子どもの読書の様子から何かわかるのですか?
子どもの国語の学力を把握する方法の5回目です。
今回の把握の仕方は、次の通りです。
図書室で「自由読書」の時間をもち、読書する力を確かめる。
今回の実態把握は行動観察です。
図書室に連れて行き、「好きな本を自由に読んでいいですよ。」と告げるだけです。
学年によっては、もう少し制限を増やす必要があるかもしれません。
「一人で読むこと」「黙って読むこと」などです。
低学年の場合は、そのような制限もしない方が、子どもの実態がよく分かると思います。
1つめに、行動観察してほしいことは、一冊目の本を決めて席に座るのにかかる時間です。
なかなか本を選べない子どもがいます。本を読む習慣が定着していないことがわかります。
本を読む楽しさをまだ知らない子どもと言いかえることができるかもしれません。
うろうろしているだけの子どももいます。
そんな場合は、何か探しているのか聞いてあげてもいいかもしれません。
「これを読みましょう。」と2、3冊本を与えると、よいかもしれません。
2つめに、観察してほしいことは、どのような種類の本を読んでいるかです。
低学年で、絵本ならば問題はありません。
少し厚めの物語の本を読んでいる子どもは、読書が定着している子どもだと考えてもいいと思います。
絵本でも「ウォーリーをさがせ」のように絵だけの本を読んでいる子どもは少し注意しておく必要があります。
機会をとらえて、文章もある絵本を勧める必要があります。
図鑑ばかり見ている子どもも注意が必要です。
昆虫や電車の横に書いてある文字も読んでいる場合はいいのですが、絵や写真しか見ていない場合は、読み聞かせをするなどして、本を見るのではなく、読む習慣をすこしずつつけるようにする必要があります。
中・高学年でも、図鑑や漫画ばかり読んでいる場合は、絵本からでよいので、物語を読む習慣をつける手立てを講じて必要があるように思います。
3つめに、観察してほしいのは、一冊の本を最後まで読み終えることができるかどうかです。
本を借りて席についたと思ったら、すぐに立ち上がって、本をかえる子どもがいます。
面白くなくても、最後まで読み終える習慣をつけさせたいものです。
時々、先生方の中で、読書の時間は、漢字やテストの採点の時間や、休んだ子どものテストの時間というように決めている方を見かけます。
時折そのようなことに、時間を割いてもいいのですが、学年の最初は、ぜひ、子どもの読書の実態を把握することに使ってほしいと思います。
どのようにして読書の力を高めるのか
読書の時間は、基本的には自由読書でいいと思います。
しかし、子どもたちに多様な本を読む習慣を、身につけてほしいと思います。
そのためには、「今日は、物語の本を読みましょう」、「今日は、動物について書いた本を読みましょう」、「今日は、あまんきみこさんの本を読みましょう」と、指導者が、テーマを決めて読書させる日があってもよいと思います。
毎日、時間を決めて、絵本や本の読み聞かせを続けている学級や学校もあると思います。
学級や学校によっては、読書の習慣をつけるために、冊数やページ数を記録する取り組みをしているところもあると思います。
「朝の読書」に取り組んでいる学級や学校もあると思います。
低学年が好んで読む本には、絵本など短時間で読む本が多く、高学年が読む本には、ハリーポッターシリーズのように長編が多いので、一概に冊数だけで比較するのは、よくないかもしれませんが、その学年で読むのにふさわしい本を何冊ぐらい読むことができるのかは、知っておくとよいでしょうし、冊数が少ない子どもには、めあてを決めさせて、読むようにはたらきかけることも大切だと思います。
国語を中心とした学力は、年間に読む本の冊数や読書時間と相関関係があります。たくさん本を読む子どもの方が、学力が高いのは明らかなことです。いろいろな手立てを工夫して、子どもを本好きに育ててほしいと思います。
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なお、家庭で、保護者と一緒に、子どもを本好きにさせる方法について紹介しています。興味のある方は、お読みください。
子どもを本好きにさせる方法に進む(内部リンク)
さらに、読む力を育てる方法について知りたい方は、次のページもお読みください。
読む力を育てる① 多文種の短い文章をたくさん読むに進む(内部リンク)
読む力を育てる② 教科書の作品の姉妹作品を読むに進む(内部リンク)
他の実態把握の方法については、次をお読みください。
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