子どもを集中させる方法について知りたいです。
教員として子どもに対応する場合、いくつかの心得を持っていた方がよいことがあります。
そこで、今回は、心得のひとつとして「集中のさせ方」について書きます。
集中のさせ方 教師の心得⑨
🟠集中のさせ方 教師の心得⑨
<若い教員の悩み>
若い教員の大きな悩みのひとつは、子どもがなかなか授業に集中しないことです。
隣の学級では、静かに授業が進んでいるようなのに、自分の学級では、なかなか子どもが静かにならないこともありますし、なんとなく学級の雰囲気が落ち着きません。
説明をしたり、指示をしたりしても、子どもがきちんと聞いていないような気もします。
教室が静かにならないので、つい大きな声を出すこともあります。
他の先生が参観などをしているときはそうでもないのですが、参観の先生がいない時は教室の雰囲気もなんとなくぴりっとしません。
子どもを叱る機会も増えてきたように思います。
子どもは可愛いのに、きちんと話を聞いていないようで、疲れてしまいます。
<子どもを惹きつける工夫>
子どもを惹きつけ、集中させる方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、私が若い頃にしていた子どもを集中させる方法やネットで紹介されている方法などを紹介します。
「方法①:合図を決める」
ある学校の先輩の教員は、子どもと合図を決めていました。
「いち、にの、ぴた」という合図です。
先生が「いち、にの」というと、子どもが「ぴた」と言いながら教師の方を向くという合図を決めていました。この合図は、学年でも共通の合図にしていましたので、学年全体で集まる時などにも使うことができました。
同じようなことがネットでも紹介されていました。その動画では、教員が手を、パン、パン、パンと3回叩くという方法でした。この教員が手を3回叩くときに、子どもには「き・い・て」と返答させるようにしているそうです。すると、子どもは、自然と教員の方を向くようになるそうです。
この詳しい内容については、次のページの動画を見てください。
低学年の子供たちを一瞬で静かにさせる技に進む(外部リンク)
「方法②:集中させる言葉を言う」
子どもの視線を集める言葉に
「おへそを先生の方に向けなさい。」という言葉があります。
これは、TOSSという教師の研究団体の創設をした向山洋一氏が、「授業の腕をあげる法則」(明治図書・1985年)という本の中で紹介している言葉です。
子どもを集中させるためには、短く、分かりすく、的確な指示の言葉が必要です。
この「おへそを先生の方に向けなさい。」は指示がとても具体的です。
大切な説明をする前や集中させたい時に、一言「おへそを先生の方に向けなさい。」というだけで、子どもの視線が集まります。
詳しくは、このブログの「集団指導の技術 小学校初任者研修035」に書いていますので、そのページもお読みください。
集団指導の技術 小学校初任者研修035に進む(内部リンク)
「方法③:手遊びなどを使う」
子どもがなかなか静かにならない時には、こちらを向いている子どもとじゃんけんを始めると言う方法をとっていました。子どもはじゃんけんが好きですので、一緒にする子どもがだんだん増えてきます。大体、子どもがこちらを向いた時には、実際に5回程じゃんけんをします。
ルールは簡単です。「勝てば、立つ。負ければ、座る。引き分けは、立ったまま、座ったままです。」これをさっとします。最後まで勝った子どもには「立っている人は優勝です」と言ってみんなで拍手でもします。
子どもは少し遊んだことで気分が変わり、比較的容易に学習に取り組むことができます。
同じことばかりでは、飽きますので、次のような簡単な手遊びも取り入れます。
「同じものを出しましょう。」と言って、「ぐう、ちょき、ぱあ」を適当に変えていきます。初めはゆっくり、だんだん速くします。
これにも慣れたら、「先生に勝ってみましょう」と言ったり、「先生に負けてみましょう」と言ったりして手遊びを楽しみます。
子どもは、学級経営がうまくいっていると、学習に集中し、楽しく学習するものです。
しかし、若い教員には、子どもをうまくコントロールできるような力量がありません。そんな時、ほんの少し手遊びなどを取り入れるだけで、子どもの集中力が回復することがあります。
「方法④:オルゴールを使う」
これは、ネットに載っていて面白いなと思った方法です。
ある先生は、BGMとしてオルゴールの音を流し、「このきれいな音がずっと聞こえるように」とだけ言ったそうです。すると、子どもは静かに作業に集中することができたそうです。
この方法の詳しい内容については、次の動画を見てください。
子どもたちが静かになる&集中力UP!クラスの雰囲気づくり2選に進む(外部リンク)
この動画には、「静かを作る実践」も載っています。あわせて見てみてください。
<まとめにかえて>
子どもを集中させる一番の方法は、子どもが楽しいと思える授業をすることです。
しかし、若手の教員にとってなかなかすぐに子どもが楽しいと思えるような授業を毎時間するのはむずかしいことでもあります。
ただ、全ての授業の準備がきちんとできなくても、少しずつどうすれば、子どもが楽しいと思える授業になるのかな、と模索し、努力を続けることはとても大切だと思います。
最初から授業の上手な教員なんてほとんどいません。
でも、少しずつどのような授業をすればいいのかなと工夫することはとても大切だと思います。
若手の教員の強みのひとつは、ベテランの教員に比べて、比較的子どもの頃からパソコンなどのICT機器の扱いに慣れているということがあります。
うまくICT機器を使うというのもよい方法かもしれません。
⭐️ ⭐️
併せて、教員の心得に関するページもお読みください。
けんかした子どもへの対応 教員の心得①に進む(内部リンク)
1年間の見通し 教員の心得②に進む(内部リンク)
年度当初にすること 教員の心得③に進む(内部リンク)
実態を把握する 教員の心得④に進む(内部リンク)
毅然とした態度 教員の心得⑤に進む(内部リンク)
時間を守る:教員の心得⑥に進む(内部リンク)
話し方の工夫:教員の心得⑦に進む(内部リンク)
授業の導入の工夫:教員の心得⑧に進む(内部リンク)
ICT機器の扱いなどについては、次のページをお読みください。
Padletの活用(電子掲示板)に進む(内部リンク)
Canvaの活用(デザイン作成)に進む(内部リンク)
Kahoot!の活用(教育用クイズ)に進む(内部リンク)
ChatGPTの活用(文章作成)情報教育に進む(内部リンク)
Bingの活用(検索エンジン)情報教育に進む(内部リンク)
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