子どもに身につけてほしいマナーのひとつが記名です。
子どもには、さまざまなことをマナーとして教えたいと思います。
多くのマナーは、家庭で親や保護者が子どもに教えるのが一般的です。
しかし、時には、学校で教えた方がよいこともあります。
今回は、「記名:学校のマナー」について書きます。
記名:マナー教育
🟠記名:マナー教育
<落とし物>
日本は、とても裕福な国だなと思うことがあります。
それは、学校に勤務していると、さまざまな落とし物がある時に感じます。
学校では、さまざまな落とし物があります。
傘、上靴、帽子、鉛筆、消しゴム、さし、プリント、ハンカチ、テイッシュペーパーなどさまざまあります。
落とし物を置いておく箱が、備えつけられている教室もあります。
学校の中には、落とし物を専門に取り扱う教員がいて、懇談会や保護者向けの授業参観などの際に、学校の一角に落とし物の展示をする場合もあります。
しかし、残念なことに、なかなか落とし主が現れないことも多いです。
かわいいイラストのついたハンカチがずっと、落とし物を集めた箱の中に入ったままということも珍しくありません。
では、なぜ、落とし主が現れないのでしょうか。
それは、なくしてもすぐに代わりのものを買ってくださる家庭が多いからだと思います。物をなくしても、多くの子どもはあまり困ることがないからです。
世界の国の中には、学校に通えないで仕事をしている子どもがたくさんいます。
国連の組織の1つである「国際労働機関」が2021年に調べた調査によると、5歳から17歳の子どものうち、学校に行けないで、働いている子どもは、1億6千万人もいます。5歳から17歳までの子どものうち、10人に1人が働いています。
日本でも学校に通いたくでも通えない、不登校の子どもや病気で長期入院している子どももいますが、世界の国のように、経済的な理由で学校に通えないということはあまりないように思います。
<記名の大切さ>
落とし物がすぐに、持ち主の元に戻る場合があります。
それは、なぜでしょうか。
とてもとても簡単な理由です。
物に記名がされている時です。
物に名前が書いてあると、すぐに持ち主の元に帰ります。
学校には、たくさんの子どもがいます。その子どもたちが、同じようなものをもっています。名前が書いていないと、なかなか持ち主の元に戻すことは困難です。
<自分で名前を書かせることを習慣づける>
小学校1年生が入学をする前には、多くの学校で、新入生の保護者に向けて、入学説明会を行うことがあります。
学校の簡単なきまりやルールを伝えたり、入学までに準備しておいてほしいものを伝えたりします。
その際、学校からは、保護者に向けて、持ち物には必ず、記名をするようにお願いします。
算数セットを個人持ちにする学校の場合などでは、その中に入っている小さなおはじきなどの細かいもの1つ1つに名前を書くか、名前の書いたシールを貼るかするようにお願いします。色鉛筆でも1本1本名前を書くようにお願いします。
ですから、1年生の1学期は、まだ保護者の手で、多くの子どもの持ち物に名前が書かれていますので、落とし物をしても、子どもの手元に戻る確率が高いです。
しかし、徐々に学校生活に子どもも保護者も慣れるようになると、全ての持ち物に記名をすることがたいへんになってきます。
1年生の入学の時に、子どものために記名をした保護者の姿はだんだんなくなってきます。
保護者が子どものために、名前を書く必要は、子どもが自分の名前を書けるようになった段階でなくなります。
しかし、できれば、保護者には、家庭で、子どもが自分の持ち物に名前を書く様子をみておいてほしいと思います。
学校でも、担任の教員は、子どもに自分の持ち物にきちんと記名することの大切さを伝え、時には、子どもが記名をする様子を見かけたら褒めてほしいと思います。
子どもによい習慣を身につけさせることはなかなか骨の折れることです。
しかし、よい行動をほめ続けると、少しずつ身につく場合もあります。
落とし物があっても、子どもの元にすぐ戻るような学級を作れている教員は、とても優秀な教員だと思います。
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