伝統的な言語文化って知っていますか?
国語の学習の中には、日本で昔から伝わる「伝統的な言語文化」と呼ばれるものがあります。
今回は、「伝統的な言語文化」について書きます。
伝統的な言語文化:言語文化①
🟠伝統的な言語文化
<伝統言語文化とは>
日本語は、世界の中でも、とても古くからある言葉のひとつです。
いにしえの昔から、多くの人が日本語を使い、日本語を使うことで、意思の伝達をしてきました。また、文字や音声などを使って、自分や他人の考えや出来事などを日記や物語、和歌、詩歌、短歌、俳句、昔話、伝説などという形で表現することで伝えてきました。
そのおかげで、千年以上前の昔の人が書いたものを、今でも読むことができますし、現代人が書いたものを未来においても、私たちの子孫が読むことができそうです。
現行の小学校学習指導要領の「国語科の内容」には、次のようなことが書かれています。
2 〔知識及び技能〕の内容
(1) 言葉の特徴や使い方に関する事項
言葉の特徴や使い方に関する事項である。
(2) 情報の扱い方に関する事項
話や文章に含まれている情報の扱い方に関する事項である。
(3) 我が国の言語文化に関する事項
我が国の言語文化に関する事項である。
小学校学習要領 解説 国語編
今回話題にしている「伝統的な言語文化」は、上記の「(3) 我が国の言語文化に関する事項」に含まれる内容です。
さらに、次のように書かれています。
我が国の言語文化とは,我が国の歴史の中で創造され,継承されてきた文化的に価値をもつ言語そのもの,つまり文化としての言語,またそれらを実際の生活で使用することによって形成されてきた文化的な言語生活,さらには,古代から現代までの各時代にわたって,表現し,受容されてきた多様な言語芸術や芸能などを幅広く指している。
○ 伝統的な言語文化
伝統的な言語文化に親しむことに関する事項である。
我が国の言語文化に触れ,親しんだり,楽しんだりするとともに,その豊かさに気付き,理解を深めることに重点を置いて内容を構成している。
小学校学習要領 解説 国語編
簡単に要約すると、伝統的な言語文化とは、「昔から日本文化の中で使われてきた言葉に関わる事柄」です。
具体的には、昔話や神話・伝承、言葉遊び、易しい文語調の短歌や俳句、ことわざや慣用句、故事成語、古文や漢文などの古典、近代以降の文語調の文章などのことです。
<1・2年生の指導内容>
1・2年生の指導内容としては、次のように書かれています。
ア 昔話や神話・伝承などの読み聞かせを聞くなどして,我が国の伝統的な言語文化に親しむこと。
イ 長く親しまれている言葉遊びを通して,言葉の豊かさに気付くこと。
小学校学習要領 解説 国語編
1、2年生では、昔話や神話、伝承などの読み聞かせを聞いたり、子ども自身で絵本などを読んだりすることを通して、昔から日本に伝わる様々な昔話や神話、伝承、民話などに親しむことです。
また、早口言葉や折句、なぞなぞ、回文などの言葉遊びなどを通して、低学年の子どもなりに日本文化のよさや、言葉の豊かさに気づくことでもあります。
なお、私が子ども用に作っている「よみもの」やこの「教育よもやま情報」でも、次のような内容の文章を作っています。
月と兎に進む(外部リンク・よみもの)
因幡の白兎(1)に進む(外部リンク・よみもの)
因幡の白兎(2) に進む(外部リンク・よみもの)
民話と昔話に進む(外部リンク・よみもの)
求女塚① 兵庫民話に進む(外部リンク・よみもの)
求女塚② 兵庫民話に進む(外部リンク・よみもの)
早口言葉 音読指導(6)に進む(内部リンク)
なぞなぞ(1)遊び②に進む(内部リンク)
なぞなぞ(2)遊び③に進む(内部リンク)
言葉遊び(1)折句 遊び④に進む(内部リンク)
<3・4年生の指導内容>
3・4年生の指導内容としては、次のように書かれています。
ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。
イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。
小学校学習要領 解説 国語編
3、4年生では、百人一首をはじめ、いろいろな和歌や短歌、俳句などに親しみます。日本人のたしなみとして、いくつかの短歌や俳句などを覚えることも必要かもしれません。また、自分なりに短歌や俳句などを作ってみる機会をもつようにもします。
古くから使われているたくさんのことわざや慣用句、故事成語などの意味を知り、日常会話や作文の中でも使えるようになることも大切です。
なお、私が子ども用に作っている「よみもの」やこの「教育よもやま情報」でも、次のような内容の文章を作っています。
ことわざ Proverbに進む(外部リンク・よみもの)
蛇足に進む(外部リンク・よみもの)
塞翁が馬に進む(外部リンク・よみもの)
短歌 言語文化②に進む(内部リンク)
生きることがうたうことだから。に進む(内部リンク)俵万智さんの名言
俳句 言語文化③に進む(内部リンク)
<5・6年生の指導内容>
5・6年生の指導内容としては、次のように書かれています。
ア 親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。
イ 古典について解説した文章を読んだり作品の内容の大体を知ったりすることを通して,昔の人のものの見方や感じ方を知ること。
小学校学習要領 解説 国語編
5、6年生では、簡単な古文や漢文、文語調の文章などを親しむ活動を行います。
教科書には、「竹取物語」「平家物語」「徒然草」「おくのほそ道」「枕草子」「論語」「漢詩」「落語」などの文章が出てきたり、どのような文章であるか解説が出てきたりしています。
高学年の子どもなりに、古文や漢文などに触れる機会をもつことになります。
短歌や俳句などは、高学年なりに、中学年から少し成長した形で作る機会をもつようにします。
言葉遊び(1)折句 遊び④に進む(内部リンク):伊勢物語に言及
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