大切な人と深くつながるために 教材分析014

教材分析
つばさ
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大切な人と深くつながるために」の教材分析について知りたいです。

 よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

 しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

 そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

 今回は、「大切な人と深くつながるために」です。

大切な人と深くつながるために:教材分析

🟠大切な人と深くつながるために:教材分析

 この教材は、光村図書の6年生の教科書に掲載されている説明文です。

<作者>

 鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)作

 出典:この教材は、この教科書のために書きおろしされた文章です。

 鴻上尚史さんについて

 1958年、愛媛県新居浜市の生まれです。日本の劇作家、演出家です。

 高校生の時から演劇部に所属していました。大学で早稲田大学演劇研究会に所属後、「第三舞台」を作り、さまざまな演劇を作り、上演しました。その後もさまざまな演劇を作り、上演しています。

 <題名>

 題名は「大切な人と深くつながるために」です。

 大切な人と深くつながるために「どうすればいいのか」ということが書かれていることが予想されます。文章をあえて途中で止めるために、自分の言いたいことを強調する書き方になっています。

<はじめとおわり>

はじめ

 筆者は、最初に「友達と遊びに行く相談」というよくある場面を話題にすることから書き出します。

 そして、「本当の気持ちを言わないで周りに合わせているだけなら、あなたはだれとでも仲よくでき」るけれども、「あなたが、本当に行きたい場所、したいことを言い出したら、だれかとぶつか」ることがあるけれども、「それは悪いことではありません。」と筆者は書きます。

 そして、「そういうとき、人は、なんとかうまく自分の意見を言って、相手と話し合い、コミュニケーションしようとします。」と書きます。このはじめの段落では、題名の「大切な人と深くつながるために」コミュニケーションすることが大切だと書いています。

おわり

 筆者は、最後の段落で、あなたの最近の状況についてたずねます。「あなたはどうですか。人と会話する時間は増えていますか。減っていますか。」聞きます。

 そして、「本当に自分の言いたいことを言い、本当にしたいことをしようと思ったら、あなたは人とぶつかります。」と書きます。

 そして、筆者は、「それが、あなたがあなたの人生を生きるということです。」と書きます。

 このようなぶつかったときは、「悲しむのではなく、『コミュニケーションの練習をしている』と思ってください。」と書きます。このようなことをくりかえすことで、コミュニケーションは「上達し」、「あなたは大切な人と出会い、深くつなが」るとまとめます。

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに進む内部リンク

<形式段落>

 形式段落は、全部で7段落です。

 形式段落毎の簡単な内容は、次の通りです。

① 友達と遊びの相談をする時、自分の考えを言うとぶつかりますが、それは普通のことです。

② コミュニケーションが得意とは、相手ともめたときになんとかできる能力のことです。

③ 私たちは違うので、とりあえずやれる解決法を見出せるのが得意だということです。

④ 簡単なことではないですが、コミュニケーションが上達すると、大切な人とつながれます。

⑤ 何回も練習してコミュニケーションすると、コミュニケーションが得意になります。

⑥  最近はインターネットが発達し、人との直接のコミュニケーションが苦手になりました。

⑦  人とぶつかることも、コミュニケーションの練習をしていると思うと、上達できますよ。  

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 なお、この部分については、リライト教材として、漢字に読みがなをつけたものを、姉妹ブログの「よみもの」に用意しています。

大切な人と深くつながるために・要点に進む外部リンク・よみもの

説明文の教材研究(4) 段落関係と要点に進む内部リンク

<意味段落>

①段落:序論(はじめ):

 友達と遊びの相談をするときに、自分の気持ちを言わないでおくとうまくいくが、自分の考えを言うとぶつかることがあるが、それは普通のことだと書きます。

②~⑥段落:本論:(なか)

 コミュニケーションが得意なのは、どういうことなのかについて書いています。おたがいに自分の希望を言うとぶつかることがあるが、それでもなんとかコミュニケーションを繰り返して、とりあえずやっていける折り合いをつける技術を身につけることが「コミュニケーションが得意」になるということだと書きます。具体的には、「話し方や断り方、アドバイスのしかた、要求のしかた」などが得意になっていきます。

 最近、インターネットが発達し、人と直接コミュニケーションが苦手になっていることにも触れています。

⑦段落:結論(おわり)

 したいことをしようとすれば、人とぶつかることもあるが、それはコミュニケーションの練習としていると思うようにすると、上達するし、そうすることで、大切な人と出会い、深くつながことができると書きます。

<大事な言葉>

 コミュニケーション、もめる、能力、解決、技術、インターネット

説明文の教材研究(5) 大事な言葉と要約に進む内部リンク

<表現の工夫>

問いかけ

 2つの問いかけをしています。

 1つめは、「あなたは、コミュニケーションは得意ですか。それとも苦手ですか。」と聞きます。

 この問いかけをすることで、この説明文の伝えたいことである「コミュニケーション」に対する読み手の知的欲求を高めようとしています。

 2つめは、「あなたはどうですか。人と会話する時間は増えていますか。減っていますか。」

 この問いかけをすることで、コミュニケーションに上達するためには、直接人と会話することが大切であることに気づかせようとしています。

説明文の教材研究(8) 列挙 反復 問いかけに進む内部リンク

<要旨>

 この説明文では、大切な人と深くつながるためには、人と直接会話をして、何回も練習をくりかえすことが大切だとしています。人とぶつかりながらも、なんとか折り合いをつける技術を身につけることが、コミュニケションが得意になるということだとしています。

<まとめにかえて>

 この教材分析は、このブログに載せている「説明文の教材研究」で取りあげたいくつかの視点に基づいて行ったものです。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。


⭐️   ⭐️

 なお、説明文に関係する次の項目についても、併せて読んでください。

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に進む内部リンク

説明文の教材研究(3) 文章の構成に進む内部リンク

説明文の教材研究(6) 引用に進む内部リンク

説明文の教材研究(7) 表現の工夫(対比)に進む内部リンク

説明文の教材研究(9) 比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

説明文の教材研究(10)なぜ教材研究をするのかに進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)指導計画に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(10)に進む内部リンク

⭐️   ⭐️

 他の説明文の教材分析も併せてお読みください。

メディアと人間社会 教材分析⑬に進む内部リンク

数え方を生みだそう 教材分析⑤に進む内部リンク

さわっておどろく 教材分析⑥に進む内部リンク

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