作文のすすめ(11)卒業文集

指導方法
つばさ
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卒業文集を書くヒントが知りたいです。

 6年生は、この時期になると、卒業文集を作ることがあります。

 そこで、今回は、「卒業文集」について書きます。

卒業文集

🟠卒業文集

<卒業文集の特徴>

 卒業文集は、多くの学校で、業者などで頼んで印刷してもらうことが多いのでは、ないでしょうか?

 そのような文集と、普通の作文との大きな違いは、文集では、字数が決めっていることが多いということです。

 1人の子どもに与えられるのは、だいたいページ1枚分です。

 多くの場合、専用の原稿用紙が与えられ、そこにペンなどで書くことになります。

 卒業文集は、一生残るものですから、できたら、子どもの頑張りがよくあらわれるものにしたいものです。

 ただ、子どもによっては、作文が苦手な子どももいますので、ていねいな指導や支援が必要だと思います。

<準備する>

 卒業文集は、基本的に子どもが自由に題材を決めて書いてよいものだと思います。

 小学校生活は、6年間もありましたので、普通は、さっと題材が思いつきそうなものですが、子どもによっては、さっと思い付かない子どももいます。

 そこで、できれば、しっかりと時間をとって、何を書くとよいか、書く題材選びの時間を設定するとよいと思います。

 子どもに自由に考えさせてもいいと思いますが、できれば、子どもが書く題材を思いつくように、いくつかヒントを出すのがいいと思います。

 卒業文集の題材として一番多いのは、思い出を書くことです。

 子どもにとって印象が強いものは、どうしても最近経験した5、6年生の行事が中心になります。そうすると、卒業文集ができあがったときに、どの子どもの作文も修学旅行や運動会などの作文が並ぶことになります。

 こうなると、卒業文集を通して読んでいてもあまり面白くありません。

 そこで、子どもに、「10年後に読んでも面白く読める卒業文集にしよう」と働きかけるとよいかもしれません。

 みんながよく似た修学旅行のことを書いていても、金太郎飴みたいで、どれもよく似た見た目と味しかしないように思います。

 できれば、いろいろな味が楽しめるバラエティセットがいいのではないかと子どもに聞くのも1つかもしれません。

 そこで、子どもに与えるヒントの1つめは、何年生が一番面白かったを聞くことです。

 多くの子どもは、5年生や6年生というかもしれません。でも中には、2年生や3年生と答える子どももいます。

 そこで、じっくりと理由を聞くと、仲のいい友だちのこと、好きだった先生のことなどが話題としてあがるかも知れません。

 もし子どもの思いが強いのであれば、そのことを書くことを勧めてみるのも1つです。

 改めていうことではありませんが、最終的にどの題材を選ぶかは、子どもが決めることです。勧めてみるのはいいのですが、最終的な決定権は子どもにあります。

 その他に、卒業文集の題材として多いものに、将来の夢や目標を書くことがあります。

 有名なサッカー選手やプロ野球選手やオリンピック選手の中には、小学校の時に、将来の夢や目標として、Jリーガーやプロ野球選手、大リーガー、オリンピック選手になることを書いている人もたくさんいます。

 そのような夢や目標を書いたからといって、すべての子どもが、自分の思い通りの職業につけるわけではありませんが、大きな夢や目標をもって努力をするということはとても大切なことです。

<書く内容は、できるだけ絞る>

 書くことに慣れていない子どもの特徴として、話題が次から次へと飛ぶことです。

 読み応えのある作文の1つの特徴は、詳しく書いていることです。

 例えば、修学旅行が楽しかったとしても、修学旅行の出来事を全て書いていると、少しずつしか書けません。でも、食事が美味しかったことについて絞って書くと、メニューの詳細について書くことができるかも知れません。

 そこで、修学旅行について書きたい子どもを集めてみるのです。

 そして、話し合いで、修学旅行の内容について分担して書くことにするのです。ある子どもは、電車の中の出来事、ある子どもは、アトラクションについて、ある子どもは、夜のリクレーションのことというように絞って書くようにします。

 そうすると、後で読み返した時に、修学旅行のことが詳しくわかります。1人1人の思い出は違いますので、その子が実際に、旅先で行った具体的な友だちとの会話なども思い出して書き加えるようにすると、内容がぐっと濃くなります。

 金太郎飴のような修学旅行の思い出と比べると、全く違う仕上がりになると思います。

 よく似た題材の子どもで集まって書くと、書く内容が思い浮かばない時に、自然と友だちと会話をして、書く題材のヒントをもらうことができるかもしれません。

<実際に書く>

 実際に書く時には、題名を工夫すること、書き出しを工夫することだけで全く違う作文になると思います。

 いかに、惹きつける題名や書き出しにするか考えるだけでも、1時間使ってもよいと思います。

 書き出しの工夫については、次のところにも書いています。参考にしてください。

作文のすすめ(10)高学年向けに進む内部リンク

 書くときには、困れば、よく似た題材を書く子どもに読み合って、お互いにヒントをもらい合うというものいいかも知れません。

 そして、協力して、自分1人の卒業文集ではなく、みんなで作った卒業文集にするとよいと思います。

<並べ方も工夫する>

 多くの卒業文集では、なぜか出席番号順に並んでいることが多いと思います。

 今回提案している卒業文集では、書く内容ごとに順番を入れ替えるとよいと思います。

 例えば、次のように書く内容ごとに作文の順番を入れ替えるのも面白いのではないかなと思います。

 思い出の部:低学年・中学年・運動会・学習発表会・修学旅行

 好きな教科・活動の部:体育・算数・○○委員会・○○クラブ

 好きな先生:○○先生の思い出・お茶目な○○先生

 将来の夢や目標:よく似た職業ごとに並べてみる

 学級の枠を越えることは、子どもの作文が抜けたりするとたいへんですので、やめた方がよいとは思います。

 しっかり、作文を書く時間をとって、卒業文集を書くことそのものが楽しい思い出になるように働きかけてほしいと思います。

⭐️ ⭐️

 作文の指導については、次のページもお読みください。

作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む内部リンク

作文のすすめ(8)低学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(9)中学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(10)高学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(1)400字作文に進む内部リンク

作文のすすめ(2)400字作文の実際に進む内部リンク

作文のすすめ(3)指導前に、自分が書いてみるに進む内部リンク

作文のすすめ(4)書きたいことがある状態にするに進む内部リンク

作文のすすめ(5)構想表についてに進む内部リンク

作文のすすめ(6)自由作文に進む内部リンク

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