今回は、高学年向けの作文指導について書きます。
高学年になると、低・中学年の時よりも、自分の考えを整理したり、自分の考えを表現したりするために書く力を育てることは、もっと大切になります。
今回は、高学年向けの作文指導の仕方について書きます。
高学年向けの作文指導の仕方
高学年の子どもの作文の発達段階は、「変える」でした。
高学年の子どもたちは、それまでの学習経験をいかして、基本的な「はじめ、なか、おわり」の文章を自分なりに少し文章を「変える」ことができます。
🟠文種を工夫して書く
地域で作成している作文集などを見ますと、高学年の子どもの書いた作文には、一定の傾向があります。私が所属していた市町村の研究会では、毎年、全ての学校から1編ずつ文集を集めて、文集を作成し、発行しています。
手元にある2010年発行の文集の中には、5年生の作文が51編、6年生の作文が51編、載っています。
低・中学年の作文では、ほとんどが生活文です。高学年の作文でも、生活文が多いのですが、いろいろな文種が出てきます。手紙文、説明文、意見文、想像作文、感想文、ずい想などです。
小学校学習指導要領や教科書の内容の変化と、指導者の意識の変化により、もっと様々な文種に子どもは挑戦するようになると思います。
指導者がどのような文種の文章を書かせるかによって、子どもの表現力は、伸びていきます。
🟠「書き出し」を工夫して書く
先程あげた文集の中の生活文は、5年生で40編、6年生で41編あります。
その生活文を見てみますと、「書き出し」に様々な工夫をしています。
1番多い工夫が、「会話文」で書き出すことです。5年生で4編、6年生で8編ありました。
2番めに多い工夫が「音」で書き出すことです。5年生で2編、6年生で4編です。
3番めに多い工夫が、「時」から書き出すことです。5年生で2編、6年生で1編ありました。
その他、6年生では、「情景描写」の書き出しが2編、「気持ち」からの書き出しが1編ありました。
多くの学校で、指導者がていねいな指導をしている成果だと思いますが、高学年の作文では、子どもたちが、それまでの学習経験をいかして、「書き出し」を工夫しているのです。
子どもたちは、このように、基本的な「はじめ、なか、おわり」の文型を身につけますと、いろいろと工夫して作文を書くことができるようになります。
🟠インタビュー形式やドキュメンタリー形式で書く
普通の生活文でも「書き出し」を工夫することのできる高学年の子どもたちですから、少し示唆を与えると、いろいろな面白い作文を書くことができると思います。
例えば、インタビュー形式の文章です。
インタビューしてもいいですか?
私は、子ども用のブログ「よみもの」も作っています。
そこに、小学生の子どもが、大人に質問する形式で文章を作っています。例えば、「日本は、なんてよむの?」という文章や仕事に対するインタビュー記事です。
「日本は、なんてよむの?」に進む(姉妹ブログ・よみもの)
イラストレーターに進む(姉妹ブログ・よみもの)
会社員に進む(姉妹ブログ・よみもの)
グリーンクリエーターに進む(姉妹ブログ・よみもの)
弁護士に進む(姉妹ブログ・よみもの)
このような文章を例示すると、子どもは、すぐに真似をして、インタビュー形式の文章を書くことができるようになると思います。
実際に、本当に、誰かにインタビューをして、そのことをまとめるということもできると思います。
また、ドキュメンタリー形式で文章をまとめることもできると思います。
同じ学校に勤めていた先輩の先生は、書き出しは、遠足に行った生活文なのですが、「あるきっかけで、○○時代にタイムスリップをして、歴史上の人物に出会う」という作文を書かせていました。
6年生で行うと、社会科で学習したこともいかせますし、面白い作文になると思います。
指導者のちょっとした働きかけで、子どもたちは、面白い作文を書くようになります。
ぜひ、いろいろ工夫して作文を書かせてみてください。
⭐️ ⭐️
他の作文指導については、次のページをお読みください。
作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む(内部リンク)
作文のすすめ(8)低学年向けに進む(内部リンク)
作文のすすめ(9)中学年向けに進む(内部リンク)
作文のすすめ(11)卒業文集に進む(内部リンク)
作文のすすめ(1)400字作文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(2)400字作文の実際に進む(内部リンク)
作文のすすめ(3)指導前に、自分が書いてみるに進む(内部リンク)
作文のすすめ(4)書きたいことがある状態にするに進む(内部リンク)
作文のすすめ(5)構想表についてに進む(内部リンク)
作文のすすめ(6)自由作文に進む(内部リンク)
コメント