道順をどう話すか 話すこと・聞くことの指導(2)

指導方法
つばさ
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道順をどう話すといいか、知りたいです。

 今回は、「どのように話すとわかりやすいのか」ということについて書きます。

 特に、ここでは、「道順をどう話すか」について書きます。

道順をどう話すか?

🟠「話すこと・聞くこと」に関する問題

 まず、問題です。

友だちが、あなたの家に遊びに来ることになりました。その友だちは、あなたの家を知りません。友だちは、今、最寄駅に着き、電話してきました。駅からあなたの自宅までの道順を、どのように話すと電話先の友だちに、よく伝わるでしょうか。

 これは、ある「話すこと・聞くこと」の講演会で、講師の方が示された問題です。

 その講師の方の答えをお示しする前に、1、2分、どのように話すと、聞き手はわかりやすいか考えてみてください

 答えをお示しする前に、この問題のよいところを書きます。

 この問題は、話す必要のある場が、極めて具体的です。

 その上、必ず話だけで相手に道順を示す必要があります。

 家までの道順を示すだけならば、地図を渡しておくことも可能でしょうが、この問題では、話をするだけに絞られます。あなたの話す力の本当の力量が問われます。

 あなたの話し方は、次の二つの話し方のうち、どちらの話し方に近いでしょうか。

A  まず、駅の東口から出ると、コンビニがあります。コンビニに向かって、コンビニの左側の道を、まっすぐ道にそって歩いていきます。(以下略)
B 駅から私の家までおよそ10分かかります。駅から出て、北の方向に私の家があります。では、細かく説明していきます。駅の東口から出ると、コンビニがあります。コンビニに向かっ
て(以下略)

 みなさんが考えた道順の説明は、AとBのどちらの説明に近かったでしょうか。

 多分、大部分の方は、Aに近い説明を思いつかれたのではないでしょうか。

🟠道順では、最初に、何分かかるか見通しを示すとよい

 Aと比べてBのよいところは、最初に「駅から自宅まで何分ぐらいかかるか」という見通しを示していることです。

 耳で聞く人の立場に立ってみると、いきなり細かい説明を始められると、細かい部分を聞くことに専念する必要に迫られます。

 しかし、何分かかるのかという大枠を示されますと、どのぐらい真剣に話を聞く必要があるのか心構えができます。

 2分と言われれば、すぐ着くので、ある程度意識するだけで大丈夫だと思うでしょうし、20分と言われれば、少し真剣に聞かないと迷子になるぞと思うでしょう。(スマートフォンで調べながら行くから住所を教えてほしいと思うかもしれませんが。)

 「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、相手を森の中で迷子にさせないためにも、話すときには、どのように話すと、相手は理解しやすいのかということを意識して話す必要があります。

 指導者の立場で考えれば、「どのように話すと、聞き手は理解しやすいか」ということが意識できるような子どもに育てることが大切です。

🟠話し言葉と書き言葉の違いを意識することも大切

 今私が書いている文章は、みなさんが読むことを想定して書いています。楽しんで読んでいただけるようにクイズを入れたり、むずかしい言葉をそのまま使ったりしています。

 もし、この文章をそのまま読んで、みなさんに耳だけで聞いてもらうと、わかりにくいところもたくさんあるのではないでしょうか。

 文字で書かれた文章(書き言葉)の場合は、わかりにくいところはもう一度読み返すこともできますし、自分のペースでゆっくり読むこともできます

 しかし、話(耳で聞くこと)は、そうはいきません。話した(聞いた)途端に消えていきます。

 話すときのポイントは、文字と音声は違うことを理解することです。そして、音声は話した途端になくなるので、どのようにすると相手の頭に残るような話になるかということを考え、実行することです。

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