4年生算数の学習内容 算数の指導(6)

算数の学習
つばさ
つばさ

4年生算数の学習内容について知りたいです。

   小学校の各教科で何を教えるのか、その全体像を知っておくことはとても大切です。

 今回は、「4年生算数の学習内容」について書きます。

4年生算数の学習内容

🟠4年生算数の学習内容

<4年生算数の目標>

 現行の小学校学習指導要領では、4年生の「算数」の目標が次のように書かれています。

(1)小数及び分数の意味と表し方四則の関係平面図形と立体図形面積角の大きさ折れ線グラフなどについて理解するとともに,整数,小数及び分数の計算をしたり,図形を構成したり,図形の面積や角の大きさを求めたり,表やグラフに表したりすることなどについての技能を身に付けるように する。

(2)数とその表現や数量の関係に着目し,目的に合った表現方法を用いて計算の仕方などを考察する力,図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,図形の性質や図形の計量について考察する力,伴って変わる二つの数量やそれらの関係に着目し,変化や対応の特徴を見いだして,二つの数量の関 係を表や式を用いて考察する力,目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して表やグラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,解決の過程や結果を多面的に捉え考察したりする力などを養う。

(3)数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

小学校学習指導要領 算数

<4年生算数の学習内容>

 現行の小学校学習指導要領では、算数の学習の内容は、大きく5つの領域に分かれています。

 1年生から6年生まで、「A数と計算」「B図形」「Dデータの活用」の3つの領域では、全学年共通です。Cの領域は、1年生から3年生は、「C測定」、4年生から6年生は、「C変化と関係」に分かれています。

 算数の学習は、2年生から6年生では175時間学ぶことになっています。

 小学校学習指導要領によると、4年生の学習の内容は、概ね次の通りです。

「A領域:数と計算」

 A(1):整数の表し方

 A(2):概数と四捨五入

 A(3):整数の除法

 A(4):小数の仕組みとその計算

 A(5):同分母の分数の加法,減法

 A(6):数量の関係を表す式

 A(7):四則に関して成り立つ性質

 A(8):そろばん

「B領域:図形」

 B(1):平行四辺形,ひし形,台形などの平面図形

 B(2):立方体,直方体などの立体図形

 B(3):ものの位置の表し方

 B(4):平面図形の面積

 B(5):角の大きさ

「C領域:変化と関係」

 C(1):伴って変わる二つの数量 

 C(2):簡単な場合についての割合

「D領域:データの活用」

 D(1):データの分類整理

「数学的活動」

 では、それぞれの学習内容について、「小学校学習指導要領」でもう少し詳しく見ていきます。

<A領域「数と計算」の内容>

(1)整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

(ア)億,兆の単位について知り,十進位取り記数法についての理解を深めること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

(ア)数のまとまりに着目し,大きな数の大きさの比べ方や表し方を統合的に捉えるとともに,それらを日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

「大きい数のしくみ」

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

(2)概数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)概数が用いられる場合について知ること。

 (イ)四捨五入について知ること。

 (ウ)目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)日常の事象における場面に着目し,目的に合った数の処理の仕方を考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「和 差 積 商 以上 以下 未満」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「がい数の使い方と表し方」

(3)整数の除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合の計算が,基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

 (イ)除法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

 (ウ)除法について,次の関係を理解すること。 (被除数)=(除数)×(商)+(余り)

 (エ)除法に関して成り立つ性質について理解すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり計算に関して成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり計算の確かめをしたりすること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「わり算の筆算」

(4)小数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)ある量の何倍かを表すのに小数を用いることを知ること。

 (イ)小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知るとともに,数の相対的な大きさについての理解を深めること。

 (ウ)小数の加法及び減法の計算ができること。

 (エ)乗数や除数が整数である場合の小数の乗法及び除法の計算ができること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,計算の仕方を考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「小数のしくみ」「小数のかけ算とわり算」

(5)分数とその加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)簡単な場合について,大きさの等しい分数があることを知ること。

