物語文の1時間めの指導の仕方を知りたいです。
物語文の指導の仕方について書いています。
ここでは、次のことを書きます。
物語文の1時間めの指導の仕方
物語文の1時間めの指導の仕方
🟠1時間めの指導内容と学習目標
光村図書の3年生の教材「三年とうげ」の指導計画をもとに、1時間ごとの学習計画を考えていきます。1時間目は、次のような計画でした。
○ 全体を範読した後、導入の場面の設定を確認し、物語を読んだ感想を話し合う。
この時間の学習目標は、「全体を読んで、物語の設定がわかり、簡単な感想を話し合うことができるようにする」ことです。
🟠学習活動と指導の留意点
1.題名から内容を予想し、指導者の範読を聞きます。
「三年とうげ」という題名から、どんなお話か予想します。
内容が理解できるように、範読は、子どもたちがしっかり理解できるように、比較的ゆっくりとするようにします。
2.登場人物の確認をします。
登場人物は、「おじいさん、おばあさん、お医者、水車屋のトルトリ、みんな、どこかから聞こえた声のもちぬし」です。
登場人物を確認する時は、子どもたちに、一度ノートに書かせてから確認をするようにします。
わかりにくい子どもには、イラストを見るように伝えます。
3.場面の設定を確認します。
1場面
・いつ・・・(むかし)春、秋
・どこ・・・三年とうげ
・だれ・・・みんな
2場面
・いつ・・・ある秋の日
・どこ・・・三年とうげ→おじいさんの家
・だれ・・・おじいさん、おばあさん
3場面
・いつ・・・その日から後(しばらくの間)
・どこ・・・おじいさんの家
・だれ・・・おじいさん、お医者、おばあさん、村の人たち
4場面
・いつ・・・ある日
・どこ・・・おじいさんの家
・だれ・・・おじいさん、トルトリ
5場面
・いつ・・・同じ日
・どこ・・・おじいさんの家→三年とうげ
・だれ・・・おじいさん
このお話は、昔話であることをおさえます。
場面がどう変わっているか、人物の変化だけでなく、時間や場所の変化にも注目させるようにします。
1場面では「三年とうげの言いつたえ」が紹介されていることをおさえます。
そして、2場面からおじいさんがとうげで転んでしまうできごとがはじまることをおさえます。
①三年とうげの言いつたえの紹介→②おじいさんが三年とうげで転んでしまう→③おじいさんは病気になってしまう→④水車屋のトルトリがみまいに来て、助言する→⑤わざと何回も転び長生きするようになる、という5場面であることを確認して、子どもたちに、教科書のページと行に、印をつけるようにします。
4.音読練習をします。
今回の学習では、全員が一人ずつ音読できるように、数行ずつで交代して読むようにします。
5.読んだ感想を話し合います。
面白かった部分を中心に、となり同士で話し合った後、全体で話し合うようにします。
🟠略案について
指導者によっては、日々の授業に関する指導案の立て方は、様々でしょうが、1時間の学習活動と指導上の留意点を上記のように、メモするようにするのも一つの方法だと思います。
授業の案がなくても授業はできますが、計画しておく方がうまく進むでしょうし、計画しておかないと、自分の考えた通りに授業を進めることなんて、いつまでたってもできないと思います。
教科書会社の作成している指導書は、指導内容が多すぎるように思います。
🟠国語の学習と4つの言語活動について
国語の学習では、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの言語活動と「考える」という活動がバランスよくできるように考えておく必要があります。
この時間、それぞれ次のような活動をすることになります。
「聞く」・・・指導者の範読や友だちの音読を聞く。友だちの話す、物語への感想を聞く。
「話す」・・・面白かった部分についてとなり同士で、また、学級全体で話す。
「読む」・・・数行ずつ声に出して読む。
「書く」・・・登場人物を書き出す。黒板を写す。場面分けの印を教科書につける。
「考える」・・登場人物、場所、時間を考える。この物語の面白さを考える。
それぞれの活動をさせながら、個々の子どもの実態を把握することも大切だと思います。
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