漢字学習について知りたいです。
ここでは、次のことを書きます。
教科書の漢字の配置
指導者がペースを決める
教科書の漢字の配置
今、それぞれの学年で、どのぐらいの漢字を習うか知っていますか?
1年生で80文字、2年生で160文字、3年生で200文字、4年生202文字、5年生193文字、6年生191文字、合計1026文字です。
一番多い4年生で、202文字です。
一番少ない1年生で80文字です。
改訂までの小学校学習指導要領では、一番多い学年でも200文字でした。
4年生の漢字が増えた理由は、それまで社会科の学習では、出てきたのにきちんと教えていなかった日本の都道府県名の読み書きについて、4年生できちんと教えることになったからです。
このことはとても素晴らしい改訂だと思います。
この改訂のなされるまで、社会科の学習で、日本の都道府県の位置を教える時などに、都道府県名の読み方を教えることはあっても、都道府県名の書き方まできちんと教えている教員は少なかったかもしれません。
「新潟」の「潟」などは難しい漢字なので、読むことは求めていても書くことまできちんと教えていなかった教員も多かったのではないかと思います。
光村図書では、上巻で、「カンジーはかせの都道府県の旅」というページを2回設けていて、それぞれ2ページずつで12文字ずつ教える設定になっています。
東京書籍では下巻で、「都道府県の漢字」という1ページで、15文字教える設定になっています。
この他にも、言葉の使い方を教えるページなどでたくさんの漢字を覚える設定になっています。
光村図書では、例えば、「漢字の組み立て」という2ページに6文字、「漢字辞典の使い方」という4ページに9文字、「つなぎ言葉のはたらきを知ろう」という3ページに6文字を配当しています。
東京書籍では、例えば、「漢字辞典の使い方」という4ページに9文字、「文の組み立てと修飾語」という3ページに7文字、「つなぐ言葉の働き」という2ページに7文字配当しています。
このように、教科書の中に200文字前後の漢字を配当することはむずかしいことですので、言葉の使い方を教えるような短いページの中にたくさんの漢字を教える設定になっています。この教科書の配当のまま教えていると、言葉使い方を教えているのか、新出漢字を教えているのかわからないことになります。
教科書に出てくる漢字の配当のペースで、新出漢字(新しく出てきた漢字のこと)を教えることに疑問をもってもいいと思いますが、いかがでしょうか?
個人的な見解では、漢字の学習指導は、読みと書きとを分けて指導することが大切だ思っています。
そのことについては、次のページに書いていますので、併せてお読みください。
漢字学習(1)読みと書きを分けるに進む(内部リンク)
指導者が漢字指導のペースを決める
ここでは、次の提案をします。
それは、教科書に配置される漢字のペースで新出漢字の指導を行うのではなく、指導者が漢字指導のペースを決めるということです。
このことは実践されている方も多いのではないかと思います。
多くの学校では、漢字指導のために、ドリルや練習帳などの副教材を購入していると思います。教材販売の会社が作成している漢字ドリルなどを、児童費(保護者などから徴収し、子どもの教材などを学校で一括で買うための費用)で購入していることが多いと思います。
個人的な見解では、学校の授業日数は、200日前後なので、1日1つの漢字を教えるようにしてもいいのでしょうが、漢字学習には、振り返りや復習の時間も必要になります。1日2文字ずつ新しい漢字を教えるようにするのがよいのではないでしょうか?
私は、基本的には、教科書にあわせて作られている漢字ドリルを使って漢字学習の指導を行なっていました。
漢字ドリルでは、新出漢字を説明しているページと、漢字の読み書きを学ぶことのできるページで構成されています。
基本は、1日2ページずつ学習にしていました。学校で簡単に教えて、漢字ドリルの文字をなぞる部分は学校で見ますが、きちんと覚えるのは宿題にして、ノートに書いてくるようにしていました。
そして、新出漢字がある程度たまると、漢字ドリルにある漢字の読み書きを学ぶことのできるページを使ってミニテストをすることにしていました。
ミニテストをする前には、新出漢字の宿題はやめて、ミニテストの範囲の漢字をきちんと覚えるまで、漢字を書く練習を宿題にしていました。
どのような指導の仕方をしてもいいと思います。
ただ、子どもの実態を把握して、どのようなペースで漢字学習をすることが子どもに負担が少なく、きちんと覚える方法なのかを考えることも大切です。
たくさんの宿題を出しすぎると、子どもは、漢字の書き取りが嫌になってしまうかもしれません。
私は、毎日、漢字ノートや漢字ドリルの点検などはするようにしていました。
褒め、認め、励ましつつも、全ての子どもがきちんと漢字を習得できていたと言い切れるわけではありません。
しかし、日本における素晴らしい漢字文化を子どもたちに経験させるためにも、漢字の指導は、いろいろと工夫されるとよいと思います。
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なお、他の漢字学習や国語辞典の引き方の指導については、次のページをお読みください。
漢字学習(1)読みと書きを分けるに進む(内部リンク)
漢字学習(2)漢字辞典の引き方に進む(内部リンク)
辞書を引く習慣のつけ方に進む(内部リンク)
漢字学習(4)子どもを漢字のミニ先生にするに進む(内部リンク)
漢字学習(5)漢字の正しさに進む(内部リンク)
漢字学習(6)漢字遊びのいろいろに進む(内部リンク)
漢字学習(7)異字同訓の漢字・同じ読みの漢字に進む(内部リンク)
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