 (イ)同分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数を構成する単位に着目し,大きさの等しい分数を探したり,計算の仕方を考えたりするとともに,それを日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「真分数 仮分数 帯分数」を扱えるようにします。 

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「分数」

(6)数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付ける ことができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)四則の混合した式や( )を用いた式について理解し,正しく計算すること。

 (イ)公式についての考え方を理解し,公式を用いること。

 (ウ)数量を□,△などを用いて表し,その関係を式に表したり,□,△などに数を当てはめて調べたりすること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔に,また一般的に表現したり,式の意味を読み取ったりすること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「計算のきまり」「変わり方調べ」「面積のはかり方と表し方」

(7)計算に関して成り立つ性質に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)四則に関して成り立つ性質についての理解を深めること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質を用いて計算の仕方を考えること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「計算のきまり」

(8)そろばんを用いた数の表し方と計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)加法及び減法の計算をすること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)そろばんの仕組みに着目し,大きな数や小数の計算の仕方を考えること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「そろばん」

<B領域「図形」の内容>

(1)平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)直線の平行や垂直の関係について理解すること。

 (イ)平行四辺形,ひし形,台形について知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,構成の仕方を考察し図形の性質を見いだすとともに,その性質を基に既習の図形を捉え直すこと。

小学校学習指導要領 算数

なお、〔用語・記号〕 として、「平行  垂直 対角線」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「垂直、平行と四角形」

(2)立体図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)立方体,直方体について知ること。

 (イ)直方体に関連して,直線や平面の平行や垂直の関係について理解すること。

 (ウ)見取図,展開図について知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,立体図形の平面上での表現や構成の仕方を考察し図形の性質を見いだすとともに,日常の事象を図形の性質から捉え直すこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「平面」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「直方体と立方体」

(3)ものの位置に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)ものの位置の表し方について理解すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)平面や空間における位置を決める要素に着目し,その位置を数を用いて表現する方法を考察すること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「直方体と立方体」

(4)平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)面積の単位(平方センチメートル(cm²),平方メートル(m²),平方キロメートル(km²)について知ること。

 (イ)正方形及び長方形の面積の計算による求め方について理解すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)面積の単位や図形を構成する要素に着目し,図形の面積の求め方を考えるとともに,面積の単位とこれまでに学習した単位との関係を考察すること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「面積のはかり方と表し方」

(5)角の大きさに関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)角の大きさを回転の大きさとして捉えること。

 (イ)角の大きさの単位(度(°)について知り,角の大きさを測定すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)図形の角の大きさに着目し,角の大きさを柔軟に表現したり,図形の考察に生かしたりすること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「角の大きさ」

<C領域「変化と関係」の内容>

(1)伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)変化の様子を表や式,折れ線グラフを用いて表したり,変化の特徴を読み取ったりすること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着目し,表や式を用いて変化や対応の特徴を考察すること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「変わり方調べ」

(2)二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)簡単な場合について,ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係とを比べる場合に割合を用いる場合があることを知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用いて,ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方を考察すること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「倍の見方」

<D領域「データの活用」の内容>

(1)データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)データを二つの観点から分類整理する方法を知ること。

 (イ)折れ線グラフの特徴とその用い方を理解すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や傾向に着目し,問題を解決するために適切なグラフを選択して判断し,その結論について考察すること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「折れ線グラフと表」

<数学的活動>

(1)内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」に示す学習については,次のような数学的活動に取り組むものとする。

ア 日常の事象から算数の問題を見いだして解決し,結果を確かめたり,日常生活等に生かしたりする活動

イ 算数の学習場面から算数の問題を見いだして解決し,結果を確かめたり,発展的に考察したりする活動

ウ 問題解決の過程や結果を,図や式などを用いて数学的に表現し伝え合う活動

小学校学習指導要領 算数

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社会科の学習の内容 社会科の指導(2)に進む内部リンク

 算数の学習の具体例については、次のページをお読みください。

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