授業研究:教育用語⑥

教育用語
つばさ
つばさ

研究授業について知りたいです。

 学校の中には、教職員の中だけで使う特別な用語がたくさんあります。

 今回は、そのような教育用語の中の「研究授業」について書きます。

研究授業

🟠研究授業

<研究授業とは?>

 研究授業とは、教員の指導力向上を図るために、多数の人に公開する授業のことです。学校内の教員が参加する校内研修や、他校の教員が多数参加する公開授業などがあります。

 多くの教員は、校内研修で授業を行うことはありますが、大学などの附属小学校などに勤務していないと公開授業を行うことはあまりないと思います。

 「多くの教員は、校内研修で授業を行うことはあります」と書きましたが、どちらかというと、教員は、進んで研究授業をする教員と研究授業をしたがらない教員に分かれることが多いように思います。

 小学校の多くの教員は、一年間に850時間から1000時間程度の授業を行います。

 なかなかたくさんの時間、授業を行っています。

 小学校学習指導要領によると、小学校1年生の子どもの授業時数は、850時間で、小学校6年生の子どもの授業時間は、1015時間です。このようなたくさんの授業をしているわけですが、授業をする相手の子どもを除いて、他の教員や保護者などに授業を公開することはほとんどありません。

 確かに、多くの小学校では、研究する教科や研究テーマを決めて、研究授業を行い、授業改善に努めています

 しかし、全ての教員が、研究授業を行い、授業を公開している学校はあまり多くないのかもしれません。

 個人的には、研究授業を行うことは、準備の時間も必要ですし、たいへんですが、できるだけたくさん研究授業を行い、他の教職員から助言やアドバイスをもらうことは、とても有益だと思うのですが、教員がみんなこのような考えをもっているわけではありません。

 多くの小学校では、各学年1名ないしは、低・中・高学年の代表の教員が授業を行うことが多いように思います。その際、できれば研究授業をして、他者からのアドバイスをもらおうとする教員と、できれば研究授業をしないでおきたいと考える教員がいます。

 考えてみれば不思議なことだと思います。

 小学校の教員の主たる仕事は日々授業をすることです。自分の生活の糧である「授業」を見せたがらないというのはなぜなのでしょうか。

<なぜ研究授業をしたくないのか>

 理由は、いくつかあるように思います。

 1つは、他者から授業を見て、批判されたり酷評されたりすることが嫌だからです。

 2つは、研究授業のためにたくさんの時間が必要だからです。

 校内研修で、研究授業をする場合、指導案を書かないといけません。

 指導案というのは、1時間の授業のために、単元の目標、子どもの様子(児童観)や、教材の内容(教材観)、どのような仕方で指導するか(指導観)を書き、その学習がどのような内容で構成されているのか(単元指導計画)、1時間の授業の目標、1時間の授業をどのように進めていくのかといった事柄を、項目毎に書いたものです。

 慣れていないと、指導案を書くためには、たくさんの時間が必要です。

 授業をする前に前もって指導案検討会をすることもあります。

 この際も、他の教員の自由な発言に対して、自分なりの考えを伝える必要があります。

 忙しい日々の中で、できれば、このような指導案を書いたり、指導案検討会で聞いた話を取り入れて修正した指導案を書く時間をできれば回避したいと考えるからです。

 指導案ができたからといって安心できるわけではありません。

 授業をみんなに見せて行う必要があります。授業というのは、思った通りに進んでいかないことが多々あります。子どもの反応に対してうまく対処できないこともあります。そのような自分の指導力のなさを痛感するので、できれば研究授業を避けたいと思うようになるのだと思います。

 しかし、教員の中には、変わった人も多くいて、研究授業を進んでする人もいます。

 できれば自分の考えた新しい指導法をたくさんの人に見てもらって、評価や賞賛を得たいと考える人もいます。

 さて、教員のみなさんに質問です。

 あなたは、研究授業を公開したい人ですか? それとも、できれば、研究授業はしたくないと思う人ですか?

⭐️ ⭐️

 関係する言葉についてもお読みください。

発問:教育用語①に進む内部リンク

板書:教育用語②に進む内部リンク

机間指導:教育用語③に進む内部リンク

教材:教育用語④に進む内部リンク

リライト教材:教育用語⑤に進む内部リンク

研究授業 小学校初任者研修019に進む内部リンク

校内研修会への参加 小学校初任者研修038に進む内部リンク

オノマトペ:教育用語⑦に進む内部リンク

校務分掌:教育用語⑧に進む内部リンク

教育課程:教育用語⑨に進む内部リンク

週案:教育用語⑩に進む内部リンク

スタートカリキュラム:教育用語⑪に進む内部リンク

分かち書き:教育用語⑫に進む内部リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました