手塚治虫 教材分析008

教材分析
つばさ
つばさ

手塚治虫」という伝記の教材分析について知りたいです。

 よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

 しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

 そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

 今回は、「手塚治虫」という伝記教材です。

手塚治虫:教材分析

🟠手塚治虫:教材分析

 この教材は、東京書籍の5年に掲載されています。

<作者>

 国松俊英(くにまつ・としひで)

 出典:この教科書のための書き下ろしです。

  ただし、国松さんは、「手塚治虫」(ポプラ社・1998年)という本を出しています。

 国松俊英さんについて

 1940年、滋賀県生まれです。児童文学作家です。同志社大学を卒業しています。1996年に発表した「宮沢賢治鳥の世界」では、賢治の童話や詩に登場する鳥類を解析し、これまで誰も書かなかった賢治文学の魅力を明らかにしました。

<題名>

 題名は「手塚治虫」です。

<手塚治虫さんの業績>

 手塚治虫さんは、たくさんの漫画やアニメを描いたことで知られています。

 日本を代表する漫画家の一人です。

 生涯にかいた漫画の原稿は、15万枚です。漫画作品は700編、アニメーションも約60編作リマした。

<年表>

 1928年 0歳 11月3日、大阪府豊中市で生まれる。

 1931年頃 3、4歳 絵を描く楽しみを覚える。

 1934年 6歳  小学校に入学し、絵が大好きになる。

 1935年頃   いじられっ子だったが、漫画を描くことで、いじめられなくなった。

 1936年頃   クラス担任が乾秀雄先生になり、たくさんの作文を書くようになった。

 同じ頃     星や宇宙、昆虫採集が好きになる。

 1937年頃   ピンピン生チャンという漫画をかき、友達の間で人気になる。

         乾先生に見つかるが、ほめてもらい、自信と勇気をもらった。

 1941年 12歳 中学校に入学する。太平洋戦争が始まる。

 1943年 14歳 中学校の授業がなくなり、中学生も工場で働くようになる。

         漫画を読んでもらうために、トイレのかべに漫画をはることを始める。

 1945年 16歳 空しゅうがはげしくなり、焼夷弾が当たりそうになる。

         爆撃があり、工場と宿舎が焼け、電車が止まり家まで歩いて帰る。

         その時、燃える家や死んだ人をたくさん見た。

         戦争のおそろしさと平和の大切さ、命のとうとさを知る。

         戦争が終わり、大学の附属医学専門部に入学する。

 1946年 17歳 4コマまんが「マアちゃんの日記帳」の連載を始めた。

 1947年 18歳 「新宝島」が大ヒットする。

         治虫は漫画に映画手法のクローズアップやロングショットを取り入れた。

         医学の勉強と漫画の仕事と両立がむずかしくなり母に相談する。

         母はどちらが好きか聞き、漫画と答えると漫画家になることを勧めた。

 1950年 23歳 雑誌で「ジャングル大帝」の連載を始める。

 1952年 24歳 「鉄腕アトム」の連載を始める。

 1953年 25歳 少女雑誌で「リボンの騎士」の連載を始める。

 1961年 33歳 アニメーションのスタジオを作る。

 1962年 34歳 テレビアニメ「鉄腕アトム」の製作を始める。

         熱心に長編漫画やアニメーションの仕事を続ける。

 1977年 49歳 全部で300巻になる「手塚治虫漫画全集」の刊行が始まる。

 1980年 52歳 国連本部や大学で、漫画文化の講演をする。

 1987年 59歳 病気になったが、漫画作りを続けた。

 1989年 60歳 2月9日、なくなる。

<できごと>

○ 小学生の頃

・最初はいじめられっ子だったが、漫画を描いていじめられなくなる。

・作文を書くのも得意だった。

・漫画を描いて先生にほめられ、自信と勇気を得た。

○ 中学校の頃

・戦争がはげしくなり、勉強もなくなり、工場で働くことになる。

・工場のトイレに漫画をはり、みんなに見てもらう。

・戦争で死にそうになり、死人やけが人、焼けた家などをたくさん見る。

・戦争のおそろしさと平和の大切さ、命のとうとさを知る。

○ 医学専門部の頃

・医学の勉強と漫画の連載を続ける。

○ 漫画家の頃

・漫画に映画の手法のクルーズアップやロングショットを取り入れる。

・いそがしくなり、母に相談して、医学の道をやめ、漫画家になることを決める。

・「ジャングル大帝」「鉄腕アトム」「リボンの騎士」などの連載を始める。

・アニメーションを作る夢をもつようになる。

・ディスニーのアニメを何十回も見る。

・アニメーションスタジオを作り、テレビアニメ「鉄腕アトム」を作る。

・寝る時間をけずって、長編漫画やアニメーションをたくさん作る。

・国連や大学、アジアやヨーロッパの映画祭などで、漫画文化の講演を行う。

・病気におかされても、最後まで「えん筆」をくれと漫画を描こうとした。

<表現の工夫>

○小見出し

・この文章では、読みやすくするために「まんがなら、だれにも負けない」「戦争の中で」「まんが家、手塚治虫の誕生」「治虫のまんがは生き続ける」という小見出しをつけて読みやすくしています。

○ 数字数量化

・漫画の枚数、出来事のあった年、映画を見た回数など、具体的な数字などの根拠を挙げて説明することで、述べようとすることの確かさが強まっています。

説明文の教材研究(9)比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

会話

・先生との会話、母との会話、死ぬ前の会話などを取り入れることで、治虫さんの人物像を生き生きと説明しています。

物語文の教材研究の仕方(5)会話・行動に進む内部リンク

<まとめにかえて>

 この教材分析は、伝記という特性を踏まえ、業績、年表、出来事、表現の工夫という視点に基づいて行ったものです。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。

⭐️ ⭐️

 関係する言葉についてもお読みください。

漫画のよさ 伝記の漫画家たちに進む内部リンク

伝記のよさ 伝記の指導方法①に進む内部リンク

伝記から学ぶこと 伝記の指導方法②に進む内部リンク

初雪のふる日 教材分析①に進む内部リンク

世界一美しいぼくの村 教材分析②に進む内部リンク

世界でいちばんやかましい音 教材分析③に進む内部リンク

数え方を生みだそう 教材分析⑤に進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(1)基本的な考えに進む内部リンク

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に進む内部リンク

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました