新任教員翼くんの日々(001)はじめまして

新任教員翼くんの日々
つばさ
つばさ

はじめまして、翼です。

はじめまして

 はじめまして。

 ぼくの名前は、トキノ翼です。

 2年前に大学を卒業したばかりの新任教員です。

 ある地方都市の公立小学校の教員をしています。

 昨年と一昨年は、それぞれ違う学校で講師をしていました。

 ぼくたち、教員は、大きく2つに分かれています。一つは、教諭で、もう一つは、講師です。学校ですることは、全く同じなのに、身分に大きな違いがあります。教諭は、毎年夏に行われる教員採用試験に合格した人たちです。講師は、これに落ちた人たちで、教育委員会で講師登録をして、枠があると、採用されます。

 どちらも同じ教員なので、仕事の中身に大きな違いはありません。

 子どもたちにとっても、同じ先生です。保護者の人も、ぼくが講師なのか、教諭なのか知らないと思います。

 前にいた学校で、あるお父さんが、「きょうろん、大変だな」とおっしゃられたのをきいて、何のことを話しているのかな、と思ったことがあります。きっと、「教諭、大変だな」とおっしゃられたのだと思います。「教諭」は、「きょうろん」ではなく、「きょうゆ」と読みます。「教諭」の「諭」の字が、「論文」の「論」の字と似ているから、勘違いをされたのだと思います。

 教員を、外から見ただけでは、その人が教諭なのか、講師なのか全く見分けがつきません。しかし、いくつか違いはあります。

講師と教諭の違い

 1つは、採用期間の長さです。

 教諭は、自分で早期退職を望まなければ、定年の60歳まで雇用が保障されています。

 講師は、採用されたときに、任期が、決まっています。最長でも、約1年間です。それも、半年ごとに採用通知が教育委員会から発行されます。よく知らないのですが、法律の関係で、引き続き採用してしまうと、途中で雇用を切ることができないみたいです。だから、ぼくは、教員になって3年目ですが、5枚の通知を持っています。でも、採用期間は、微妙に繋がっていなくて、間に1日ないし数日の空白があります。

 2つめの違いは、正式に採用試験に合格して、教諭になると、初任者研修を受けるようになることです。

 講師の間は、ほとんど誰にも何も教えてもらいませんでした。年に数回、研究授業というのがあります。授業の進め方を、指導案に書いて、授業を他の先生方に見てもらいます。

 それに手を挙げると、授業を見て、授業の良し悪しについて先輩の先生や管理職の先生から教えてもらうことはできます。

 でも、多くの先生方は、あまり研究授業を進んでやりたがりません。

 昨年いた学校で、「教員になってから、もう○年間も、研究授業を断り続けているよ。」と誇らしげに語る先生がいて、「ああ、この人はあまり成長したいと思わないんだな。」と思ったことがあります。

 話を元に戻します。教諭になると、初任者研修というのがいきなり始まります。初任者研修一覧に進む

 初任者研修について、文部科学省のホームページには次のように書かれています。

 新規採用された教員に対して、採用の日から1年間、実践的指導力と使命感を養うとともに、幅広い知見を得させるため、学級や教科・科目を担当しながら実践的研修(初任者研修)を行うこととされています。

文部科学省ホームページ より

 そして、「校内研修」の時間数として、週10時間以上 年間300時間以上、「校外研修」の日数として、年間25時間以上という説明があります。

 これを聞いたときには、とても驚きました。なぜって、講師の間は、教育委員会で2時間だけ授業の進め方についての講義を受けただけで、後はほとんど教えられることがなかったからです。

 それでも、学級の担任をして、なんとか授業をしてきました。

 どう授業を進めていいかほとんどわからない講師の間は、ほっておいて、正式採用された途端に公的な長い研修が始まります。

 2年間なんとか自分なりにがんばって、授業をほんの少し自分の思い通りにできるようになった今になって、年間300時間の研修が始まるなんて、なんとお役所的な発想だと思いました。

 でも、どんなことを教えてもらうのか、とても楽しみでもあります。

 書店で買った教育書を読む以外は、ほとんど我流でやってきたので、どんなことが教えていただけるのか、乞うご期待と言ったところです。

(続く)

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