詩集を作る 詩の授業④

指導方法
つばさ
つばさ

詩の学習で、詩集を作ることのよさについて知りたいです。

 小学校の教科書には、詩が出てきます。

 詩の学習には、いろいろありますが、今回は、「詩集を作る」ことのよさについて書きます。

詩集を作る

🟠教科書に出てくる詩

 小学校の国語の教科書には、1年生からいろいろな詩ができてきます。

 谷川俊太郎さん、まど・みちおさん、工藤直子さん、金子みすゞさん、阪田寛夫さん、高田敏子さん、三好達治さん、山村暮鳥さん、宮沢賢治さん、日本には、たくさんの美しい詩を書く詩人がたくさんいます。

 1つ1つの詩をとりあげ、詩の内容や表現について、発問し、話し合い、解釈する学習もとても有益だと思います。

 今回は、少し違った形での詩への取り組み方法を紹介します。

 教科書にたくさん紙が載っているといっても、1年間に10編以上の詩に接することは、詩が好きで、背面黒板に定期的に詩を書いたり、朝、子どもを出迎えるときに、詩を書いておいたりする、詩の好きな教員が担任する学級以外では、あまりないと思います。

🟠詩集を作る

 そこで、詩の学習が教科書に出てくる時に、学校の図書館にある詩集を集めます。学校の中だけで、集まらない場合は、公立の図書館などを活用し、詩集を集める方法もあるでしょう。

 最近は、インターネットが使える学校も多いでしょうから、詩人の詩を集めたサイトを訪問するというのも1つです。

 著作権の関係で、勝手に、詩をコピーすることはできませんが、授業で活用する場合は、コピーをしてもよいという例外規定もありますので、うまく活用することも1つです。

 著作権の切れた著作物や、著作者の了解をとった著作物を集めた「青空文庫」を活用するもの1つでしょう。

<詩集の作り方>

🟠詩を読む

 まず、たくさん集めた詩を自由に読む時間を設けます。

 気に入った詩が見つかれば、詩人、詩集の名前、ページ数の3つ程度をノートにメモしておきます。

🟠詩を集める

 気に入った詩は、20編でも30編でもいいことにします。

 その中から、吟味しして、自分のお気に入りの詩を10編程度選びます。学級の実態や子どもの実態に合わせて、必ずしも10編という数にこだわる必要はありません。

🟠詩を視写する

 次に、気に入った詩を視写する時間を設けます。

 できれば、方眼の紙を用意し、方眼の枠から字がはみ出ないように、写すということを確認すると良いと思います。

 詩を写す前には、①連と連の間は1行開けること、②詩は、1ます開けて書き出し、長い場合は、次の行の上から続けること、などの詩の約束事をおさえるようにします。

🟠詩に絵をつける

 早く視写できた子どもは、空いているところに、イラストや絵を描くことをさせてもいいかもしれません。

🟠詩集を交換して、読む

 最後に、出来上がった詩集は、交換して読み合う時間をもつようにします。

 この時間をもつことで、もっとたくさんの詩を読むことができますし、誰がどんな詩が好きなのかを知ることができます。

🟠備考

 高学年で行う場合は、好きな歌手の歌詞をもってきてもよいことにするもの1つだと思います。

 合わせて、詩と歌詞の違いを教えることも大切だと思います。

 多くの歌詞は、定型詩が多いことにも気づく子どもがたくさんいると思います。

 この学習は、高学年の場合、短歌や俳句を集めても、面白いと思います。

 よく、子どもに詩を作る実践を見かけますが、詩を作る前に、たくさんの良い詩に出合う機会を設けるというのも大切だと思います。

<歌集や句集を作る>

 短歌や俳句を学ぶようになれば、既成の詩集を集めて読んだように、多くの歌集や句集を集めて、たくさんの短歌や俳句を読むようにすると良いでしょう。

 そして、たくさんの短歌や俳句の中から、自分の好きな短歌や俳句を選んで、歌集や句集を作るようにするとよいと思います。

 できた歌集や句集は互いに読むようにすると、子どもたちは、よりたくさんの短歌や俳句に接することができます。

 なお、歌人の俵万智さんの言葉については、次のページをお読みください。

生きることがうたうことだから。うたうことが生きることだから。に進む内部リンク

<参考>

 青空文庫のホームページは次の通りです。

青空文庫に進む外部リンク

 金子みすゞさんの詩を集めたホームページは次の通りです。

尾崎眞吾のみすゞギャラリーに進む外部リンク

 詩の授業の他の方法については、次を見てください。

授業の流れ 夕日がせなかをおしてくる 詩の授業①に進む内部リンク

詩の教材研究 詩の授業②に進む内部リンク

詩の発問 みんなを好きに 詩の授業③に進む内部リンク

詩「ふしぎ」一部を変かえ 詩の授業⑤に進む内部リンク

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