください。
体力と情熱の時代 教師の成長段階に進む(内部リンク)
技術の時代 教師の成長段階に進む(内部リンク)
自己理論の時代 教師の成長段階に進む(内部リンク)
なお、初任者研修の一覧表は次のページにあります。
初任者研修資料一覧に進む(内部リンク)
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