作文のすすめ(13)意見文

指導方法
つばさ
つばさ

作文で意見文を書くこともありますね。

 作文の文種の1つに意見文があります。

 今回は、「意見文」について書きます。

意見文

🟠意見文

<意見を述べること>

 小学校の作文の1つに意見文の指導があります。

 小学校学習指導要領には、意見文に関する説明として、「書くこと」の「言語活動例」として、次のような記載があります。

 ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動

 考えたことや伝えたいことを文章に書く言語活動を例示している。  

 事象を説明する文章を書くとは,対象となる事象について,表面に表れている事実を説明するのみならず,その事実が生起した背景や原因,経過などを整理して書き表すことである。例えば,調査などを通して明らかになったことを解説する文章などが考えられる。  

 意見を述べる文章を書くとは,理由や事例を明確にしながら,筋道を立てて自分の考えを述べることである。例えば,自分の考えを,異なる立場の読み手に向けて主張する文章や,自分たちの生活をより良いものにするために提案する文章,事物のよさを多くの人に推薦する文章などを書くことが考えられる。

小学校学習指導要領解説 国語編

 「意見文」という表現は、使われていませんが、「意見を述べる文章を書くとは、理由や事例を明確にしながら、筋道を立てて自分の考えを述べること」としています。

 そして、「異なる立場の読み手に向けて主張する文章」「自分達の生活をよりよくするものにするために提案する文章」「事物の良さを多くの人に推薦する文章」の3つの文章を例として挙げています。

 子どもも高学年になると、社会に対する関心も高くなり、さまざまなことに関して疑問や問題意識をもち、自分なりの考えや意見をもつことができるようになります。

 ただ、意見をもつだけでなく、できたらその考えを他者に向けて発信できるようになると素晴らしいと思います。

<世界の中の日本>

 今、世界には、たくさんの国々があります。

 しかし、全ての国で自分の考えを自由に発信できるような自由が保障されているわけではありません。

 国よっては、為政者の考えとは違う意見を述べるだけで、拘束されたり、罰せられたりする国がたくさんあります。

 日本は、とても素晴らしい国で、他者に対する根拠のない誹謗中傷や暴言、ヘイトスピーチ、差別的言動などでない限り、自分の考えを自由に述べることができます。

 自分の考えを文章にすることもできます。

 しかし、今から80年ほど前の戦争中は、そのような自由はありませんでした。

 国の方針に反対するような考えを述べることは、憚れ、糾弾され、場合によっては、非国民として捕まり、拷問にかけられることもありました。

 間違ったことを述べることは、よくないのでしょうが、きちんと、具体例や理由をつけて自分の考えを述べることは奨励されてもいいことかもしれません。

 確かに、1人1人の意見は小さく、大きな声にならないことの方が多いのかもしれません。

 しかし、自分の考えを筋道立てて考え、立場の違う人にもわかりやすいように冷静にていねいに伝える力を身につけることはとても大切だと思います。

<日本のよさ>

 日本では、自分の考えを述べることが自由です。

 しかし、多くの人が冷静に論理的にきちんと自分の考えを述べることができる能力が身についているかどうかは、はっきりしないところもあります。

 多くの日本人は、尋ねられると、自分の考えを述べることはありますが、進んで自分の考えを主張することはあまりありません。

 ただ、テレビや新聞などが定期的に行う政府に対する支持率の変化などを見ると、かなり自分の考えを自由に表明できる国であることは確かです。

 政府の政策に対する不満や不平を述べても逮捕されることはありません。

 とても素晴らしい国です。

<意見文を書き、新聞などに投書をする>

 日本は、自分の考えや意見を自由に述べることのできる本当に素晴らしい国です。

 しかし、その考えを自由に表出する方法がたくさんあるわけではありません。

 自分の考えを表現する1つの方法が意見文を書くことです。

 小学生の考えなどを自由に表現できる場がたくさんあるわけではありません。

 しかし、その1つの方法として、意見文を書き、新聞などに投書するという方法があります。

 多くの新聞社の投書欄には、若者や子どもの投書を定期的に掲載しているところもあります。

 例えば、朝日新聞などは、毎週火曜日の朝刊の「」という投書欄の下に4名分の「若い世代」と題した当初を載せるコーナーを設置しています。

 読売新聞でも、「気流」という投稿欄があり、時折、若者や子どもの投書が掲載されることがあります。

 全ての子ども書いた意見文が新聞に掲載されるわけではありません。しかし、1つの励みとして、新聞に投書するという目標をもって、意見文を書くという活動は、子どもにとって楽しくやりがいのある学習活動になると思います。

⭐️ ⭐️

 作文の指導については、次のページもお読みください。

作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む内部リンク

作文のすすめ(8)低学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(9)中学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(10)高学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(11)卒業文集に進む内部リンク

作文のすすめ(12)4こま漫画に進む内部リンク

作文のすすめ(13)意見文に進む内部リンク

作文のすすめ(14)感想文に進む内部リンク

作文のすすめ(15)縦書きと横書きに進む内部リンク

作文のすすめ(16)日記の指導に進む内部リンク

作文のすすめ(17)系統を考えた指導に進む内部リンク

作文のすすめ(18)お気に入りの表現に進む内部リンク

作文のすすめ(19)提案文に進む内部リンク

作文のすすめ(1)400字作文に進む内部リンク

作文のすすめ(2)400字作文の実際に進む内部リンク

作文のすすめ(3)指導前に、自分が書いてみるに進む内部リンク

作文のすすめ(4)書きたいことがある状態にするに進む内部リンク

作文のすすめ(5)構想表についてに進む内部リンク

作文のすすめ(6)自由作文に進む内部リンク

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました