3年生算数の学習内容 算数の指導(5)

算数の学習
つばさ
つばさ

3年生算数の学習内容について知りたいです。

   小学校の各教科で何を教えるのか、その全体像を知っておくことはとても大切です。

 今回は、「3年生算数の学習内容」について書きます。

🟠3年生算数の学習内容

<3年生算数の目標>

 現行の小学校学習指導要領では、3年生の「算数」の目標が次のように書かれています。

(1)数の表し方整数の計算の意味と性質小数及び分数の意味と表し方基本的な図形の概念量の概念棒グラフなどについて理解し,数量や図形についての感覚を豊かにするとともに,整数などの計算をしたり,図形を構成したり,長さや重さなどを測定したり,表やグラフに表したりすることなどについての技能を身に付けるようにする。

(2)数とその表現や数量の関係に着目し,必要に応じて具体物や図などを用いて数の表し方や計算の仕方などを考察する力,平面図形の特徴を図形を構成する要素に着目して捉えたり,身の回りの事象を図形の性質から考察したりする力,身の回りにあるものの特徴を量に着目して捉え,量の単位を用いて 的確に表現する力,身の回りの事象をデータの特徴に着目して捉え,簡潔に 表現したり適切に判断したりする力などを養う。

(3)数量や図形に進んで関わり,数学的に表現・処理したことを振り返り,数理的な処理のよさに気付き生活や学習に活用しようとする態度を養う。

小学校学習指導要領 算数

<3年生算数の学習内容>

 現行の小学校学習指導要領では、算数の学習の内容は、大きく5つの領域に分かれています。

 1年生から6年生まで、「A数と計算」「B図形」「Dデータの活用」の3つの領域では、全学年共通です。Cの領域は、1年生から3年生は、「C測定」、4年生から6年生は、「C変化と関係」に分かれています。

 算数の学習は、2年生から6年生では175時間学ぶことになっています。

 小学校学習指導要領によると、3年生の学習の内容は、概ね次の通りです。

「A領域:数と計算」

 A(1):数の表し方

 A(2):加法,減法

 A(3):乗法

 A(4):除法

 A(5):小数の意味と表し方

 A(6):分数の意味と表し方

 A(7):数量の関係を表す式

 A(8):そろばん

「B領域:図形」

 B(1):二等辺三角形,正三角形などの図形

「C領域:測定」

 C(1):長さ,重さの単位と測定 

 C(2):時刻と時間

「D領域:データの活用」

 D(1):表と棒グラフ

「数学的活動」

 では、それぞれの学習内容について、「小学校学習指導要領」でもう少し詳しく見ていきます。

<A領域「数と計算」の内容>

(1)整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)万の単位について知ること。

(イ)10 倍,100 倍,1000 倍, 1 の大きさの数及びそれらの表し方について知ること。

(ウ)数の相対的な大きさについての理解を深めること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数のまとまりに着目し,大きな数の大きさの比べ方や表し方を考え,日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「等号 不等号 数直線」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「大きな数のしくみ」

(2)加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

(ア)3位数や4位数の加法及び減法の計算が,2位数などについての基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,それらの筆算の仕方について理解すること。

(イ)加法及び減法の計算が確実にでき,それらを適切に用いること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり計算に関して成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり計算の確かめをしたりすること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「たし算とひき算の筆算」「暗算」

乗法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算が,乗法九九などの基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

 (イ)乗法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

 (ウ)乗法に関して成り立つ性質について理解すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり計算に関して成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり計算の確かめをしたりすること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「かけ算」「かけ算の筆算」

(4)除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

(ア)除法の意味について理解し,それが用いられる場合について知ること。また,余りについて知ること。

 (イ)除法が用いられる場面を式に表したり,式を読み取ったりすること。

 (ウ)除法と乗法や減法との関係について理解すること。

 (エ)除数と商が共に1位数である除法の計算が確実にできること。

 (オ)簡単な場合について,除数が1位数で商が2位数の除法の計算の仕方を知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

(ア)数量の関係に着目し,計算の意味や計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり計算の確かめをしたりすること。

(イ)数量の関係に着目し,計算を日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「÷」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「わり算」「あまりのあるわり算」「大きな数のわり算」

