作文のすすめ(14)感想文

指導方法
つばさ
つばさ

感想文について知りたいです。

 文章を読むときには、文章を物語文と説明文に大きく分けることがあります。

 しかし、作文を書くときには、あまりこの2つに分けることはありません。

 読書感想文以外では、あまり聞きなれない言葉ですが、今回は、「感想文」について書きます。

🟠感想文

<小学校に出てくる作文の文種>

 小学校学習指導要領の「書くこと」の指導には、次のような言語活動例が出ています。

 第1学年及び第2学年には、次のような文章があります。

 ア 身近なことや経験したことを報告したり,観察したことを記録したりするなど,見聞きしたことを書く活動。

 イ 日記や手紙を書くなど, 思ったことや伝えたいことを書く活動。

 ウ 簡単な物語をつくるなど, 感じたことや想像したことを書く活動。

小学校学習指導要領

 あえて文種などにすると、「報告文」「記録文」「観察文」「日記」「手紙」「物語文」になるでしょう。

 第3学年及び第4学年には、次のような文章があります。

 ア 調べたことをまとめて報告するなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。

 イ 行事の案内やお礼の文章を書くなど,伝えたいことを手紙に書く活動。

 ウ 詩や物語をつくるなど, 感じたことや想像したことを書く活動。

小学校学習指導要領

 ここでも、あえて文種などにすると、「報告文」「案内文」「学級新聞」「小冊子」「リーフレット」「礼状」「手紙」「詩」「物語文」になるでしょう。

 第5学年及び第6学年には、次のような文章があります。

 ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動。

 イ 短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

 ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。

小学校学習指導要領

 ここでも、あえて文種などにすると、「説明文」「意見文」「短歌」「俳句」「感想文」になるでしょう。

 小学校学習指導要領では、いくつかの作文を書く際の文種について、明確にしていますが、曖昧な書き方に終始しているものなどもあります。

 例えば、小学校学習指導要領解説国語編の145ページには、次のような記述が載っています。

 ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。

 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く言語活動を例示している。

 身近に起こったこと,見たことや聞いたこと,経験したことなどを描写しながら,感想や自分にとっての意味などをまとめて書く言語活動である。この言語活動は,中学校第1学年の随筆を書く言語活動につながるものである。

小学校学習指導要領 解説 国語編

 随筆につながる文種ではあるのですが、明確にこのような文種であると指定はしていません

「身近に起こったこと,見たことや聞いたこと,経験したことなどを描写しながら,感想や自分にとっての意味などをまとめて書く」とは、一体どのような文種を想定しているのでしょうか。

 あえてこの作文に言葉をつけるとしたら「感想文」でしょうか。

 随筆につながるのですが、随筆とは違う「身近に起こったこと,見たことや聞いたこと,経験したことなどを描写しながら,感想や自分にとっての意味などをまとめて書く」活動とは、どのような活動なのでしょうか。

<感想文>

 東京書籍の出版している5年生の教科書には、「文章の種類」という国語科の学習で出てくる言葉について解説しているページがあります。

 そこには、「意見文」「記録文」「報告文」「感想文」「物語」「詩」「短歌」「俳句」という言葉が並び、「感想文」には次のような説明が書かれています。

 ある物事について、自分が感じたり思ったりしたことを伝える文章生活の中で感じたり思ったりしたことや、本を読んで感じたり思ったりしたことを伝える文章などを指す

東京書籍 5年 教科書「新しい国語」

 一般的には、読書感想文以外の場面で「感想文」という言葉を目にすることはないのですが、東京書籍では、このように「感想文」という言葉を用いています。

 そして、伝記教材である「手塚治虫」の教材を読み、感想文を書くような学習を単元として設定しています。

 ただ、夏休みの宿題として、多くの小学校で出されるような「読書感想文」という設定にはしていません。

 東京書籍では、「手塚治虫」さんの伝記を読み、手塚治虫さんの考えや生き方を読み取る学習になっています。その後で、手塚治虫さんの生き方について感じたことを感想文という形で文章に書き、友だちと交流することにしています。

 その後、自分の興味を持った人物の伝記を読み、感想文を読み、感想を伝え合うことにしています。

⭐️ ⭐️

 作文の指導伝記については、次のページもお読みください。

作文のすすめ(11)卒業文集に進む内部リンク

作文のすすめ(12)4こま漫画に進む内部リンク

作文のすすめ(13)意見文に進む内部リンク

伝記のよさ 伝記の指導方法①に進む内部リンク

伝記から学ぶこと 伝記の指導方法②に進む内部リンク

手塚治虫 教材分析⑧に進む内部リンク

作文のすすめ(15)縦書きと横書きに進む内部リンク

作文のすすめ(16)日記の指導に進む内部リンク

作文のすすめ(17)系統を考えた指導に進む内部リンク

作文のすすめ(18)お気に入りの表現に進む内部リンク

作文のすすめ(19)提案文に進む内部リンク

作文のすすめ(1)400字作文に進む内部リンク

作文のすすめ(2)400字作文の実際に進む内部リンク

作文のすすめ(3)指導前に、自分が書いてみるに進む内部リンク

作文のすすめ(4)書きたいことがある状態にするに進む内部リンク

作文のすすめ(5)構想表についてに進む内部リンク

作文のすすめ(6)自由作文に進む内部リンク

作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む内部リンク

作文のすすめ(8)低学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(9)中学年向けに進む内部リンク

作文のすすめ(10)高学年向けに進む内部リンク

 

 

  

コメント

タイトルとURLをコピーしました