安全意識を子どもに育てるにはどうすればいいですか?
日本は、世界でもとても安全な国の一つです。
しかし、完全に安全なわけではありません。
今回は、「子どもの安全に対する意識を高めること」について書きます。
子どもの安全に対する意識を高める
🟠日本の現状
長い間、日本では、戦争もありませんので、空襲に怯えることもありません。
銃を持つことは禁止されていますので、銃撃事件に遭遇することもありません。
多くの人々は優しく、親切です。
しかし、残念なことに、事故や事件、病気などを完全に避けることはできません。
その上、人は必ず死ぬことが約束された生き物です。不老不死を願ってもかないません。
日本は、世界でも稀なくらい安全な国ですが、悲しいことに、時々、子どもが事件や事故などに巻き込まれ、怪我をしたり、亡くなってしまったりすることがあります。
完全になくすことは無理かもしれませんが、事件や事故に巻き込まれる確率を下げるためには、どうすればよいのでしょうか?
1つの解決策は、子どもの安全に対する意識を高めることです。
学校における安全教育
学校では、様々な避難訓練や交通安全指導などの安全教育を行なっています。
🟠避難訓練による安全教育
避難訓練では、火事、台風、地震、洪水、不審者などに対する訓練を行なっています。
地震や火災、不審者を想定して、それぞれに相応しい避難の方法を学び、訓練します。
警察署、消防署、役所、地域の人々、保護者などとも連携し、訓練を行うこともあります。
消火器の使い方を見つけるために、実際に消火器を使って、体験することもあります。
🟠交通安全指導
学校では、交通安全指導も行います。
校庭に、道路を書き、信号機や車などを用意し、実際に歩行訓練をすることもあります。
家から自転車を持ってきて、自転車の正しい乗り方の練習をすることもあります。
警察官から、交通安全に関する講話を聞くこともあります。
このような安全指導をしていても、青で横断歩道を渡っているときに左折や右折の車に巻き込まれることや、居眠り運転、ブレーキとアクセルの踏み間違え、飲酒運転など、子ども自身には何の落ち度もないのに事故に遭うこともあります。
時には、自転車のスピードの出し過ぎや一旦停止無視、歩行中の飛び出しなど子ども自身の行動が原因で事故に遭うこともあります。
時には、子ども自身が自転車のスピードを出しすぎて、通行人に当たってしまい、転んだ人が打ちどころが悪くて亡くなってしまい、加害者になってしまうこともあります。
🟠水の事故に対する安全教育
夏が近づけば、川や海に近づかない指導や、着衣泳を実施することもあります。
ペットポトル1つで、浮き輪の代わりをするということを教える学校もあります。
5年生の理科の学習に「流れる水のはたらき」という学習があります。
川の上流で雨が急激に降ったり、上流のダムの水を放流したりすると、川の下流では、今までの穏やかな水の流れが一変して激流になり、大人でも簡単に流される程の水の流れになることを学習します。
しかし、学習をきちんと身につけていない子どもが大人になり、気軽に河原でキャンプをして、急な雨のために起こった濁流のために、川の中洲に取り残されたり、流されたりする事故が起こることがあります。
毎年、多くの人が、海や川の水の事故で亡くなることもあります。
🟠ネット関連の安全教育
多くの学校で、情報モラル教育を実施しています。
スマートフォンやゲーム機、タブレット端末の正しい使い方を教えることもあります。
ユーザーIDやパスワードの管理の方法について学ぶこともあります。
ネットでいじめに関わらない指導をすることもあります。
しかし、インターネットやSNS、ゲーム、スマートフォンなど、通信環境の急激な発達により、子どもが犯罪に巻き込まれることもあります。
同世代をまねた大人と通信を行うことで、さまざまな被害に巻き込まれたり、友だちからのいじめのメールやラインを受け取ったりすることもあります。時には、子ども自身が、友だちを誹謗中傷するいじめを行う加害者になることもあります。
情報モラル教育をきちんと行っている学校も多いのですが、困った問題もあります。
それは、子どもの時から通信環境が普通にある子どもと、大人になってから初めて通信環境に触れた教員や保護者の間の情報格差です。
多くの知識は、子どもよりも大人の方がたくさんあるのが一般的です。
しかし、ネットなどの通信情報の知識については、教員や保護者の方が知らないことが多いということもあり得ます。
情報モラル教育については、次のページをお読みください。
情報モラル教育 情報教育に進む(内部リンク)
🟠子どもの安全に対する意識を高める
全ての危険な状況から、子どもを大人が守ることは難しいかもしれません。
しかし、子ども自身が、自分で考え、自分で判断し、自分で行動することができるようになると、事故や事件に巻き込まれることは減少するかもしれません。
子どもに、いろいろな機会を通して、世の中には危険な出来事がたくさんあることを伝えることが大切です。
定期的に行う避難訓練や交通安全指導だけでなく、朝の会や終わりの会、関連する授業など、様々な機会を設けて、安全に対する意識を高める教育を実施する必要があると思います。
🟠保護者と連携する
日本では、教育に関する多くのことを学校に任せる傾向があります。
しかし、多くの国では、学校に任せつつも、多くの事柄を家庭がきちんと責任をもって行います。
登下校の送り迎えなどは、保護者が行う国が多いです。
子どもだけで、登下校している国は、安全な日本ならではなのかもしれません。
多くの外国の旅行者が驚くことの1つに、大人に連れられずに、小学生が一人で電車に乗り学校に通っている姿を見かけることです。また、都会では、かなり遅い時間まで塾で学んだ子どもが電車に乗っていることがあります。
塾で学ぶ多くの子どもは、学力的には高い能力を持っている子どもも多いように思います。
しかし、電車の乗り降りなどで、安全に対する意識が高くない子どもをたまに見かけることもあります。
機会を設けて、家庭でも安全に対する子どもの意識が高まる教育を行うことが大切だと思います。
最近、多くの学校や自治体では、防犯ブザーを配付するところも多いです。
しかし、誤作動で、防犯ブザーを鳴らしている子どもは、たくさんいます。
優しい大人の多い日本ですが、そのような時に、近くの大人がかけつける様子を見たことはほとんどありません。
何かあった時に、自分の頭で考え、行動できる子どもは育っていますか?
なお、文部科学省では、学校安全資料として「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」を作成しています。
ぜひ、あわせて、お読みください。
「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」に進む(外部リンク)
⭐️ ⭐️
なお、「安全教育:子どもを守ること」に関係する記事を集めた一覧表は、次のページにあります。
安全教育:子どもを守る 一覧表に進む(内部リンク)
コメント