(5)小数とその表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

  (ア)端数部分の大きさを表すのに小数を用いることを知ること。また,小数の表し方及び 1 /10の位について知ること。

 (イ)1/10 の位までの小数の加法及び減法の意味について理解し,それらの 計算ができることを知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

ア 数のまとまりに着目し,小数でも数の大きさを比べたり計算したりできるかどうかを考えるとともに,小数を日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「小数点 1/10」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「小数」

(6)分数とその表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数を用いることを知ること。また,分数の表し方について知ること。

 (イ)分数が単位分数の幾つ分かで表すことができることを知ること。

 (ウ)簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,それらの計算ができることを知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)数のまとまりに着目し,分数でも数の大きさを比べたり計算したりできるかどうかを考えるとともに,分数を日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 なお、〔用語・記号〕 として、「分母 分子」を扱えるようにします。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「分数のわり算」「分数」

(7)数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

ア 数量の関係を表す式について理解するとともに,数量を□などを用いて表し,その関係を式に表したり,□などに数を当てはめて調べたりすること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

ア 数量の関係に着目し,数量の関係を図や式を用いて簡潔に表したり,式と図を関連付けて式を読んだりすること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「□を使った式」

(8)そろばんを用いた数の表し方と計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)そろばんによる数の表し方について知ること。

 (イ)簡単な加法及び減法の計算の仕方について知り,計算すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

 (ア)そろばんの仕組みに着目し,大きな数や小数の計算の仕方を考えること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「そろばん」

<B領域「図形」の内容>

(1)図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

(ア)二等辺三角形,正三角形などについて知り,作図などを通してそれらの関係に次第に着目すること。

(イ)基本的な図形と関連して角について知ること。

(ウ)円について,中心,半径,直径を知ること。また,円に関連して,球についても直径などを知ること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

(ア)図形を構成する要素に着目し,構成の仕方を考えるとともに,図形の性質を見いだし,身の回りのものの形を図形として捉えること。

小学校学習指導要領 算数

主な単元名としては、次のようなものがあります。

「円と球」「三角形と角」

<C領域「測定」の内容>

(1)量の単位と測定に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

(ア)長さの単位(キロメートル(km)及び重さの単位(グラム(g),キログラム(kg)について知り,測定の意味を理解すること。

(イ)長さや重さについて,適切な単位で表したり,およその見当を付け計器を適切に選んで測定したりすること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

(ア)身の回りのものの特徴に着目し,単位の関係を統合的に考察すること。

小学校学習指導要領 算数

 なお、「重さの単位トン(t)」について触れるとともに,「接頭語(キロ(k)やミリ(m)」についても触れる。

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「長いものの長さのはかり方と表し方」「重さのたんいとはかり方」

(2)時刻と時間に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

(ア)秒について知ること。

(イ)日常生活に必要な時刻や時間を求めること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

(ア)時間の単位に着目し,時刻や時間の求め方について考察し,日常生活に生かすこと。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「時こくと時間のもとめ方」

<D領域「データの活用」の内容>

(1)データの分析に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

次のような知識及び技能を身に付けること

 (ア)日時の観点や場所の観点などからデータを分類整理し,表に表したり読んだりすること。

 (イ)棒グラフの特徴やその用い方を理解すること。

次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

ア データを整理する観点に着目し,身の回りの事象について表やグラフを用いて考察して,見いだしたことを表現すること。

小学校学習指導要領 算数

 主な単元名としては、次のようなものがあります。

「ぼうグラフと表」

<数学的活動>

(1)内容の「A数と計算」,「B図形」,「C測定」及び「Dデータの活用」に示す学習については,次のような数学的活動に取り組むものとする。

ア 身の回りの事象を観察したり,具体物を操作したりして,数量や図形に進んで関わる活動

イ 日常の事象から見いだした算数の問題を,具体物,図,数,式などを用いて解決し,結果を確かめる活動

ウ 算数の学習場面から見いだした算数の問題を,具体物,図,数,式などを用いて解決し,結果を確かめる活動

エ 問題解決の過程や結果を,具体物,図,数,式などを用いて表現し伝え合う活動

小学校学習指導要領 算数

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 算数の学習の具体例については、次のページをお読みください。

大きなかけ算を指でする:算数の指導に進む内部リンク

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基本的な指導の流れ 社会科の指導(1)に進む内部リンク

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