学校の中にある危険なことについて知りたいです。
子どもにとって、学校は、安全で安心な場所であってほしいです。
しかし、学校の中には、危険なところもあります。
今回は、「学校に潜む危険」について書きます。
学校に潜む危険
学校には、様々な危険なことやところがあります。今回は、次の項目について書きます。
建物(耐震改修など、高層化)
体育設備や遊具
水
給食
🟠建物
<耐震工事>
2008年9月に中国の四川で大きな地震が起こりました。当時のニュースを読みますと、次のような記載があります。
四川大地震では、約7000の学校の校舎などが崩壊し、数千人の児童・生徒が犠牲になった。ある学校では、1300人以上の子どもたちと教師が死亡・行方不明となった。
AFP BB NEWS より
日本も地震の多い国です。日本では、文部科学省や各自治体が校舎の耐震工事に取り組み、毎年調査結果を報告しています。
2022年現在、まだ耐震工事が終わっていない校舎が存在します。
今みなさんの勤務されている自治体にある学校施設の耐震改修状況については、文部科学省の次のホームページより確認ができます。
公立学校施設の耐震改修状況フォローアップ調査の結果に進む(外部リンク)
ぜひ、自分の勤める自治体の改修状況を把握していただき、適切な対応をしてください。
耐震については、建物以外でも考える必要があります。ロッカーや書庫などの大きな備品が、きちんと壁などに固定されているでしょうか?
転倒防止のためのベルトや固定具、ゴムなどの敷物などがきちんと設置されているかも確認する必要があります。
自分の教室ができていない場合は、予算の関係などで、すぐに対応できないこともありえますが、管理職の先生と早急に相談しましょう。
<高層化>
最近の学校の校舎建築の傾向として、一時期のような児童数の急激な増大が少なくなってきていますので、新しく校舎を建築するよりは、改修工事の方が多いのではないでしょうか。
今のように少子化が問題になることよりも、児童数の増加に校舎建築が間に合わないということが問題になる時期もありました。
しかし、都心部においては、タワーマンションの建築が続き、今まで少子化が問題になり、統廃合を考えていた場所でも、急に児童数が増え、校舎建築が高層化するということも起こっています。
3階まである校舎でも、間違って落下した場合には、たいへん危険です。現在は、5階建ての校舎のある小学校は、決して珍しいとは言えません。
そのような高層化の学校においては、窓の近くに、机や教卓などの移動できる設備を置かないことが、大切です。
教室の大掃除や床の油引きの際に、机や教卓などを移動する際も、廊下の外側の窓の近くに置くのではなく、教室に沿うように置く必要があります。
悲しいことに、時々、掃除中や遊んでいる時などに、誤って校舎の窓から落下して、怪我をしたり、死亡したりする事故が起こります。
学校によっては、窓に安全ストッパーを設置し、子どもの力では、窓が全開できないようにしているところもあります。
鳥や虫のように飛べない人間は、高層に住むように体ができていません。様々な理由で高層階の住居を望んだり、嫌でも高い階の教室で学習する必要があったりすることもあるのですが、高い場所は、危険な場所であるということを、子どもたちにきちんと伝える必要があります。
🟠体育設備や遊具
学校には、子どもの体育学習や遊びのために、鉄棒やうんていなどの体育設備や、すべり台、ジャングルジムなどの遊具が設置されていることがあります。
このような体育設備や遊具は、月に1回ある「安全点検」の際に、体育主任の先生や管理作業員さんや用務員さん、管理職の先生などが定期点検していると思います。
できれば、このような体育設備や遊具は、複数の目で点検することが大切です。
若い先生の中には、休み時間の時などに、子どもに誘われて遊具などで一緒に遊ぶことがあるかもしれません。そのような時には、体育設備や遊具などの裏側を見て、ねじが取れかかっていないか、破損はないか、金属の腐食はないかなど、確かめることも必要です。
子どもが怪我をしてからでは、反省しても遅いです。普段のちょっとしたチェックで怪我を未然に防ぐことができます。
子どもと鉄棒をするときに見てほしいのが、子どもの鉄棒の持ち方です。
きちんと指導されていない子どもの中には、鉄棒を親指と他の4本の指で挟むようにして持つのではなく、親指を含む5本指で鉄棒を持つ子どもがいます。挟むようにして鉄棒を持つと、外れることはないのですが、5本指で鉄棒を持つと、すぐに指が鉄棒から外れてしまい、落下してしまうので、きちんと教えましょう。
🟠水
<飲み水>
暑い季節になりますと、熱中症や脱水症状が心配です。
熱中症や脱水症状にならないようにするためには、小まめな水分補給が大切です。
大人と違って、子どもの場合は、喉が乾いたと感じる時には、既に脱水状態になっていることもあります。
子どもたちには、喉が渇く前に、小まめに水分補給をするように伝えることが大切です。
ある学校で、保健的な観点から、子どもがいつでも水が飲めるようにと、授業中でも、水筒を机の上に置いてもいいことにしている学級を見たことがあります。しかし、わたし個人の考えでは、この方法には、反対です。
学習中は、教科書、ノート、筆記用具などたくさんのものが必要です。きちんと、整理しつつ、学習に取り組まないと、学習に支障をきたします。
先程も書きましたように、子どもが喉が乾いたと感じる前に水分補給をする必要があります。休み時間にきちんと水分補給をしていると大丈夫です。
<水道の水>
多くの子どもは、水筒を用意し、お茶や麦茶を持ってきています。しかし、中には忘れることや、暑くて保ってきた水が足りなくなることがあります。
そのような場合は、学校の水を飲むことになります。
注意したいのは、水道の水は、必ずしも全て安全ではないということです。
新築や校舎の改築などで、学校にある水道の水が、全て直管の水道につながっている学校は、大丈夫です。
しかし、学校の中には、屋上に水槽タンクが設置してあり、そこから水道水を引いている学校もあると思います。そのような学校の水道水は、長期間の休みの後など、タンク内に長い間水が置かれたことにより、塩素濃度が下がってしまい、飲み水に適さないこともあります。
給食を学校内で調理している学校では、給食室の近くの水道は、直管の水道につながっていることが多いので、大丈夫なことが多いです。
学校では、学校薬剤師さんが定期的に水道水のチェックをしています。
学級の近くにある水道の水が飲み水に適しているのかどうか、一度管理職の先生に尋ねてみて、どの水道の水が、飲み水にふさわしいのか確かめ、子どもに伝えるようにしましょう。
<給食>
給食に関しては、食物アレルギーへの対応が一番大切です。
食物アレルギーについては、別のページにまとめていますので、併せてご覧ください。
保健安全指導:給食における「食物アレルギー対応」に進む(内部リンク)
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なお、「安全教育:子どもを守ること」に関係する記事を集めた一覧表は次のページにあります。
安全教育:子どもを守る 一覧表に進む(内部リンク)
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