挙手だけに頼らない指名をする

教育者の名言、格言
しぎた
しぎた

教育者の言葉を紹介します。今日は、野口芳宏氏の言葉です。

 人生を生きていると、時々、「なるほど」と感心する言葉に出合うことがあります。

 今回は、野口芳宏氏の「挙手だけに頼らない指名をする」を紹介します。

挙手だけに頼らない指名をする

🟠野口芳宏氏の本との出合い

 前回紹介した向山洋一氏の本に出合い、教師として、いろいろなことを吸収することができました。

 向山洋一氏は、当時、「教育技術の法則化運動」というのを推進していました。

 そして、多くの教師に自分のもつ教育技術を公開するように求めました。

 今、教育技術の法則化運動は、TOSSという組織に名称を変え、活動を続けています。

TOSSランドのホームページに進む外部リンク

 その呼びかけに応えた教員の一人が、千葉大学附属小学校に勤務されていた野口芳宏氏です。

 野口芳宏氏の書かれた「授業で鍛える」(明治図書・1986年刊)を読みました。

 この本からも、本当に多くの教育技術や指導方法、指導の考え方を教えていただくことができました。

 野口芳宏氏は、国語教育を中心に研究してこられた先生ですので、国語の指導法に関してもたくさんの知見を得ることができました。

 この本の中で出合ったのが、「挙手だけに頼らない指名をする」という言葉です。

 教師をしている時に、普通に行っていた指導法の多くが、向山洋一氏や野口芳宏氏などの先輩教員の本から得たものが本当に多いなと思います。

 この「教育よもやま情報」というブログに書いていることの多くも、先輩教員の知見から得たものが大半です。

 この「挙手だけに頼らない指名をする」という言葉に出合い、授業の方法が大いに変わりました。

🟠挙手に頼らない指名とは?

 一般的に、多くの学級では、先生の発問から授業が始まります。

「(かさこじそうで)かさこをかぶせてもらったじぞう様は、心の中でなんと言ったでしょう。」

「(まいごのかぎで)りいこは、いくつの不思議なことに出合いましたか。」

 このような発問に対して、多くの学級では、子どもは挙手をします。いくつか挙がった手の中から、先生は、その一人を指名します。そして、子どもは、自分の考えをは発表します。

 一人の子どもの発言に対して、違う子どもたちが挙手をします。そのうちの一人を、先生は、指名して、発言が続きます。

 よくある授業の風景です。たくさん挙手があると、活発な学級だなと思われます。

 このような授業に対して、野口芳宏氏は、次のように書きます。

挙手ー指名という方式では子どもの学力は十分に伸ばせない。とりわけ、発表技術は伸ばせない。仮に伸ばせても、それは、挙手して指名された子どもだけである。挙手しない子は、指名されないのだから、発表の機会も与えられない。この方式を疑い、この方式から抜け出さなければ子どものは発表技術は鍛えられていかない。

野口芳宏氏 授業で鍛える 明治図書 1986年より

 なるほどと思いました。自分が受けてきた授業では、「挙手ー指名方式は当たり前の指導方法でした。そして、自分を含めて、教師になるような人は、子どもの時に、それなりに勉強のできた子どもが多いので、進んで挙手し、たくさん指名されてきた子どもが多かったと思いました。この本を読むまで、「挙手ー指名」方式に疑問をもつことはありませんでした。

 この方式に対して、野口芳宏氏は、クラス全員にノートに答えを書かせる時間をもつこと列指名をすることなどを提言しています。

 こちらも、なるほどと思いました。

 一部のよくできる子ども中心の授業から、学級の子ども全員が活躍できる授業に、意識を変えることができたように思います。

 今でも、多くの学級では、「挙手ー指名方式」は、一般的だと思います。

 できれば、この方式に疑問をもち、違う指導方法を試してほしいと思います。

 個人的には、発問し、子どもに自分の考えをノートに書かせた後、机間指導をして、子どもの考えをよく把握した後で、計画的に指名することも大切だと思います。発言が子どもの自主性に任されているのもおかしなことだと思います。

 机間指導発表などについては、次のページもお読みください。

机間指導:教育用語③に進む内部リンク

話す指導で思うこと 話すこと・聞くことの指導(8)に進む内部リンク

 野口芳宏氏は、国語学力を形成する「鍛える国語教室」研究会を主催されています。

 今年令和4年7月には、一般の人も参加できる研究会も予定されています。興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

国語学力を形成する「鍛える国語教室」研究会ホームページに進む外部リンク

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 なお、他の名言関係する言葉については、次のページを読んでください。

プロの技術を身に付けたいのなら身銭を切れに進む内部リンク

工夫しながら勉強する教師は必ず伸びるに進む内部リンク

ほめるネタを一生懸命作らなければいけないに進む内部リンク

子どもはすばらしい先生ですに進む内部リンク

机間指導:教育用語③に進む内部リンク

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