4こま漫画を使って作文が書けるんですか?
作文の題材として簡単なものに「4こま漫画」があります。
今回は、「4こま漫画」について書きます。
4こま漫画
🟠4こま漫画
<子どもが作文が苦手な理由>
子どもの中には、作文が苦手な子どもがいます。
子どもが作文が苦手な理由は、大きく2つあります。
1つは、何を書けばいいかわからないからです。
もう1つは、どう書けばいいかわからないからです。
何を書けばいいか内容が思いつかない子どもにとって、書く内容が決まっていると、比較的書きやすくなります。
<4こま漫画のよさ>
今回、取り上げる4こま漫画には、いくつかよいところがあります。
1つめは、簡単に内容がわかることです。
文字と絵で簡単に表していますので、多くの子どもにとって、どんな内容か理解しやすいです。読書感想文などを書こうとすれば、時間をかけて読書をして、内容を理解することが必要です。しかし、4こま漫画はすぐに内容を理解することができます。
2つめは、4こま漫画は、面白いことです。
子どもは、とても面白いことが好きです。
多くの4こま漫画には、ユーモアや笑いが含まれています。
ユーモアや笑いには、人の心を和らげたり、リラックスさせたり、人の気持ちをあたたかくさせたりする働きがあります。
3つめは、物語性があることです。
4こま漫画では、4こまという短い絵の中で、起承転結があったり、ドラマがあったりすることが多いことです。
事件が起こり、きちんと落ちがあることが多いです。
4つめは、上手に強調や省略が使われていることです。
4こま漫画は、4こましかない絵の中で、1つのお話を完結しなければいけないので、上手に強調したり省略したりして描かれています。よい作文では、時には詳しく、時には省略をして書く必要があります。時には、強調して書く必要もあります。それを自然と身につけることができます。
5つめは、どこにでもたくさんあることです。
多くの新聞では、4こま漫画を載せています。最近は、新聞を定期購入していない家庭もありますが、比較的いろいろな場所で、4こま漫画を見つけることができます。
<準備>
4こま漫画を題材にして、子どもに作文を書かせるためには、4こま漫画を用意する必要があります。新聞の4こま漫画として有名なものに「サザエさん」「ののちゃん」「コボちゃん」「桜田です!」などがあります。それらのいくつかは、文庫本や単行本になっています。それを用意しておくと、家で新聞を購入していない子どもには役立ちます。
家で新聞を購入している子どもには、前もって予告しておいて、好きな漫画を探すようにしておくのもよいと思います。
4こま漫画には、当然著作権があります。しかし、授業で使う分には、問題ないと思います。
授業で使う著作権については、次のような規定があります。
著作権法第35条第1項
学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
著作権法
<4こま漫画を使った作文の具体例>
ここでも、実際の4こま漫画を使った実例を示したいと思います。
ただ、このブログは、授業ではありませんので、勝手に誰かの著作物を利用することはできません。そこで、このブログのイラストを提供していただいている「ぺるこさん」にお願いして、4こま漫画を使わせていただくとにしました。(ぺるこさんの了承はいただいています。)
「例1」
かわいい赤ちゃん
赤ちゃんは、とてもかわいいです。でも、時々こまったことをしてしまうことがあります。それはなんでもかんでもなめてしまうことです。赤ちゃんは、どんなものかをたしかめるために、いろいろなものをなめます。
ある時、赤ちゃんは、いつものように近くにあったものをなめ始めました。ちゅぱちゅぱ、ぺろぺろうれしそうです。でも、それは、こまったことに、お母さんのけいたい電話でした。
こまったお母さんは、「だめ、だめ」と取りあげようとしますが、赤ちゃんは、ふまんそうです。にぎりしめて返してくれません。お母さんは、こまってしまいました。
そこで、お母さんは、赤ちゃんにおねがいしてみることにしました。
「これちょうだい」
と、両手を出して、おねがいしました。
すると、赤ちゃんは、「どうぞ」と返してくれました。
お母さんは、うれしそうに、
「ありがとう。まじでえらいなあ。」
と言いました。でも、お母さんは、心の中で、
(本当は、わたしのけいたい電話なのに。)
と思いました。
「例2」
どうしたらいいのかな?
赤ちゃんは、気分屋さんです。かわいいけれども、なかなか思い通りの行動をとってくれません。ある時、ちゅちゅたんという赤ちゃんが、お母さんのけいたい電話で遊んでいました。
赤ちゃんは、何でもすぐになめてしまいます。その時も、ちゅちゅたんは、お母さんのけいたい電話をなめ始めました。お母さんは、こまってしまいました。
(どうしたらいいのかしら?)
力ずくで取りあげることもできますが、そうすると、しばらくちゅちゅたんは、なくことになってしまいます。
お母さんは、考えました。ちゅちゅたんが自分からけいたい電話を返してくれる方法はないかなとしばらく考えました。
そして、そうだ、と思いつきました。おねがいをしてみましょう。
お母さんは、両手を出して、おねがいしてみました。
「ねえ、ちゅちゅたん、けいたい電話、ちょうだい。」
すると、ちゅちゅたんは、うれしそうに、けいたい電話を返してくれました。
こうして、けいたい電話は、ぶじお母さんの手にもどってきました。ただ、かなしいことがありました。けいたい電話は、ちゅちゅたんがなめたので、すっかりぬれてしまっていました。
<元になった4こま漫画>
元になった4こま漫画は、ぺるこさんの作っている「子育ち日記」というブログの中にある「9ヶ月 ちょうだい どうぞ」という題名の漫画です。
子育ち日記に進む(外部リンク)
<まとめ>
いかがでしょうか?
1つの4こま漫画を使って2つの作文を書いてみました。同じ4こま漫画でもきっと子どもの数だけ違う文章になると思います。
子どもが面白いと思う4こま漫画を使った作文は、簡単で楽しい作文になると思います。中身のある質のよい4こま漫画を使った作文は、書いていても本当に楽しいです。
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なお、他の作文指導についてもお読みください。
作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む(内部リンク)
作文のすすめ(8)低学年向けに進む(内部リンク)
作文のすすめ(9)中学年向けに進む(内部リンク)
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